2010年8月19日木曜日

鋼鉄の同居人、それから心斎橋の話のつづき




恋人の名前を腕に彫るってこんな感じかな…とおもいました。自己完結にもほどがある。


 *


羽田さんと派手なケンカをしたのです。
何しろ古い人だから一度むくれるとなかなか機嫌を直してくれないというか、とかく頑固でいけません。さっきまで気持ちよさそうに体を揺らしていたのに、気がつくとカチンカチンと耳障りな音をたてて硬直(フリーズ)するものだから、たいへん困ります。なだめたりすかしたりすればとりあえずその場はおさまるんだけれど、しばらくするとまたカチンカチンと音を立てて固まるから話にならない。


しかもその、むくれて騒ぎだすタイミングがたとえば、僕がウトウト眠りにつきはじめるころとか、クーラーをつけた途端にとか、いちいちピンポイントで狙いすましたようにブーブー(というかカチンカチン)言い出すのです。まるで赤ん坊じゃないか。


いいかげん腹も立つし、羽田さんだってもう子どもじゃないんだから、ちかごろは体がぜんぶ鉄でできているのをいいことに、金槌をそばに置いてときどき胴体をガンとぶっ叩きながらどうにかこうにか言うことを聞かせていたのだけれど、今日、それまではずっとおとなしくしていたのに僕が眠りにつこうとするまさにその瞬間を狙ってブーブー(というかカチンカチン)言い出したので、とうとう堪忍袋の緒がブチンと切れて金槌を手に思い切りぶん殴ってやろうとしたら


逆襲されて指の肉を削がれてしまいました。痛い!このやろう!どこまで手をかけりゃ気が済むんだ!


しかしまァそこで取っ組み合いの殺し合いみたいになっても困るし、絆創膏を指に巻いている間に頭も冷えてきたので、ここはひとつ仲直りのしるしにいっちょ体でも拭いてやることにしたら、ここでまた急に神妙な顔をしておとなしくなるのです。


わかったよ、いくら体が鉄でできてるからって金槌でガンと殴りつけるのは控えめにみても人道的とは言いがたい仕打ちだと僕もおもうし、それは認めよう。でも安眠を妨げるのだけは勘弁してくれてもいいだろう!


という具合にせっせと和解を働きかけたおかげで、ふたたび我が家には平穏がおとずれつつあります。


あまりにも人道的でないというじつにもっともな理由から、金槌は使わなくなりました。羽田さんもいまだにブーブー(というかカチンカチン)言うことはあるけれど、鈍器でぶっ叩かなくても胴体部分をゆっくり撫でればそれで落ち着くようになってきたのです(本当)。ずいぶん人間味にあふれてるというか、そのうちテクテク歩き出すんじゃないだろうな。


それにしても羽田さんはよく働いてくれているとおもう。鋼鉄のモーターがぶんぶん回るだけのシンプルな構造なので、呆れるくらい頑丈なのもいい。1/fゆらぎとかそういう小癪なテクノロジーとは縁のない、ひたすら愚直な風もいい。


えーと、つまり、今年も暑いですね、また無慈悲なくらいに、というお話。


 *


続報です。9月の5日に大阪は心斎橋でライブをすることになりました。ただでさえライブに二の足をふむ男です。遠征となればそんな機会はなおさらありません。最後に行ったのがいつだったかおもいだせないくらいです。

そしてここが重要なポイントなのですがこのイベント、ゴハンがついてくるそうです。僕がライブを引き受けた理由のひとつはここにあります。誰が何と言おうと、ゴハン以上にだいじなことは他にありません。

日曜日の宵の口から、おいしいお食事もかねてぶらりと足をお運びいただけるとうれしいです。

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9/5(sun)
SOUL▲UNITY 7
@心斎橋Club★Jungle(チケットのご予約はこちらから)

open 17:30 /start 18:00
adv. 2300yen /door 2800yen
1dish付(ドリンク代別途)

■Live
Ra'con
The Creator's Convention
Yauzah
Heartful☆Funks

■Lounge Live
小林大吾
AZ catalpa
Flight Flamingo

■Dj
カバタミホ

■Beauties
泥酔いシスターズ
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ライブアクトとかDJの次に "Beauties" とあるのが気になります。そういえば美女軍団がうんぬんてたしか言ってたな…。美女軍団てなんだろう?僕はその場にいていいんだろうか?

2010年8月4日水曜日

Mac Bookをハンカチのように落として歩き去る女



この夏もっとも心揺さぶられた1枚。


ユーモアと想像力をもてるくらいの、ちょっと大きめの脳みそがひとつあればできる(文明さえ必要としない!)という意味で、これこそが根源的な芸術です、疑いなく。表現て本来これくらいアノニマスなものだし、この純然たる行為にくらべたらじぶんのやってることがつくづくちっぽけにおもえて空しくなります。なんて美しいの!


Watermelon Carvingsばんざい!(こっちにもいっぱいあるよ)


 *


「未開封のパソコンが、ペットボトルのふたみたいにポツンと道ばたに落ちていたらご一報ください。できれば最新機種」

とあつかましく呼びかけていた甲斐あってか、匿名の通報者から「たいへんセクシーなお姉さんがMac Book Proをハンカチのように落として歩き去った」というかなり有力な目撃情報が寄せられたので、そりゃもう大慌てで現場に急行したのに、ひとしきり探し回ってみてもそんな気配はどこにもありません。右をみても左をみても、うろついているのはかわいい野良猫ばかりです。おかしい。しかたがないので猫どもとすこし遊び、それから匿名の通報者にでんわをかけ直して激しく抗議したのです。

「話がちがうじゃないかタナカ君!セクシーなお姉さんがいったいどこにいるっていうんだ」
「いませんでしたか?でもMac Bookはあったでしょう?」
「セクシーなお姉さんが見当たらんという話をしてるのだ」
「でもMac Bookはあったでしょう?」
「それは見てない」
「見てない?」
「あッそうか、いや、えーと、なかったかな、そういえば」
「あと匿名の通報者に折り返しでんわしないでくださいよ」
「だいじょうぶだよ匿名なんだから」
「さっきタナカ君て呼んでたじゃないですか」
「タナカ君じゃなかったっけ?」
「タナカですけど」
「ああよかった、まちがえたかとおもったよー」
「匿名…」


 *


ということをくりかえしたり、くりかえさなかったりする8月です。


 *


そういえば7月に代官山UNITで行われた「申し訳ないとフロム赤坂フェス」にて、大勢のタマフルファンに囲まれて狼狽する古川Pの貴重なモテモテシーンを激写してきたのですが、アップしようとおもったらカメラとPCをつなぐ電気的な線がみつからないので断念しました。次回!次回!


 *


あと、9月の頭にライブを…します。たぶん。


心斎橋(大阪)です。


詳細は近日中に…宣伝します!ちゃんと!


原付だと何時間くらいで着くかなァ…

2010年7月21日水曜日

言論をこねてパリッと焼き上げるパン屋について




あんまり暑いからしばらく多摩川の底で藻といっしょに暮らしていたら、郵便屋がザブザブやってきて「お届けものだ」と言うのです。海パン着用で配達にくるあたり、なかなか堂に入った仕事ぶりだとおもう。

とおくでポチポチと並んでいる大名行列みたいな雲は、環状8号線に沿って浮かぶ環八雲です。あっちとこっちがぶつかって、ちょうどこういう雲になるらしい。夏から秋にかけてみられる、東京ならではの風物詩のひとつ。


パリパリパリ(お届けものを開封しています)


あっプラケース仕様だ!


アラ可愛い!


「だまされた!」とおもうくらいのギャップがほしくて、毎回相反するようなベクトルを強調しているけれど、ここまで来ればだいぶだまされてくれるんじゃないかという気がする。これがいったい何のCDなのか、前にもまして不明瞭でじつによろしい。


ほぼ丸ごと差し替えです。




裏ジャケではパン屋の美しい女将さん(おそらく未亡人)が、パリッと香ばしく焼き上げるべく、せっせと言論をこねています。


僕にとってはつきつめた論理よりもむしろ、その対岸にある煮ても焼いても食えないような不条理にこそ「詩」があると感じられるのだということを、いつかわかってもらえる日は来るだろうか?

2010年7月12日月曜日

小林大吾 in 『24 -TWENTY FOUR-』



11:59:57
「昼メシどうすっかな…」


12:00:00
「あれッ先輩もう食い終わったんすか」

池袋駅地下構内でハトが立ち食いそばをすするのは、わりとよく見かける日常的な光景です。ふつうにこう、てくてくと歩いていてあまり飛びません。色も似ているので一見すると勤勉なサラリーマンそのものです。


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15:23:00
作業中ディスプレイにくっついた虫(本物)を画面上で囲っています。

リアル3D体験だ!とひとりキャーキャー言っていたのですが、写真に撮るとそのおもしろさがまったくわからなくてとても残念です。


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18:11:34
「オーディオビジュアル」2ndプレスのブックレットが届きました。

青いのもステキですね!(お世辞)


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20:30:15
流氷のうえでくつろぐアザラシを観察しています。



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23:45:00
1枚のキャベツを頭にかぶっています。

とてもおだやかな顔つきをしている。


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…とまあご覧のとおり、猫の手どころかハトの羽根も借りたいくらい、たいへん忙しくしていたのです。1日が48時間あってもこんなかんじだとおもう。ジャックバウアーもちょっとは僕を見習えと言いたい。


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それにしても死にかけたPCを立ち上げるのがこわくてネットを繋がずにいると、じつに呆気なく情報社会から切り離されてしまうようです。絶え間なく世界を駆け巡る無限の情報なんて、すきま風ほどにも入ってこない。ここ数週間の大きなニュースと言えば、実家の屋根裏から奇妙な物音がするのでヘンだとおもったらハクビシンの家族が勝手に住んでいたことくらいのものです。

(あと新聞は読んでいるので谷亮子が当選したことにたいへんショックを受けています)

(これだから比例はイヤなんだ!)

(でもタリーズの松田さんはステキなのでガンバってほしい)

問題はだからといってべつに困らない、つまりネットがなくてもという話ですけども、そんなこと言ってるとほんとうにフェイドアウトしてしまうので、いや僕自身は忘れてもらって全然かまわないんだけど丹精こめてこしらえたアレコレを置き去りにするのはさすがに本意じゃないので、高熱にうなされているiBookに扇風機と冷えピタを当てて冷やしながらせっせと更新しているのです。


PCがないなら、ケータイで更新すればいいじゃない!

とマリーアントワネットみたいなことも言われたのだけど、僕うまれてこのかたケータイでネットにつないだことがないんですよね。電車の乗り継ぎとかも調べたことがないし、どのボタンを押せばめくるめく電脳世界への入口がひらかれるのかさえぜんぜん知らない。考えてみるとなぜ知らないのか、じぶんでもふしぎです。なぜ知らないんだ?


そういうわけでiBookが完全に沈黙するのが先か、ピカピカの最先端PCをたまたま道ばたで拾う幸運に恵まれるのが先か、また当の本人は本を読む時間がふえたとむしろ歓迎の姿勢を示していることもあり、ブログにおける今後の更新については依然として不透明なまま、現場はなおも緊迫した雰囲気に包まれて予断をゆるさない状況にあるといえるでしょう。

こちらからは以上です。

ヤッホー!

2010年6月29日火曜日

死にかけのiBookとやわらかアイス枕



10日もブログを放置していたのには3つの理由があります。


1. そもそもが筆無精です。


あれだけの文量を書いて筆無精はねえだろうとお思いかもしれませんが、書き始めるとどうしてもいつもあれくらいの量になってしまうので、いったん間を置くと逆に書く気がキレイサッパリ消え失せてしまうのです。いえ、本当に。かといって今日のできごとをただずらずらと羅列するのも気が引けるから、ときどきこうして放置されることになります。多くの人はホントに更新がマメでいつも感心してしまう。ことばに対して敏感なわりには「書かずにいられない」という欲求が決定的に欠落しているのです。なぜだろう?twitterに手を出さないのもそれが理由です。


2. iBookが死にかけています。


デスクトップPCが歯医者みたいな音をたてて息絶えたあの日から(1枚目のアルバムデータはこのためにすべて消失しています)、サブで使ってたiBookをしぶしぶメイン機に昇格させたのだけれど、これも今やひとつひとつの処理がまるで太極拳のようにのろのろとして、まともに作業ができなくなりつつあります。加えてここ数日の暑さです。本体のある部分だけやたらと熱を持つから起動するにもなんだか気を遣うし、しかたがないからふだんは飲まないビールを片手にワールドカップをぜんぶ観たりしています。チリ-ブラジル戦は2点入ったところでぐうぐう寝てしまったけれど。

たぶんこのiBook、夏をのりきれないんじゃないかとおもう。


3. アートワークをアップデートしています。


そんな瀕死のiBookに、冷凍庫でキンキンに冷やした「やわらかアイス枕」を当てながら、どうにかこうにかだましだましつづけている作業がこれです。

やれそうことはだいたい自分でまかなう僕の場合、写真家やイラストレーターにジャケットのアートワークを依頼したり、さらにそのアートディレクションとこまごました情報整理をデザイナーに託したりする必要がない、ということはつまり対外的なコストがゼロなので、追加で入稿するたびに好きなだけデータをいじりまくれるというとても大きな利点があります。「詩人の刻印」の初回プレスとそれ以降とでアートワークががらりと変わっているのもそのためです。「自分への賛辞」をみずからデータ配置する(ステッカーとか帯のことです)といういたたまれない状況もあるにはあるんだけど、それを差し引いてもこの「遊びの部分」は個人的にすごく大きい。こんなことしてよろこぶのは僕だけだとしても!

それでまあ、ここのところずっとこつこつこしらえていたのです。


ジャケットを除いたアルバム2枚分の装丁をまるまる差し替え!じぶんの思い描くアートワークの領域に、ちかごろようやく手が届くようになってきました。並べると雑誌の特集記事みたいでたのしい。


 *



いうわけで話の順序が逆になってしまったけれど、「オーディオビジュアル」と「詩人の刻印」がさりげなく再プレス決定です。とくに「オーディオビジュアル」は「詩人の刻印」の初回プレスとくらべて3倍(当社比)の数を用意していたのだけれど、おかげさまでもうちょっとだけプレスできることになりました。本当にどうもありがとう!

これによって裏ジャケに記された「著作権法上の奇妙な注意」も5パターンにふえました。帯で隠れないように配置してあるので(←買わなくても読めるように毎回いちおう気を遣っているのです)、お店で見かけたら確認してみよう!店頭に並ぶのははやくてもたぶん8月とかですけれども。


 *


ああ、雨がふってきた。降りかたが夏っぽいな。

2010年6月19日土曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱リターンズ4



前回までのあらすじ:ムール貝博士と助手のピス田はいつもの場所でいつものように、激しい議論をくりひろげていた。



「聞き捨てならん!」
「本当なんですよ、博士」
「おお…」
「新聞くらいお読みになったらどうです?」
「ピス田…」
「ええ」
「かついでるわけじゃあるまいな」
「わたしがからかわれてるのかとおもったくらいです」
「本当なんだな」
「本当です」
「にわかには信じられん話じゃないか」
「そうですか?」
ワールドカップがおっぱいの祭典ではないなんて!
「その認識のほうがよほど信じがたいですよ」
「世界一のおっぱいを決めているわけではない?」
「そのとおりです」
「Aカップからはじまってその頂点がワールドカップでは…」
「ないんです」
「なんてことだ」
「だいたい男性ばっかりじゃないですか」
「200年くらいずっと誤解していた」
「そんなに歴史ないですよ」
「おっぱいにはある」
「たしかにおっぱいの歴史は古そうですけど…」
「なぜもっと早く言わないんだ!」
「だいたい博士べつにおっぱいに興味ないでしょう」
「おっぱいよりは尻だな」
こんにちはー
「おや、ダイゴくん」
「またやぶからぼうに!」
今日は質問をもってきました
「そのまま持ち帰りなさい」
「ダイゴくんせりふが太字だよ」
気が利いてるでしょ
「気が利いてるとは言わないんじゃない?」
では質問です



Q: 浮世絵とレコードをこよなく愛するムール貝博士には、その2つを組み合わせた新しいマーシャルアーツを生み出せる可能性が眠っていると思います。では、ダイゴさんにはどのような可能性が眠っていますか?



「マーシャルアーツってなんだ」
格闘技のことらしいですよ
「ふーん」
突っ込まないんですか?
「何に?」
だって格闘技ですよ
「それはさっき聞いた」
浮世絵とレコードで格闘技ですよ
「だいたいこれ明らかに君宛じゃないか」
そうなんですけど、でも答えづらいじゃないですか
「なんで?」
眠ってる可能性があるならむしろ僕が知りたいです
「そりゃいっぱい眠ってるだろうともさ」
ホントですか?たとえばどんな?
「ありとあらゆる可能性だよ!たとえば…たとえば女装とか」
ああ…
「うらやましいよ」
なんかもっとこう、他にないですか
「他って…あのな、たとえばの話だよ!訊いたのは君だぞ」
そうですけど、でも何か…
「ありとあらゆる可能性が眠っていると言ったろう」
でも女装じゃなくてもいいですよ
「その気になれば空のお星さまにだってなれる」
それ、死んでないですか?
「ありとあらゆる可能性のなかには劇的な死もふくまれるんだよ」
それじゃ元も子もないですよ
「イカだってイメチェンすればタコになれるんだから」
あれは別種の生きものです
「ペシミスティックな男だな。いいか、ここに一羽のインコがいるとする」
インコ?
「そのインコがPCのキーボードの上を歩くとする」
はァ
「キーがランダムに踏まれて、ディスプレイには意味のない文字がずらずらと並ぶ」
そうですね
「無意味なはずの文字列がたまたまコナン・ドイルの『パスカーヴィル家の犬』を著している確率は…」
そんなことあるわけないじゃないですか!
「ところがゼロじゃないんだよ!」
かぎりなくゼロにちかいですよ!
「…とScientific American誌に書いてあった」
受け売りじゃないですか
「かぎりなくゼロにちかいこととゼロでは天と地ほども差があるよ」
そりゃそうですけど…
「イカとタコくらいちがう」
模範的とは言いがたい例えのような気がしますけど
「別種の生きものだと君が言ったんだ」
だって相違より類似のほうが目立ちますよ
「だからこそだよ!むしろ適切な例だと言ってほしいね」
何の話でしたっけ?
「ありとあらゆる可能性が眠っているという話だよ」
そうだ…そうでした!だから僕にも…
「呼んでも起きないけどな」
熟睡しすぎです!
「だからまァ、なんとかして起こせということさ」
いまちょっとやる気が戻りかけてたのに…
「せめて二度寝は阻止したいね」
怠惰にもほどがありますよ
「そうとも、可能性それ自体は怠惰だよ、いつだって」



A: ありとあらゆる可能性がいびきをかいて寝ています。



 *



つづく!


dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)

2010年6月16日水曜日

オパキャラマ子さん、結婚のご予定は?



じっさい、交際の事実をみとめた有名人に投げかける「結婚のご予定は?」という一言ほど短絡的で愚かしい質問はありません。ないったらないのです。ですよね?決まりきった生ぬるい定型句にうんざりしすぎて洟がたれます。


チーン(洟をかんでいます)


大体お付き合いと結婚がどうしてその始まりから頑丈なイコールで結ばれていなければならないのか?もちろんそういう人だってたくさんいるとおもうけど、リポーターというリポーターがみなことごとくそういう考えの持ち主だというのはあまりにも不自然だし、そもそもあるベクトルを前提にコメントを求めること自体、ずいぶん乱暴な話です。大挙して押しかけながら口を揃えて機械的な発言しかできないのも忌々しい。もっと他に聞くことないわけ?


とついこないだまでは人並みにそうおもっていたのです。


でもブログの更新さえ滞る綿密な考察の結果、それは大きなまちがいであったと、わたくしは自戒をこめて告白せねばなりません


じぶんの浅はかすぎる理解について、あるいはバッカじゃねェのと毎回プリプリしていたことについて、サーセンした!と全力で土下座どころか勢い余ってそのままクルンと見事な開脚前転を披露せねばなりません。(何を言ってるんだ?)


前置きを180度ひっくり返してたいへん恐縮ですが、よいですか、「結婚のご予定は?」という簡潔な一言以上に、強力で非の打ちどころのない完璧な質問は他にないのです。それはなぜか?


話題の中心が有名人なら、知りたいことはいろいろあります。相手も同じくらいの知名度を持っているならなおさらです。きっかけは何だったとか、なぜ他の人ではなく彼(あるいは彼女)でなければならなかったのかとか、詮索好きなら経緯を聞きたい。


でも本人からするとそれは余計なお世話以外の何物でもないので、よほどの知己でないかぎりそんなことをゆっくり根掘り葉掘り聞くことはできません。仕事と仕事の合間に、あるいは何かのついでにむりやりマイクを向けるとしたら、使える時間もごくわずかだし、だとしたらゴシップだろうが何だろうがニュースになると判断された以上は、せめてこの話題に関するリアクションだけでもほしい、と考えるのはごくごく自然な流れです。


となるとできるのは必然的に「ポンと投げてポンと返せる」シンプルな質問に限られてきます。究極的には「イエスかノーか」で返せるような、コールアンドレスポンス的やりとりになるということです。ここに至るとコメントを求めるという当初のピントが若干ずれて、回答よりもリアクションそのものに焦点が当てられます。そうなると質問はもはや単なる「アクション」でしかなく、内容はおろか意味さえほとんど失うという本末転倒の様相を呈することになるのです。


(すごーく当たり前のことを言ってるようだけれど、こうしてひとつひとつ整理してみるとそれまでの景色がだいぶちがって見えてきます)


「ポンと投げる」こと自体はそれほどむずかしくありません。問題は「ポンと返せるかどうか」です。ポンと返せる質問ってどれくらいあるだろうとおもって考えてみたんだけど、「幸せですか?」とか「その髪型は彼に合わせて?」とか本当にびっくりするくらいどうでもいいような(ことによると失礼な)質問しか浮かびませんでした。それこそまさしく僕が不快感を露にしてきたところのものであるにもかかわらず!


そこで、「結婚のご予定は?」です。まず聞き間違えることもない、じつに簡潔で明瞭なフレーズといえましょう。返す答えも「あります」「ないです」「まだです」とじつに明快です。でもこれだけならただの「返しやすくて良い質問」にすぎません。


ではなぜこれが「完璧な質問」なのか?


それはこの質問が「次の大きなニュースへとつなげる可能性」を秘めているからです。付き合い始めた2人について次に大きなニュースがあるとすればそれはもちろん「結婚」であり(妊娠もありうるけどそれを先に公表することはたぶんない)、リアクションさえとれればそれでいいという最低限の姿勢で臨んでいるにもかかわらず、もし結婚をほのめかすような発言をとることができたとしたらもう、これ以上の収穫はありません。ですよね?


つまりそれは短絡的で愚かしいどころか、うまくいけば「最小の労力」で「最大の利益」を得ることのできる質問なのです。リアクションさえとれれば元は取れるのだから、これ以上効率のいい働きかけは他にないでしょう?


それまで抱いていた印象からはほど遠い、というかむしろ真逆の着地点です。驚きというほかありますまい。


<結論>
あれはプロフェッショナルの手によって研ぎ澄まされた最強の質問です。(Q.E.D.)


 *


そんなことをうだうだと書き連ねるためにこのブログはあるのか?


そのとおりだ!もんくあるか!


小林大吾の3枚目のアルバム、「オーディオビジュアル」絶賛発売中です!(あやふやな本分を思い出すための備忘録的アナウンス)