ほやガチャさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)200円を入れてハンドルを回すとホヤが1個出てくるガチャです。
Q. 自分の名前から漢字一文字を寄付するとしたらどの文字にしますか?
これはなかなかユニークな質問です。寄付というのがいいですね。不要な漢字では寄付ではなく処分になってしまうので、むしろ有用と思われる漢字を選ぶ必要があります。たとえば「草野」だったら、食える草をとるか走り回れる野をとるか、人によって有用の意味合いがだいぶ変わってくるはずだし、できれば一人で考えるよりみんなでワイワイ語り合いたいトピックです。
しかし残念ながら小林大吾という4文字ではあまり語れそうな余地というか楽しみがほとんどがありません。なので今回は愉快な回答というより話題の共有が主旨になりますが、せっかくなので僕の持つ漢字をバラバラに分解してみましょう。
まず真っ先に除外されるのはおそらく「吾」です。これはもう、アイデンティティみたいなことでしかないので、生まれたときからみんな例外なく持ってるものを今さら寄付したところで誰も喜ばないことは目に見えています。自分探しが流行った一昔前なら引く手数多だったかもしれませんが、もうそんな時代でもないしね。
次に除外されそうなのは「小」です。ごはんの盛り方とか機械とか顔とか、あとは舌切り雀とか、場合によっては尊ばれることもありつつ、有用度としてはかなり限定的で文字どおり小ぢんまりとした印象があります。小さいというだけで否定されるものではないにしても、何しろ僕には「大」がありますからね。大と小ではさすがにちょっと分が悪い。寄付するものならなおさらです。
そうなると残るのは「林」と「大」ですが、これはどちらもまちがいなく有用です。林は立派な資源だし、大事に育てれば森にもなります。いざとなれば売ることもできることを考えれば、ひと財産と言っていいでしょう。それ自体が単独で苗字になるのもポイント高いし、パピコみたいにパキッと半分に割って、木を1本ずつシェアするのもいいですね。
しかし何と言っても「大」の圧倒的な汎用性にはかないません。具象から抽象までとにかくありとあらゆるものに付与できるし、デカいというだけで森羅万象を凌駕するものがあります。考えようによっては最強どころかチート級の漢字のひとつとして使用を禁じられてもおかしくないくらいです。
書いている僕もだんだん寄付するのが惜しくなってきました。たったの3画で書けるド級のシンプルさといい、手にしたときの握りやすさといい、武器としても殺傷力がかなり高そうな形状といい、「大」が寄付されたときの、血みどろの争奪戦が目に浮かびます。何なら死人が出るんじゃないだろうか…?
寄付する僕としても死傷者が出るような事態は本意ではありません。過ぎたるは及ばざるが如しとはまさにこのことです。したがってここは「林」にしておくべきでしょう。何と言っても平和がいちばんです。大いに活用していただきたい。
A. 「林」を寄付します。
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その437につづく!