2025年1月10日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その436


ほやガチャさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)200円を入れてハンドルを回すとホヤが1個出てくるガチャです。


Q. 自分の名前から漢字一文字を寄付するとしたらどの文字にしますか?


これはなかなかユニークな質問です。寄付というのがいいですね。不要な漢字では寄付ではなく処分になってしまうので、むしろ有用と思われる漢字を選ぶ必要があります。たとえば「草野」だったら、食える草をとるか走り回れる野をとるか、人によって有用の意味合いがだいぶ変わってくるはずだし、できれば一人で考えるよりみんなでワイワイ語り合いたいトピックです。

しかし残念ながら小林大吾という4文字ではあまり語れそうな余地というか楽しみがほとんどがありません。なので今回は愉快な回答というより話題の共有が主旨になりますが、せっかくなので僕の持つ漢字をバラバラに分解してみましょう。

まず真っ先に除外されるのはおそらく「吾」です。これはもう、アイデンティティみたいなことでしかないので、生まれたときからみんな例外なく持ってるものを今さら寄付したところで誰も喜ばないことは目に見えています。自分探しが流行った一昔前なら引く手数多だったかもしれませんが、もうそんな時代でもないしね。

次に除外されそうなのは「小」です。ごはんの盛り方とか機械とか顔とか、あとは舌切り雀とか、場合によっては尊ばれることもありつつ、有用度としてはかなり限定的で文字どおり小ぢんまりとした印象があります。小さいというだけで否定されるものではないにしても、何しろ僕には「大」がありますからね。大と小ではさすがにちょっと分が悪い。寄付するものならなおさらです。

そうなると残るのは「林」「大」ですが、これはどちらもまちがいなく有用です。林は立派な資源だし、大事に育てれば森にもなります。いざとなれば売ることもできることを考えれば、ひと財産と言っていいでしょう。それ自体が単独で苗字になるのもポイント高いし、パピコみたいにパキッと半分に割って、木を1本ずつシェアするのもいいですね。

しかし何と言っても「大」の圧倒的な汎用性にはかないません。具象から抽象までとにかくありとあらゆるものに付与できるし、デカいというだけで森羅万象を凌駕するものがあります。考えようによっては最強どころかチート級の漢字のひとつとして使用を禁じられてもおかしくないくらいです。

書いている僕もだんだん寄付するのが惜しくなってきました。たったの3画で書けるド級のシンプルさといい、手にしたときの握りやすさといい、武器としても殺傷力がかなり高そうな形状といい、「大」が寄付されたときの、血みどろの争奪戦が目に浮かびます。何なら死人が出るんじゃないだろうか…?

寄付する僕としても死傷者が出るような事態は本意ではありません。過ぎたるは及ばざるが如しとはまさにこのことです。したがってここは「林」にしておくべきでしょう。何と言っても平和がいちばんです。大いに活用していただきたい。


A. 「林」を寄付します。




質問はいつでも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その437につづく!

2025年1月5日日曜日

初詣に聖地を巡礼した話


2025年です。

今年の初詣は、いろいろ考え合わせるとタイミング的には今しかないということで、聖地巡礼を兼ねて、ひざつき製菓に参詣してきたのです。


ここから聖地へとてくてく歩いてまいります。

栃木駅からも同じくらいの距離なのに数キロの新栃木駅を起点としたのは、宇都宮にある小さな山のてっぺんでジャンプするといったいくつかの野暮用があったからです。登山道に「閉山」とあったので尋ねたら「あ、登っていいですよ。きのう雪が降ったんで念のため閉めただけです。気をつけてね」と許可をいただいたのでバリケードを乗り越えて登りました。当然誰も登ってこないから貸切です。贅沢〜!


それはそれとして宇都宮駅では他所でお目にかからなかったレアアイテムを巡礼に先駆けて入手できたので、たいへん幸先のよい行程となりました。





突き刺すような冷え込みのなか、黙々と歩くうちに色濃く染まっていく美しい夕暮れを眺めながら聖地へと向かいます。周囲には誰も見当たりません。吐く息は白く、胸には自然と敬虔な気持ちが湧き出ずるようです。これを信仰と呼ばずに何と呼びましょう。


これが参道です。

ここからひたすらまっすぐ進むと本殿というかひざつき製菓なので、個人的にはこのあたりに大きな鳥居があっても良いとおもいます。


そして宿願の聖地と本殿に到着です。

そうは言ってもふつうに会社であり工場なので、神社の本殿と同じく、ここから先に立ち入ることは罷りなりません。心からの敬意を抱いて、控えめに柏手を打ち、懇ろに拝みます。どうかもっと東京に、具体的には生活範囲内の小売店に「雷光(旨塩味)」が入荷しますように!


また、工場という名の本殿に隣接して、直売店という名の社殿があります。惜しみないお賽銭はここで投じましょう。




小売店で売られている「雷光(旨塩味)」とは名前も装いも異なりますが、これは実質的に100%雷光(旨塩味)であり、実際に確認もできたので、もしどこかで見かけたら迷わず買ってください。


思い残すことはありません。年明け数日にして早くもいい1年だったと総括せざるを得ない勢いです。


工場に輝くタンクが霊験あらたかな御神体のようでした。今年もよろしくお願いします。