背負い投げキッスさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)
Q. もっとふてぶてしくなりたいので、コツがあればおしえてください!
僕はせいぜいふてぶて幼稚園をギリ卒園できたくらいのレベルなので、どれくらいお役に立てるかわかりませんが、それでもよければ伝授しましょう。もしもっと高度なふてぶてスキルを身につけたい場合は、ふてぶて大学を首席で卒業したエリート中のエリートである某国大統領の言動をニュースで具に追ってみてください。
またふてぶてしさには解釈によって異なる宗派のようなものがあり、図々しさや無神経まで教義に含むケースも見受けられますが、ここではあくまで原理主義に従います。それによれば、ふてぶてしさとはむしろ「火中の栗をおいしく食べる」ようなことです。
実際、火中の栗ほど危険なものはありません。さるかに合戦を読んでもわかるように、それは歴史が証明しています。
なんとなれば高温で熱せられた栗は大爆発を引き起こし、周囲に深刻な被害をもたらすからです。さるかに合戦においてサルが尻や顔の火傷で済んだのはほとんど奇跡であると言ってよいでしょう。
しかしもし、最大出力で爆ぜた敵意の栗を片手でキャッチし、目にも止まらぬ速さでポイと口に放り込んでおいしくいただいたあげく、もうひとつ別の栗を同じ目的で火中に投じることができるなら、それはかなり純度の高いふてぶてしさです。まずはこのレベルを目指しましょう。
そのためのステップ1は、反復横跳びです。
ふてぶて幼稚園では毎朝、園児全員で反復横跳びに励みます。これはもちろん、火中から高速で飛んでくる栗を躱すためです。躱さないほうがふてぶてしいのでは、と思うかもしれませんが、健全なふてぶてしさには適度な運動による健康の維持が欠かせません。
ステップ2で、実際に火中から弾丸のように放たれる熱々の栗を躱します。躱せるということは栗の軌道を捕捉できているということです。鍛えられた動体視力は当然、スムーズな栗キャッチにつながります。
紙一重で躱せるようになったらステップ3で栗のキャッチに進みましょう。すでに栗の軌道は見切っているので、両手を用いる必要はありません。片手で十分です。ただ熱々なので分厚い手袋を着用し、徐々にその厚さを薄くしていきます。気づけば素手でも熱さを感じなくなっているはずです。
ステップ4で口にポイと放りこみます。素早く皮を剥いてもいいですが、剥かずにそのままバリバリいくほうがよりエレガントです。死ぬほど熱くても何事もなかったかのように咀嚼してごくりと飲み下し、次のひと粒に備えましょう。ふて道ではこれを残心と言います。
敵意を持って弾丸のように向かってくる熱々の栗を軽くあしらい、あまつさえおいしいとまで感じる域に達するのはもちろん、簡単なことではありません。しかし鍛錬を重ねるうちに、自然とおいしくいただけるようになり、自然と次のひと粒に手が伸びます。ふてぶてしさにおいては無自覚こそが基本であり、かつ極意でもあるのです。がんばってください。
A. 火中の栗をおいしくいただくことから始めましょう。
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その476につづく!
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