2021年7月30日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その337


残酷な店主のテーゼさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q. 金星から来ましたという自己PRは婚活で有利でしょうか?


僕が昔から釈然としない視点のひとつに「黙っていれば可愛いのに(=残念)があります。これはどう控えめに解釈しても「言動が容姿の価値を損ねている」という意味です。損ねるどころか魅力倍増じゃねえか!と僕なんかはいつも思いますが、言動は見た目に準ずるか、でなければ表に出さないでほしいと恋愛対象であっても身勝手に望む層は少なからずいます。ひとつ屋根の下における容姿など壁に飾る絵くらいの意味しかないにもかかわらずです。

そういう連中を最初から除外できるという点で、「金星からきました」という自己PRは、確実に有利です。なんとなれば余計なことは言わなくていいと考える層は一瞬にしてふるい落とされるし、興味を持ってくれる人がいるならそれは一貫して心と心のやりとりになるだろうからです。

一見すると多くの人を惹き付けるようなわかりやすい魅力をアピールしたほうが単純に分母が大きい分、これという人に出会う可能性が高くなるようにもおもわれますが、うんこみたいなやつらを山ほど集めたところでうんこの山にしかなりません。人はいくらでも自分を取り繕うことができるのだから、まずはそこを突破することが肝心です。お付き合いすることとひとつ屋根の下で暮らすことはあんパンとクリームパンくらい違うものであり、いっしょに暮らし始めた途端、それまで一度も顔を出さなかった問題が雨後の筍のように持ち上がるものと心しておきましょう。それなら人が「えっ」とおもうようなカードを初手から切っておくほうが手っ取り早いし、それを受け止めてくれる人こそ真っ当にして正しいパートナー候補だと僕はおもいます。

少なくとも僕は「むむ、ふつうに考えれば頭おかしいけど、これはそれを逆手に取った観測気球なのか?あるいは本当に金星からきたのか?それともやっぱり頭おかしいのか?」くらいには興味をそそられます。個人的には「本当に金星からきている」が冗談抜きでいちばんポイント高いですね。

ただもし伴侶の条件としてたとえば学歴、収入、身長、スタイル、顔面偏差値といった、赤の他人でも指標になるようなわかりやすいステータスを内面より重視される場合はそのかぎりではありません。ステータス保持者を求めるならそれと釣り合うくらいのステータスを身につけるべきだし、すでに身につけているのであれば金星の話などせずに直接ステータスを見せびらかしたほうがよいでしょう。売人同士の取引みたいなものですね。


A. たいへん有利です。




質問はいつでも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その338につづく! 

 

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