2014年8月3日日曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その180


あの娘とイスカンダルさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)古代進と森雪のことを歌った1985年のヒット曲ですね。


Q: アンジェリカは元気でやっていますか?


一見するとどうということもなさそうにおもわれて、そのじつかなり挑発的な質問です。

アンジェリカというのはアルバム「詩人の刻印」(2007年)に登場する女傑であり、このブログにおいてはまず最強と目される人物のひとりですが、今から2年半ほど前にこれとほぼ同じ質問をいただいたときは、回答からなぜかピス田助手による手記が紐解かれてしまい、延々と足かけ4ヶ月計80,000文字ものスラップスティックなすちゃらか娯楽巨編へと発展しているのです。




以上をふまえて送られてきたこの質問を、挑発的と言わずに何と言いましょう。アクセスが絶叫マシンのように落下した悪夢の4ヶ月間が脳裏によみがえります。描かれている世界はアルバムとほとんど変わりないはずなのに、まったく解せない。

ちなみにQ&Aのコーナーで回答に80,000文字を費やすというのは世界中見渡してもそう類を見ないとおもうし、こんなにたのしいんだからいっそ書物にして「小数点花手鑑 特装版」の目玉コンテンツにするのはどうですかとプレゼンしてみたものの、わりと早い段階で却下になりました。


(遠い目)




プルルルル

何?
「あ、アンジェリカ」
「そうだけど?」
「だよね、えーと」
「……」
「機嫌わるそうだね」
「そう?」
「どうかした?」
「ダイゴくんが電話かけてくるときってろくな話ないから」
「そんなことないよ!」
「いきなり下着の色聞いてきたりするし」
「人聞きがわるすぎる!」
「だいたいそうでしょ」
「ちがうよ!あれはそういう質問がきてて……」
「その質問てのがうさんくさいって言ってるの」
「でも、本当なんだよ」
「で、また質問てわけ?」
「ちが…いや、ちがくもないけど」
「前も聞いたけど何なのそのシステム」
話せば長いことでして……
「いまゴロゴロしてて手が離せないの。じゃあね」
「待って待って待って!すぐ終わるから!」
「あ、そうそう、そういえば博士がね」
「博士?」
「博士」
「ムール貝博士?」
「他に誰がいるの」
「博士が……どうかしましたか」
「あ、まあいいや、言っちゃうとつまらないし」
「何?何なの?」
「ダイゴくんこないだアルバム出したんでしょ」
「……出しましたね……」
「よかったね」
「ありがとうございます……え?どういうこと?」
「おめでとうって言ってるの」
「ご親切に痛み入ります……え、ちょっと何?」
「博士のことも書いたんでしょ?」
「ぎくり」
「ちょっと聴いてみたい気もするけど」
「あの……それで博士は…‥」
「べつに。鼻歌まじりに何かつくってるってだけ」
「それはぼくにかんけいがあるのですか」
「ないといいよね」
「何?何をつくってるの?それが出来上がるとどうなるの?」
「はいはい。で、何なの?
「え?」
「用件は何って聞いてるの」
「いや、あの、博士の……」
「それはもういいでしょ。用がないなら切るけどいい?」
「待って、わかった、切らないで!」
「じゃあどうぞ」
「助かった!じゃあ、えーと、あっ」
「何?」
「いや、なんかこの流れだと切り出しづらいっていうか」
「ちょっと……」
「いや、はい、だいじょぶです、えーとあの」
「……」
…最近、どうですか?
「……」
「……」
「……」
「……」
元気にしてますけど?
「ですよね……」
「それが用件なの?」
「いや、その、そう、です、ていうか」
「ひょっとして何?愛の告白でもしたいわけ?」
「滅相もない!」
「だってそれ質問とかそういうことじゃないよね?」
「いや、ほら!前にあったじゃない?」
「何が?」
「シュガーヒル・ギャングとさ……」
「いつの話?」
「2年くらい前……かな……」
「ふーん」
「そうだ!あの軍艦は?どうなった?」
「軍艦?」
「Sweet Stuffの店の前の川に置いてかれた軍艦だよ!」
「今もあるけど?」
「今もあるんだ!川は?流れてるの?」
「流れてるけど?」
「でも、どうやって?」
「どうって船底をくり抜いて……ねえ、聞いてもいい?」
「あ、はい、どうぞ」
ナンパされたときと同じ空気をかんじるんだけど
「ガーン!」
「わるいけど他あたってくれる?」
「ちがうの!ちがうの!前も同じようなかんじで……」
「……」
「ピス田助手の手記が始まったから……」
「……」
「また始まったりするのかなって……」
「ダイゴくん…」
「はい……」
はやくよくなるといいよね
「病気じゃないよ!」
「またれんらくする」
「したことないじゃん!」
「おだいじに」
「あっ」

プツリ

ツー
ツー
ツー



A: 取りつく島もありません。




質問はいまも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その181につづく!


0 件のコメント: