2008年10月14日火曜日
錆びた釘にみとれる女の子の話
前回書いたSUIKAの参加プロジェクトに関して、メンバーからは音沙汰がいっさいありません。すごい!とこうふんしていたのは僕だけだったようです。しょんぼり。すごいことだと、おもうんだけどな。
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過日ひっそりと行われた秘密の催し、"Open House Market" ですが、どうやらこのブログから申し込んでくれた人もちらほらといてくれたらしくて、地図を持っていてもわかりづらい閑静な住宅街のどまんなかにもかかわらず、なかなかの賑わいを見せておりました。来てくれた人、どうもありがとう!というか僕はまんまと迷ってものすごい距離をムダに歩きました。どうやら鼻歌まじりで何も考えずにテクテク歩いていたら数キロ離れてしまったらしい。碁盤の目のように仕切られた区域なので、どこを通っても同じような景色に見えるのです。
それとも僕が方向音痴なだけなんだろうか?(ありうるな)
しかし今も現役バリバリの住まいのなかを数十もの人がうろうろする光景というのは、それだけでエキサイティングな光景でありました。それぞれが大きな紙袋を抱えながら、コレと思えるその家の品々を手にためつすがめつする様子もなんだか微笑ましい。数ヶ月後には更地になる住居としては、これ以上ないしめくくりを迎えられたのではありますまいか。日月堂店主もあいかわらずミツバチのようにせっせと働きながら終始ご機嫌だったような気がいたします。
このブログでもときどきその名が挙がるハイファイ弁当さんもご一家で来てくれたのだけど、ご息女である桔梗ちゃんはまだ小学生にもかかわらず、古びた道具箱の中の釘をつまみながら「この錆がいいんだよな…」とつぶやく大物ぶりを発揮していて目を見はりました。この年にしてこの達観した美的センスはいったい何ごとだ。将来はきっと白州正子みたいな目利きになるんじゃないかとおもう。いつもありがとう!
ちなみにわたくしがそのお宅から何をいただいて帰ってきたかというと、
あ、カメラなかった。
可愛い水色をしたホーローの容器を買ってきたのです。
日月堂のページから借りてきた画像↓
このサイズのホーローは近ごろすっかり見かけなくなりました。昔は漬け物のたぐいを保存していたとおもうのだけど、今はこんなに漬ける家族もきっとそんなに多くはないものね。
ウチはずっと、味噌のための容器を探していたのです。実家で母が樽いっぱいにつくる味噌を、これでたっぷりとストックできることになってとてもうれしい。さっそく母をウチまで呼びつけて、味噌を移し替えました。
…ここまで書いて気がついたけど、これじゃ「小林大吾」で検索してここに辿り着いた人がブログをまちがえたとおもってむしろ去ってしまうのではないか?味噌とかホーローとか、これじゃまるで小粋なライフスタイルを標榜する有閑マダム(注)じゃないか。じっさいのとこあんまり否定できない気もするけど、しかしこんなことでいいのか?いや断じていいはずがない!書くべきことは他にもっといっぱいあるはずだ!まがりなりにも表現者と呼ばれる立場にあるというなら、その矜持はどうした?いいからとっととアルバムつくれ!
とおもったけどやっぱまあいいや。
さて "Open House Market" 、次回は中野区某所にて、26日(日)の開催です。まだじゅうぶん間に合うので、興味をもたれたかたはこちらの参加申し込みフォームから予約の上、ぜひぜひ足をお運びくださいませ。
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注:有閑マダム…昭和50年代にはわりとリアルに使われていたと思われる死語のひとつ。この気怠い語感はまさしく昭和のものです。Yahoo辞書にも載ってます。
「団地妻」は「有閑マダム」の一種であるとウィキペディアにありました。
僕にとって「セレブ」はこういうイメージです。ものすごく怒られそうな気がするけれど。
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