2022年12月16日金曜日

アグローと夜、または「山本和男 THE MOVIE 完結編」試写会のこと


そんなわけで過日の「山本和男 THE MOVIE 完結編」試写会@元住吉POWERS2は鳴り止まぬ万雷の拍手とともにぶじ幕を閉じました。かねてから噂されていた、山本和男があの宿敵と対峙する大瀑布のシーンでは超弩級の没入感に館内のどよめきも凄まじく、文字どおり急転直下の展開に観客のみなさんも「これは絶対にIMAXで観たい…!」との思いを新たにされたのではないでしょうか。さらにこれまで延々と張り巡らされてきた伏線と謎のすべてが回収されて大団円かと思いきや、大して回収されない上に謎が深まるという解決編にあるまじき着地ぶりで早くもSNS上では賛否が渦巻いているようです。

かつて誰も想像したことがない、驚天動地の一大スペクタクル…ぜひ劇場で体験してください。鑑賞後の熱い感想にはハッシュタグ #山本和男 を添えて!



 





 



上映後のパネルディスカッション

…とまあ、「アグローと夜/AGLOE AND NIGHT」はまさしくこんな夜でございました。今回も僕が知るかぎりでは宮城、山形、福井、長野、静岡、京都、兵庫、奈良、福岡からわざわざ足を運んでもらって本当に面目ありません。ありがとうありがとうありがとう。

3年ぶりというのは、英気を養うために休養していた著名なミュージシャンでないかぎり、忘れ去られていてもおかしくないほどの年月です。僕がそんな人では初めから全然ない以上、初めましてレベルで改めて一から向き合う必要があります。であるならば、リーディングをする人がいて、演奏する人がいる、というだけでなく、兎にも角にも絶対にこの二人でないといけないという必然性のある形にしたい。そういう意味では見事にその通りの夜だったような気がします。

何しろ冒頭から挨拶抜きでいきなり延々と15分、紙芝居について語りだしたわけだし、音楽のライブを観にきてあんなものを体験させられるとは誰も思っていなかったはずです。お客さんが何を楽しみに来ているのか、なんとなくわかっていたので言わずにいましたが、ライブ前の1ヶ月はほとんど紙芝居に費やしていたと言っても過言ではありません。僕自身にとっても、そしてまたあるかどうかも定かではない今後にとっても、絶対にやらなければいけないことのひとつだったと、今ならしれっと申せましょう。

そして未だに謎しかない、山本和男です。中には「アグロー案内」の箸休め的なシリーズと受け止めている人もいるかもしれませんが、さにあらず、むしろこれなくして今後のアグロー案内は語れないことを周知する絶好の機会でもあって、それはもう本当に、カズタケさんが見事に知らしめてくれたとおもいます。多くの一流ミュージシャンと日々共演し続ける彼が素でしょうもないことをできるのはどう考えてもここしかないはずなので、それがピタリと嵌ったのはまさしく感無量と言うほかありません。

あと僕はそのスタイル上わりとこう、ピンと張った空気になりがちなので、せっかくだしできればいっぱい笑ってほしいといつもひそかに願ってきたのだけれど、それもカズタケさんのおかげでばっちりそのとおりになったような気がします。

人前に出ずに済むならそれに越したことはない性分は今も昔も変わらずです。一方で、もし出るならまた観たいと思ってもらわなくては意味がないという向き合い方もまた、「オントローロ」の頃から変わりません。なので今回は僕にとってもやはり、大事なマイルストーンのひとつです。いずれまたこんな機会が巡ってきたときには、やっぱり笑顔になってもらいたいと改めて思う夜でした。

本当にありがとう!



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