2012年3月19日月曜日
それは3年かけて浜辺に流れ着く空き瓶のごとく
ある日、電気的な郵便受けをのぞくと1通のメールが投函されているのです。飾り気のないシンプルな便りで、差出人の署名はありません。ハテナと首をかしげてぺりぺり封を切ってみたところ、「唐突でなんですが私にも名前をつけてください。」とあってひざをうちました。名前がないのだから、署名がないのも当然です。
読み進めてみると、「2010年6月19日の質問箱でマーシャルアーツについて質問した私です。」とあります。2年も前の話ですが、そもそもこの回答からして「質問から1年後」だというのだから、トータルじつに3年越しの結実であって、まことに気の長い話です。メールの返信が数時間後というだけで「遅れてゴメン」と謝ったりするらしい(!)油断のならないご時世にあって、太平洋へ流した手紙入りの空きビンが海向こうの大陸に辿りつくのにも似たこの隔世感…。ラブレターだったらこの間に交際相手が数人入れ替わっていてもおかしくない年月です。上がり框に三つ指をついて「お帰りなさい」とひれ伏したい。
それにしてもなぜ質問に回答していながらペンネームをつけていないのかがわからない。そうおもって読み返してみたら、たしかにおつけしてませんでした。行きがかり上、機を逸したまま話を結んでしまったようです。質問に対する回答といったら、投げられたものを打ち返すだけなのだから本来なら行きがかりもへったくれもないはずだけれど、ここでは往々にしてそういう事態がありうるのでしかたがありません。言われてみればうっかりしていた。
そういうわけで急遽博士宛に雲の上から電報を打ち、たいへんてきとうなペンネームを賜ってまいりました。
命名:「ルージュの天丼」
浮気な恋をしてバスルームで食べる天丼のことです。食べ終わるとママから電話で叱られることになっています。
ルージュの天丼さん、いつもありがとう!おわびといっては何ですが、「い・け・な・いルージュケチャップ」もおまけにおつけします。メイド喫茶のオムライスに使われてそうですね、何だか。
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2 件のコメント:
ルージュの天丼さん、いいですね。
いつにも増して字面からではまったく意味がわからなくて素敵。
> 赤舌さん
ありがとう!赤舌さんのお名前もミステリアスでステキですよ、すごく。
…なんだろう、このふしぎなやりとり。
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