2013年9月21日土曜日
君はなぜ同じCDをこんなに持ち歩いているのか
あまり知られていないことですが、このブログの主である小林大吾はどういうわけかCDをこれまでに3枚もリリースしています。1枚目は2004年の「1/8,000,000」、2枚目は2007年の「詩人の刻印」、そしていちばん新しいのがすでに3年前の話で、2010年の「オーディオビジュアル」です。いちど道玄坂でふたりの警察官に呼び止められて職務質問された際、たまたまオーディオビジュアルを10枚ほど持ち歩いていたために「なぜ同じCDをこんなに持ち歩いているのか」とひどく怪しまれ、「いえ、あの、これ僕のなんです」としぶしぶ答えたところが却って警官の気を引いてしまい、「へー。 音楽やってんだ。ジャンルは何?」「ぎくり」「わたしも昔バンドやってたんだよ。ロック?」「いえ、あの」「弾き語り?」「いえ、あの、そうですね、リーディングというか…」「え?」「ヒップホップというか…」「あ、ラップ?」「いえ、そうじゃなくて、えーと、しいて言えば似て非なる…」と、いろんな意味でたいへんな迷惑をこうむったことがありました。どんなアルバムかと問われれば、つまりそういうアルバムです。
これらのCDをほそぼそと世に送り出しているのは「FLY N' SPIN RECORDS」というレーベルです。その本拠は渋谷の「Flying Books」という古書店にあります。渋谷駅からこう行ってああ行って通りの角あたりにあるビルの2階が Flying Books です。カウンターでコーヒーも飲めるちょっと小粋なつくりになっているので、渋谷にお越しの際はぜひお立寄りいただくとして、さっきからいったい何の話をしているのかというと、いえ、もちろん音楽の話ではありません。このお店に、というかその手前の踊り場に貼ってあったポスターの話です。
そも、なぜこれをこしらえたのか、そうしていったい何に使われたのだったか、3年の月日がすぎた今ではすっかり忘れて思い出せる気もしないのだけれど、「オーディオビジュアル」のリリースに合わせて刷ったA3サイズのポスターがあって、これがずっとこの踊り場に貼られてたんですよね。
しかし貼ってあったと言われても、こしらえた当の僕でさえ「ああ、そうだったかも」とおもうくらいだから、ほとんどの人はまずご存知ありますまい。ただ、言われてみればたしかにこのポスターは3年前からずっとそこに貼ってありました。
さて、あまりにもささやかな、大半の人にとってはこれ以上ないくらいどうでもいいようなこうした背景をふまえた上で、今日起きたてほやほやの、これまたささやかな事件を単刀直入に申し上げましょう。
このポスターが盗まれたそうです。
しかも壁からぺりぺり剥がしてくるくる巻いて何食わぬ顔で持ち去ったのがどうも欧米人のカップルらしい、というのだからまたびっくりするじゃないですか?そんなものをいったいどうするつもりなんだ?
僕としてはべつに腹を立てるような話でもないし、へーと目を丸くするほかないですが、しかしこうなったら是が非でも言っておかなくてはならないひとことがあります。意味としても、使いどころとしても今ここを置いて他にはない、絶好の機会です。いやまったく、この有名な捨て台詞を堂々と言い放てる日が来ようとは、誰に予想できたでしょう。拡声器のボリュームを最大にして、おもいきり叫びたい。
持ってけ泥棒!
イーヤッホーウ!
(してやったりの気分で飛び跳ねています)
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2 件のコメント:
はじめまして!
素敵なポスターですねー!
やっぱり大吾さんの言い回し凄く好きです。
毎日寝る前に大吾さんの曲聴いているんですが、言葉のセレクトが絶妙すぎて悶えています(笑
そろそろ新しい詩を聴きたいな?と思う遅れてきた客です。
> 匿名さん
はじめまして、こんにちは。
ようこそいらっしゃいました。
そしてどうもありがとう!
何しろ日ごろからこんな体たらくなので
新しいものについてはひとまずそっと
引き出しの奥にしまっておいてください。
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