「創業以来、クラシックなテーラードスタイルやトラッドなアイテムを大切にお客様に伝えてきた」（らしい）ユナイテッド・アローズに「UNITED ARROS & SONS」というメンズラインがあって、その秋冬カタログが昨日から全国の店舗で配布されるというので、寒風吹きすさぶなか原宿にある本店に何食わぬ顔で詣でてきたのです。
カタログなのはたしかですが、どういうわけか一向にカタログらしさはありません。むしろペーパーバックみたいな体裁をしています。ぺらぺらとめくってみれば見た目どおり、カタログなのに写真よりもテキストのほうが圧倒的に多くを占めていて、タイトルも「New Gentleman's Hand Book」です。
これがどこまで徹底してペーパーバック然としているかは、値札のシールまでデザインにきっちり織りこまれている点からも推して知るべしと申せましょう。
ひとまずここには僕がいただいてきた一冊を挙げましたが、実際にはこのカタログ、表紙のデザインが４種類あります。どれもペーパーバックらしさが爆発していて最高です。
内容も「現代ジェントルマン考」をテーマに、各界で活躍されている著名な方々の名文・名画が胸焼けするほど豪勢に詰めこまれています。飾って良し、読んで良し、眺めて良しと三拍子そろったこの瀟洒な一冊がいまユナイテッドアローズの全店舗にてフリーで配布されているのだから、太っ腹というほかありません。え、なんで？とおもわれそうなのでもう一度お断りしておきますが、これは「UNITED ARROS & SONS」の秋冬カタログです。
そしてどういうわけだかここに、著名どころかそもそもジェントルマンですらない僕のすちゃらかテキストがしれっとまぎれこんでいます。
左のページが英文なのは、掲載されているテキストがすべて英訳されているからです。バイリンガル仕様！
磯崎新の手がけたロサンゼルス現代美術館（MOCA）にも置かれるそうだし、メンズラインの秋冬カタログであることを抜きにしても、掛け値なくすばらしい一冊です。どうも毎年数日でなくなってしまうほど引く手数多なカタログらしいので（そりゃまあそうだろうと実物を手にして唸りました）、ご所望のかたはお近くのユナイテッドアローズへお急ぎあそばせ！
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