2013年7月14日日曜日

シャンデルゴナールとアレクサンドロブナ


前回の「せかいのふしぎシリーズ」に「これはカゲロウの卵、akaうどんげの花ではありませんか、というご指摘をコメントに、またメールでもいただきました。ほほう、そうなんですね!「うどんげ(優曇華)」というのは3000年に一度しか咲かないと言われる伝説の花のことだそうですが(ホントにみつかったというニュースもある)、だとすればますます謎がふかまる、これこそまさしく「せかいのふしぎ」です。どうもありがとう!しかしまあ、カゲロウの卵ですよね、たぶん。何にしても名前があるのはよいことだ。

さて、ついこないだ長年仕えた忠義者の掃除機を手討ちにしてしまったという話をしたばかりで何ですが、今度は洗濯機が回らなくなったのです。おいマジかふざけんなよはっ倒すぞこの野郎とおもうけど、しかたがありません。なにか小規模な陰謀に巻き込まれている気がしてならないので、いまのうちに遺書をしたためておこうかとおもう。

何しろ、回らない洗濯機など、ただの水槽です。天水桶みたいなかんじで金魚を飼ってもいいけれど、上からのぞきこむしかないからあまりおもしろくありません。仮におもしろかったとしても、服が洗えないのは困ります。朝から気温がクジラの潮吹きみたいに勢いよく上がっても、洗濯機がばりばりと働いてくれればこそ、好きなだけ汗をかけたのだし、また好きなだけ水を浴びることもできたのです。掃除機のときとくらべると、洗濯機と手洗いではさすがに労力の差がありすぎます。僕だってべつに好んであれこれ手間をかけているわけではないし、基本的には楽なのがいい。したがって洗濯機は是が非でもなくてはなりません。いずれ無一文で路上にポイとつまみ出されるようなことになったらいやでも手洗いになるだろうから、せめて今くらいは存分に洗濯をたのしんでおきたい。

修理になるのかそれとも買い替えになるのか、サービスセンターに電話するにしても「こわれた!わーん!」と結果だけ伝えるのも気が引けるし、ひとまず状態を見ておこうと洗濯機をさわったり揉んだり執拗になで回したりしてみます。反応がないからひどく背徳的なことをしているようにおもわれるけれど、背に腹は代えられません。ひとしきりいじくり倒した結果、どうも部品のひとつが摩耗しているようです。回転するためのギヤがすり減りすぎてツルツルになっています。ひょっとしてこれかな?これだな。たぶんこれだろう!

それをふまえて、翌朝さっそくサービスセンターに電話です。

リンリン

「ハイこちら修理相談センター、担当のシャンデルゴナールでございます」
「洗濯機が回らなくなったのです」
「洗濯機ですね」
「脱水槽は回ります」
「さようでございますか」
「なので部品だけ調達できるとうれしいのです」
「そうですね、くわしくはお伺いして拝見しませんと…」
「部品だけ買えたりはしませんか」
「弊社では部品だけの販売はいたしておりませんので…」
「むむ。なるほど」
「やはり修理にお伺いするかたちになります」
「わかりました。おねがいします」
「ハイ、では明日のご予約で担当シャンデルゴナールが承りました」
「かたじけのうござる」

ガチャリ

とぶじ予約を済ませて安堵のため息をつきながらふと取扱説明書に目をやると、「部品購入のご相談は地区別窓口にても承っております」と書いてあるのです。

あれ?

へんだな、とおもいつつも今度はそこに記された地区別窓口に電話してみます。

「ハイこちらテクニカルセンター、担当のアレクサンドロブナでございます」
「じつはかくかくしかじかで部品がほしいのです」
「直接のご購入ですと万一の場合に保証いたしかねますがよろしいですか?」
のぞむところです
「かしこまりました。受け取りのほうはいかがなさいますか」
「近いので直接伺います!」
「では納品され次第ご連絡いたします。こちらの番号でよろしいですか?」
「よろしいです。それであの…」
「そうですね、明日か明後日には入るとおもいます」
「早い!」
「代金は2180円です」
「安い!」
「では担当アレクサンドロブナが承りました」
「かたじけのうござる」


買えた…


さらに翌朝

「納品されました」
「早い!」

そうして手に入れたのがコレだ!

※左下に足が写りこんでいますが、品質には問題ありません

伝説の武器を手に入れたかのようなこのよろこび!すり減ってつるつるだったギヤがギザギザになって帰ってきた!おそるおそるセットしてみるとガッチリ固定されてじつにたのもしい!そのまま勢いでタオルやら何やらをほうりこめば、ブンブンと力強く回ります。直った!直ったよ!ウディ・アレンが往年のブルース・ウィリスと入れ替わったようなこの安心感!

というわけで今日も遠慮なく水をばしゃばしゃ浴びているのです。生きてるってすばらしい!


※うれしくて屋外でも記念撮影

3 件のコメント:

単粒度砕石 さんのコメント...

ゆうしゃは かいてんギアを てにいれた!
ゆうしゃは こうそくせんたくが できるようになった!

このゆうしゃの旅の目的は一体なんなのでしょうか。

匿名 さんのコメント...

大吾さんの喜びがものすごく伝わってきます。
大企業だと部門ごとに意思疎通(?)ができていないことってありますよね。
それを乗り越えての部品購入、そして修理成功・・・おめでとうございます!

ピス田助手 さんのコメント...

> 単粒度砕石さん

やっぱり平和をおびやかす何者かに
打ち克つことじゃないですかね?
スケールちょっとちいさいですけど。


> 匿名さん

ありがとうございます!
近年まれにみる達成感でした。まじで。