2015年6月8日月曜日

膝枕と言いながら膝が何もしていない件について


そもそもの発端は「私は膝枕における膝が詐称である確かな証拠をにぎっています」「どうお受け止めになられてもかまいませんが、誠意ある対応が見られない場合は罪なき奥様にもこの事実をお伝えするつもりです」という脅迫めいた匿名の投書が舞いこんできたことにあるのです。もちろんとんだ言いがかりであって、こんな怪文書は恐るるに足りません。腕の立つ弁護士においで願うまでもなく、反論は辞書一冊あればこと足ります。切手もなければ宛名もないからひょっとしたら投函する部屋をまちがえたのかもしれないけど、万が一ということもあるし、念のために辞書を引っぱり出してみましょう。うちにあるのは使い方が雑なせいか最初の数十ページが失われて「アスパラギン」から始まるきわめて不完全な辞書なのですが、今回はそれを気にする必要もありますまい。

膝といえば腿と脛をつなぐ関節部分のことですが、膝枕でこの関節に頭をのせる人はまずいません。別にいたっていいけど、一般的に言って大多数の人がその頭をのせるのは太ももです。だとするとこれはどう考えても「腿枕」であるはずなのに、なぜここで何もしていない膝が横からしゃしゃり出てくるのか、その理由は「膝」という言葉の知られざる意味にあります。


ひざ【膝】
①大腿の下端と下腿の上端との間の関節部の前面。ひざがしら。
②大腿部。もも。

膝=腿だと……!?そんな強弁が通用するなら、脛だって膝でいいことになるじゃないか……?脛が膝でいいとすればもはや足がまるまる膝ということになるし、足が膝なら腰だって膝みたいなものです。またその理屈でいけば上半身はおそらくまるまる「肘」ということになりましょう。肘と膝の仁義なき戦いにおいてどちらに軍配が上がるかは神のみぞ知るところですが、いずれ膝が全身を征服しないともかぎりません。ここに至ると人すなわち膝であり、meというかkneeです。その先にはおそらく「膝思う、ゆえに膝あり」という価値観の大きな転換が待ち受けています。

しかしまあ僕自身はじぶんが人だろうが膝だろうがカプリチョーザだろうが一向かまわないので、それならそれで別によろしい。どちらかというと気になるのは、「膝枕」とはっきり言っているのに関節部としてのそれを一度も思い浮かべずにいたことのほうです。

それは「五社英雄」とか「野茂英雄」という名前をみても、それをいちいち "hero" と認識したりしないのと同じ原理なんだろうか?

ということをつらつら考えていたら眠れなくなるどころか逆にすごく眠たくなってすやすやと安らかな寝息をたてる6月です。みなさんお忘れでないかしらと内心ハラハラしつつ来週はオントローロ「00」、セットリストはほぼ同じですが、ちょっぴり変化もございます(ホントにちょっぴりですけど)。直前になっていきなり全員キャンセルとかになりませんように。

あと、どうでもいいけど「大吾」を英語にするとひょっとしてスーパーサイズ・ミー(super size me)」になるんじゃないのか……?



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