2013年5月11日土曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その150、と肉を巡るちょっとした茶番劇



「聞いたぞダイゴくん」
「うわあ!」
「なんだ?」
「いきなり現れた博士に肩を抱かれたら嫌な予感しかしないですよ!」
「ご挨拶だな」
「フレンドリーな博士ほどおそろしいものはありません」
「おやおや」
「いつもより態度が大らかなのも気になる」
「そうおむずかりにならんでもいいじゃないか。祝福しにきたんだよ」
「祝福?」
「祝福だよ」
「着服のまちがいじゃないですか」
「着服するほど困っとらん」
「祝福なんて単語が博士の辞書に載ってることが驚きです」
「改訂したからな」
「何を?」
「辞書をだよ」
「あ、じゃやっぱり前の版にはなかったんですね」
「噂によると…」
「何です?僕何かしましたか?」
「決闘罪でしょっぴかれたそうじゃないか」
「決闘罪?」
「見直したぞ」
「決闘?」
「相手をぼこぼこに叩きのめして、さくさく切り刻んだばかりか、ぞりぞり剥いで、ぽきぽき折って、粉々に砕いたあげく、ぐちゃぐちゃにつぶしたってもっぱらの噂だよ」
「ギャー!」
「うるさいな」
「いったい何の話をしてるんですか」
「君が起こした決闘事件の顛末だよ」
「血みどろすぎます!」
「だから感心してるんだ。立派なもんだぞ」
「だいたい、いつの時代の話をしてるんですか。いまはコンピュータの時代ですよ!
「言い草が微妙に古くて癇に障るな」
「決闘のほうがよっぽど古いです」
「古くないよ。現行法だもの」
「何がです?」
「決闘罪」
「誰のために?」
「そりゃ君みたいな男のためにだよ」
「そもそも決闘なんてしてないんですから」
「ただ生皮をぞりぞり剥いだだけってこと?」
「僕は蚊も殺せないような男です!」
「それは嘘だな」
「言い過ぎました」
「しかしたしかにそう聞いたぞ」
「いったい誰から?」
「君のことをよく知る親しい友人から」
「その言い方がすでに三文ゴシップくさいけど、根も葉もないデマです」
「火のないところに煙は立たないって言うぜ」
放火の可能性は考えないんですか?
「む」
「あっ」
「するどいな」
「やっぱり!やめてくださいよ悪質なデマ流すの!」
「それもこれもみんな君のためなんだぞ」
「親が子に使うようなレトリックは通用しません」
「君野菜ばっかり食ってるだろ」
「そりゃ好きですから」
「男たるもの肉食であれということだ」
「さっきの描写、食事の場面だったの!?」
「血もしたたるいい男って言うじゃないか」
「水!水!」
水がしたたったから何だと言うんだ
「たしかにそれを言われると僕もよくわからないですけど」
「濡れてるだけだろ」
「濡れてるだけですね」
「血でも垂らさんと上がらんぞ株なんて。とくに君の場合」
「そういうことなら献血を選びます」
「まったく、ああ言えばこう言う」
「言いますよ!当たり前じゃないですか」
「まあいい。こうなりゃオブラートも不要だ。取引といこう」
「取引?」
「言いふらされたくなかったら肉をおごれ」
「まさかそのためにこんな回りくどいことを!?」
「わたしは黒毛和牛が食べたい」
「さっきの猟奇的な描写で僕はとてもそんな気分じゃないですけど」
「食欲をそそると言え」
「さっき着服するほど困ってないって言ってたのに…」
「困ってないよ。代わりに払ってもらうんだから」
「だいたい、僕にお金があるとでもおもってるんですか?」
「そんなのわたしの知ったことか」
「だからムリってことです」
「ムリじゃない」
「ムリです」
「ムリじゃない。いいか、店に入るだろ」
「財布は?」
「いいから聞け。席に着いたら極上の肉を注文する」
「……」
「そして舌鼓を打つ。心配するな、ちゃんと分けてやる」
「なんでおごられる側がそんな偉そうなんです?」
「さんざん食って箸を置いたら…」
「置いたら?」
何食わぬ顔で店を出る
「食い逃げじゃないですか!」
「何を言う。わたしは逃げたりなぞせん」
「つかまりますよ」
「だから君が払うんだ」
「わかりました」
「わかればいい」
「博士に決闘を申し込みます」
「ん?」
「ぼこぼこに叩きのめして、さくさく切り刻んだばかりか、ぞりぞり剥いで、ぽきぽき折って、粉々に砕いたあげく、ぐちゃぐちゃにつぶすのも、それはそれで悪くないって気になってきました」
「肉を食ってからでもいいんじゃないか?」
「その肉を今から用意するんです」
「あまり芳しくない状況だな」
「くたばれ」
「ギャー!」



ニジンスキーは鰊好きさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


 Q: ダイゴさんはDAIGOさんとDaiGoさんと千鳥大悟さんとゴダイゴさんと小林大吾さんではどのダイゴが一番ダイゴらしいと思いますか?


ふつうに考えればこれはサッカー選手の小林大悟さんなんじゃないかとおもいますが、個人的にはウルトラマン・ティガの主人公マドカ・ダイゴあたりがいちばんダイゴらしいというか、ダイゴを演じたV6の長野くんがすごい好きだったので彼に一票入れたいです。「ダイゴ」も以前はほとんど見かけなかったのに、ここ10年くらいで急激に、それこそ雨後の筍みたいに増加したような印象があります。いったいダイゴ界に何が起きたのか?DAIGOさんとDaiGoさんには何か決定的な違いがあるのか?

ぜんぜん関係ないけど、かつて僕が暮らしていた町には(町田ではありません)、長野くんの実家と言われるお店があって、そのそばをよく感慨深げに通り過ぎたものです。


A: マドカ・ダイゴ隊員/ウルトラマンティガ


いちおう念を押しときますけど、「ダイゴって他にもいないかな」とか検索しなくていいですからね!めちゃいるんだから!




質問はいまも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その151につづく!


2 件のコメント:

ダチョウのジョナサン さんのコメント...

いずれアルバム出るんだ!という歓喜と、まだまだ先は長いみたい、、、という歎息が同時に押し寄せてきました。

それはさておき、今回のお食事会の舞台は鶯谷でしょうか?

ピス田助手 さんのコメント...

> ダチョウのジョナサンさん

ご名答…というか実際には日暮里で、
そこからてくてく歩いたんですけども。
ニューマルヤという洋食屋さんです。
ひょっとしてご存知でしたか?