2023年12月26日火曜日

2024年末における安田タイル工業の現状について


さて、実際のところ僕にも全然わかっていないのですけれども、社内でいざこざがあったように思われてもいけないので、お話ししておかなくてはなりますまい。例年ならこの時期、必ず何かしらの動きがあった安田タイル工業ですが、今年はありません。

なぜないのかというと、専務が不在だからです。そしてなぜ専務が不在なのかというと、これが僕にもよくわかりません。何しろ専務からの消息が今年の2月末からパタリと途絶えたままだからです。


このやりとりを最後に、専務からの連絡は今に至るまで一切ありません。

彼の身に何か起きたのは確かです。そしてかなり逼迫したのっぴきならない状況であったことも、間違いありません。なぜそれがわかるかというと、最後の連絡から数日後に大川隆法が亡くなったにもかかわらず完全に無反応だったからです。

これはあまり公にはしていなかったかもしれませんが、専務は彼の大ファンです。というとあまりに語弊がありすぎるので釘を差しておくと、信者ではもちろん全然なく、ある種のタレントとして時々その動向を気にするくらいには心を寄せていた、というのが正しい。町でポスターなり関係する印刷物を見かければそれを撮って一方的に送りつけてくる、そういうスタンスです。この例にかぎらず専務はアウトローであればそれが誰であれふらふらと吸い寄せられる習性があります

したがって、その逝去に対して何ひとつ反応がないとすればこれは明らかに尋常ならざる事態であると申せましょう。それでなくとも専務は根っからの根無草なのでいつものようにしばらく放置していたものの、ここに至ってさすがに僕も専務に何かが起きていることを明確に認識した次第です。

その後の回りくどい調査によって、生存は確認されています。おそらくそうだろうと考えていたことのひとつが実際にそうであったこともはっきりしたし、その上でどうにかこうにかやっているらしいこともわかっています。しかし直接的なコンタクトは今もってありません。

また、とくに仲違いをしたわけでもありません。もちろん僕がそう思っているだけの可能性もないではないけれども、消息を絶つ直前までふつうにやりとりがあったことを考えると、想定外の何かが起き、その影響でそれまでの日々をリセットしようとしている可能性のほうが高いと個人的には感じられます。

そしてそれ以外のことは、主任である僕にも何ひとつわかりません。僕の手元にあるのは間接的に得た情報とそこからのささやかな推測にすぎないのです。

僕にできるのは専務の席を空けたまま、今までと同じように保ち、待つことだけです。しれっと帰ってくるかもしれないし、あるいは二度と帰ってこないかもしれない。神のみぞ知ると言うほかありません。

心配は無用です。少なくとも僕はもう心配していません。いずれまた何ごともなかったようにかつての日々がのそのそと動き出すときをぼんやりと夢想するばかりです。時が止まったと受け止めるのが一番いいかもしれない。

これが現状であり、現時点での結論とその報告になります。読みかけの本に栞を挟んで閉じるように、パタンと胸にしまってもらえたらうれしい。

まさか年末まで完全に無沙汰とは思ってなかったですけど。




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