2013年6月8日土曜日

晩のおかずを1品抜かれても仕方のない話



「取り締まりのための取り締まりになってはいけない」という主旨の話から流れで「状況によっては制限速度を20キロオーバーすることもありうる」という可能性にふれただけなのに、「20キロオーバー問題なし?」「スピード違反を許容か」と置き換えられてしまうことにちょっと戦慄しているのです。これ、そういう話じゃないよね?

そう受け取る人もいるだろうな、というのは僕にもわかります。実際そう解釈できる余地はあるし、立場からすれば言わなくてもいいことだったのもたしかです。でもだからといってその論点をずらしていいことには全然なりません。ずらしたって別にいいけど、さもそれが元から論点であるかのような体で話を進めてはいけない。

それでなくとも黒か白の二択オンリーみたいな話には日ごろからほとほとうんざりしているのです。全面オーケーでないものをすべからく徹底的にふんじばればそれで満足なのか?白以外はすべて黒と判定されるような窮屈な社会をみんな本当に心から望んでいるのか?

学校で「廊下を走ってはいけない」と言われるのはもちろんそれが危険だからだけど、第一義的にはむしろ「安全のため」です。先生が叱るのはそれをわからせるためであり、「やってはいけないことをやったから」ではありません。ですよね?ここが伝わらないと、「怒られるからやらない」という「ルールのための行動」になりかねません。ルールが意図の先に来る、これが本末転倒でなくて何だというのだ。

「理解した上でやらない」のと、「怒られるからやらない」のとでは、結果としてとる行動が同じでも意味がぜんぜんちがいます。何しろ後者は「怒られなければやってもいい」と都合よく反転してしまう可能性があるからです。

だからこそ、取り締まることの意味を今一度きちんと考えてみてもバチは当たるまい、という話をしているのではないのか。「ルールが破られがちなところ」ではなく、「より危険の多いところ」に重点を置くべきだ、という話をしているのではないのか。

だいたいこれはもともと、取り締まりについての話です。制限速度についての話ではありません。にもかかわらず速度オーバーが議論の対象になっているのは、誰かが論点をずらしたからです。いいかわるいかの二元論で言ったら、速度オーバーが一律でOKなんて話になるわけがないじゃないか?なぜそんな「誰も言っていない上にわかりきったこと」をわざわざ俎上に上げなくちゃならないのかさっぱりわからない。

すくなくとも僕は決められたルールに基づくイージーな判断を立派だとはぜんぜんおもいません。たとえ100%正しいことを言っているとしても、そんなのはくそくらえです。道徳の教本でも破ってムシャムシャ食ってろとおもう。

じぶんの子どもがしたり顔でこんなこと言い出したら問答無用で晩のおかず1品抜くぞ!

回答途中の質問箱を後回しにさせおって!


6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

「誰か」さんは暇してるんだと思います。

漢字も読み間違えないし、原発に乗り込んで怒鳴り散らしたから処理が遅れたとか電力会社が騒がないからね

ピス田助手 さんのコメント...

> 匿名さん

こんにちは。

そうですね、でももう一度、よーく読んでみてください。
「特定の誰か」ではなくて、「論点をずらすことの危うさ」
について話をしているのです。

ということはつまりここでも…

赤舌 さんのコメント...

僕は自分の興味のあるコトを人と話していると、優位に立とうという意識から、相手の言っていることを否定しようとするあまり、正に例に挙がっているように、論点をずらしていくことがたまにあります。
これをやった日の夜は、罪悪感がハンパない。
ごめんなさい…、もう一品、抜いてください…。

しろ さんのコメント...

視野が狭いんじゃないんですかね。
固定概念が強くて、多面的にものを見ることができない。

まぁ私のことですけど!
注意しなくちゃいけないですね。確かに危ない。
でも言われた方はあんまりピンとこないんでしょうな。難しい。

三ツ星シェフ さんのコメント...

ルールの意図を理解せずに、「ルールのための行動」をとっている人間が大多数の世の中。

もうすぐ生まれてくるじぶんの子どもには、おかずが全て揃った状態で育ってほしいものです。
親としての自覚をそろそろ持たねば。身にしみました。

ピス田助手 さんのコメント...

> 赤舌さん

それとまったく同じことを、
僕もやってます、そういえば。
Bygones!


> しろさん

うーん、うーん。そうですね。
でも前のコメントにも書いたように、
「誰の何がいけなかったのか」ではなくて
「ポイントがどこにあったのか」について
話をしたかったのです。

それを言ったら僕だって固定観念でがちがちですよ!


> 三ツ星シェフさん

あの、一応言っておきますけども、
僕だってしょっちゅうおかず抜かれてますからね…
逆に言ったら「おかずを抜くくらいで済む話」でもあるんです。