2026年10月2日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その495


とおくのほそ道さんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q. 大吾さんは子供のころ、縄跳びは得意でしたか?今、二重跳びってできますか?(私自身が得意だったはずなのに一度もできなくなっており、ショックのあまりいろいろな人に聞いて回っています……)


得意不得意で考えたことなかったけど、そうですね、よほど高等な技でないかぎりは二重跳びも含めてできてたとおもいます。どちらかといえば得意寄り、というかんじです。

ただ、記憶としては冬の朝に校庭で縄跳びをして足にピシッと当たるときの、あの鞭のような痛みのほうがはるかに鮮烈です。いま思い出してもヒエッとなります。文字どおりの縄ならいざ知らず、ポリ塩化ビニルの細いロープなど、実質的に鞭です。鞭に当たらないように避けて跳ぶとすればそれはもうロシアンルーレットと大差ないし、運動という名の刑罰にほかなりません。しかしまあ、昭和というのはうさぎ跳びとか竹刀でぶっ叩くとかが愛の鞭と都合よく解釈される最後の時代でもあったので、仮に本物の鞭であっても「教育熱心な先生ねえ」で済んでいた気もします。

今できるかどうかで言うと、ギリできる程度ですね。二重跳びは跳び方というより、むしろ手首のスナップだった気がするけど、昔とちがってとにかく手首がぜんぜんしなやかではないし、数十回数百回のジャンプに耐える体づくりをしてきたわけでもないので、もうむりかもしれません。最後に確認したのは数年前です。

できなくなるのは当然です。大人になれば子どものころのように全身を動かす機会が目に見えて減ります。体格も体重もちがうし、維持しようと務めないかぎり筋肉も衰えます。大人になっても問題なく二重跳びができるとすれば、それは日々の営みに運動が含まれているからです。実際のところ二重跳びができるかどうかというよりも、あのころと同じように体を動かし続けているか、という話なわけですね。

たとえば僕は3歳から10代まで水泳をつづけて、それこそ竹刀を愛用するようなコーチにみっちり叩きこまれたので、フォーム自体は今も体にしみついているけれど、昔のように水に乗るにはたぶん数週間かかります。水に乗る(=体力の消費を最小限に抑えていつまでも泳ぎつづける)ためには全身のあらゆる部分が同期する必要があるからです。そしてそれは、スキルとかテクニックの問題ではない。

裏を返すとそれは、いま二重跳びができないとしても、肉体の配線をつなぎ直す必要があるだけで、かつて身につけたスキルを失ったわけではない、ということです。ショックを受けることはありません。

ちなみに義母は僕が知る最もパワフルな人のひとりなので、70代の半ばでもエレガントにやすやすと縄跳びができます。目の当たりにしたときはさすがに度肝を抜かれました。たぶんだけど、二重跳びもできるんじゃないだろうか…?


A. どちらかといえば得意だったほうで、今もギリできます。


見栄を張ってたらすみません。


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その496につづく!

 

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