2023年12月1日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その409


はいからさんが盗塁さんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q. 新しいノートの1ページ目で失敗したとき、自暴自棄にならないために、気持ちのザワつきをやり過す良い方法はありますか?


これまた深みのある質問ですね。人生とちがってやり直そうと思えば数百円でやり直せてしまうあたり、人としての本質的な何かを試されているようです。

目を閉じれば堆く積まれて聳え立つノートの山がありありと脳裏に浮かびます。これまでにいったい何冊分の1ページ目を失敗してきたのか、今さら数えてみる気にもなれません。実際にノートがあろうとなかろうと、僕らの日々には常に「新しいノートの1ページ目」がついて回るのです。

何しろ1ページ目というのは、ページだけでなくそもそもノート全体が無垢です。それは言ってみれば白く光り輝いている天使に初めての刺青を彫るみたいなことでもあります。全身が刺青まみれの天使なら僕だって気にせずひとつ彫ってやろうと腕まくりをするでしょうが、最初となるとさすがに二の足を踏まざるを得ません。1ページ目を失敗するというのはつまり、これまで一度も刺青を入れたことのない天使の腕に PEACE と彫るつもりがまちがえて PIECE と彫ってしまうようなことなのです。これがいったいどれほど重い罪になるのか、想像してみていただきたい。ちょっと手を加えて ONE PIECE にしてしまえば単なる欠片からひとつなぎの大秘宝にランクアップできるので多少は緩和される気がしないでもないですが、いずれにしても何でだよという誹りを免れることはできません。というか天使って怒るんだろうか…。

幸いノートは天使ではないので、仮に失敗しても地獄の懲役3兆年みたいなことにはなりません。がっかりするだけです。こうなると天使の腕に初めての刺青を彫ってミスるよりましだと考えるだけでもかなり有効な気がしてきます。

本当は人生の教訓になりそうとかしゃらくさいことをあれこれ考えてたはずだったんだけれど、気づいたらこんな結論になっていたので、これはもうこれでいいということにしましょう。温めた他のアイデアがどうでもよくなるくらいだし、ひょっとするとこれが最適解なのかもしれません。


A. 天使の腕に初めての刺青を彫ってミスるよりましだと考えてください。




質問はいつでも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その410につづく!

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