2025年12月5日金曜日

ライブのある会社説明会みたいな夜だったこと


せんべいはぶじ配り終えたとしか言いようがない、そんな夜だったと申せましょう。以前お伝えしたとおり、ひざつき製菓さんのご厚意で「アグローと夜2025」にご提供いただいた雷光(旨塩味)は、なんとダンボール6箱(!)です。それをうちの人がひざーるくんのコスプレで来場者のみなさまにせっせとお配りし、お客さんはそれをライブ中にぽりぽりと食べ、なんならちょっとお腹も満たされてお帰りになりました。


率直に言って、これほどごくごく私的かつ小規模なイベントに協賛がつくことなど、まずありません。一体何がどうなるとこういうことになるのか、あれから1週間が経とうとしている今でもさっぱりわからないのだけれど、とにかくあんなおもしろい夜はそうそうないよな、と得難い感謝をしみじみ噛み締めています。ひざつき製菓さん、本当にありがとうございました!

リハ中

そして今年も、ライブの合間にはトークだけでなく、さまざまなCMが流れました。

・DAPHNE「アポロニカ学習帳」NG集
・サンボ乳業「トラバター」
・阿具楼製薬「阿具楼漢方胃腸薬」
・バリモア石鹸「ピッカリンクイック」
・山本和男 THE MOVIE 鈍足の快速急行
ひざつき製菓「雷光(旨塩味)」ver.1
ひざつき製菓「雷光(旨塩味)」ver.2

アポロニカ学習帳」はもちろん、アグロー案内 VOL.9に収録のCMです。レコーディング時にいろいろまちがえたバージョンがテイク4まであります。僕も当日はこのノートを会場に持っていきましたが、何人かのお客さんもお持ちになってくださっていてうれしかったです。去年のアグローと夜で流したスチャラカCMを受けて、次はどこにもないはずの商品をちょっとだけ現実にする、というコンセプトだったはずなのに、まさか土壇場になって実在する商品(雷光)がそれを凌駕することになるとは、ほんとにね、生きてるといろんなことがあります。

しれっと雷光(旨塩味)のCMが紛れこんでいますが、これは違います。いえ違うというか全然違わないんだけど、えーと、雷光(旨塩味)が配布されることになってから慌てて作ったようにたぶん見えると思うんだけど、違います。そうではなくて、ひざつき製菓さんからご連絡をいただくその前から勝手に作ってあったのです。どうあれ会場では流すことが最初から決まっていた、と言い換えてもよいでしょう。実際、他のCMと同じタイミングで録音しています。「どのみち聴くのは会場のお客さんだけだし、好きに作って流しちゃおうぜ!キャッキャッ!」といういつものノリでレコーディングした後になってひざつき製菓さんからご連絡をいただいてしまい、むしろ狼狽えたくらいです。当の担当者さんがお聴きになるのと、そうでないのとでは、どう考えてもやらかし具合が変わってきます。

なので慎重に協議を重ねた結果、まあいっかということで、何ひとつ変更せずにそのまま流しました。どうあれ深い愛情なくしてこれほど完成度の高い着地にはなり得ないし、その思いは十分に伝わったはずです。と信じたい。なんなら公式でもそのまま使っていただきたい。


ライブのセットリストには、今年配信された4曲が追加されました。CMや山本和男を含めると7曲ですが、いずれにせよアグロー案内は気づいたらもう、一度に全曲やることはできない作品数になっています。ありがたいことです。

中でも「水茎と徒花/black & white」は、だいぶ以前から公開はしているのでリメイクといえばリメイクなんだけれど、実際にはこれが初の正規リリースとなっています。実際、こうしてカズタケさんに仕上げてもらってみると、以前のバージョンはオリジナルというよりデモ音源だったんじゃないかとおもう。

またこれに関してはリリース前から、もしライブでやるならここはこうしたいという明確なイメージがありました。言うまでもなく「食うなよ」の部分です。その一言に至るまでの言葉にならない複雑な胸中を、ライブなら思う存分、表現できます。へんな言い方だけど、要は好きなだけ絶句できるのです。そういう意味では基本的にライブ向きの作品でもあると申せましょう。本当に心の底から「あーもう!」というもどかしさを費やすことができたのでたいへん気持ちよかったです。


一生に一度、あるかないかの協賛はさておき、個人的には「アグローと夜」という催しの、あるべき形が見えてきたように感じています。少なくとも、人前でパフォーマンスすることを大の不得手とする僕が、また来年もできたらいいなと思うくらい楽しい催しになりつつあることは確かです。とりわけ今年は開催が週末だったこともあってか、初めてのお客さんが思いのほか多くいらしてしみじみと感慨深いものがあります。観てもらえて本当によかった!ありがとうありがとう。どうかまたお目にかかる機会が巡ってきますように。


また今年は、終演の数日後に収録したアフタートークもspotifyで配信しています。「アグローと夜」を振り返る、はずだったのだけれど、あまり振り返っていません。でもなんだろ、こういう体温の感じられる後日談があってもいいなと思ったので、よかったら聞いてみてください。ライブよりぜんぜん気楽に喋ってるのがいい…とじぶんで言うのもなんですけど。