2010年6月19日土曜日
ムール貝博士のパンドラ的質問箱リターンズ4
前回までのあらすじ:ムール貝博士と助手のピス田はいつもの場所でいつものように、激しい議論をくりひろげていた。
「聞き捨てならん!」
「本当なんですよ、博士」
「おお…」
「新聞くらいお読みになったらどうです?」
「ピス田…」
「ええ」
「かついでるわけじゃあるまいな」
「わたしがからかわれてるのかとおもったくらいです」
「本当なんだな」
「本当です」
「にわかには信じられん話じゃないか」
「そうですか?」
「ワールドカップがおっぱいの祭典ではないなんて!」
「その認識のほうがよほど信じがたいですよ」
「世界一のおっぱいを決めているわけではない?」
「そのとおりです」
「Aカップからはじまってその頂点がワールドカップでは…」
「ないんです」
「なんてことだ」
「だいたい男性ばっかりじゃないですか」
「200年くらいずっと誤解していた」
「そんなに歴史ないですよ」
「おっぱいにはある」
「たしかにおっぱいの歴史は古そうですけど…」
「なぜもっと早く言わないんだ!」
「だいたい博士べつにおっぱいに興味ないでしょう」
「おっぱいよりは尻だな」
「こんにちはー」
「おや、ダイゴくん」
「またやぶからぼうに!」
「今日は質問をもってきました」
「そのまま持ち帰りなさい」
「ダイゴくんせりふが太字だよ」
「気が利いてるでしょ」
「気が利いてるとは言わないんじゃない?」
「では質問です」
Q: 浮世絵とレコードをこよなく愛するムール貝博士には、その2つを組み合わせた新しいマーシャルアーツを生み出せる可能性が眠っていると思います。では、ダイゴさんにはどのような可能性が眠っていますか?
「マーシャルアーツってなんだ」
「格闘技のことらしいですよ」
「ふーん」
「突っ込まないんですか?」
「何に?」
「だって格闘技ですよ」
「それはさっき聞いた」
「浮世絵とレコードで格闘技ですよ」
「だいたいこれ明らかに君宛じゃないか」
「そうなんですけど、でも答えづらいじゃないですか」
「なんで?」
「眠ってる可能性があるならむしろ僕が知りたいです」
「そりゃいっぱい眠ってるだろうともさ」
「ホントですか?たとえばどんな?」
「ありとあらゆる可能性だよ!たとえば…たとえば女装とか」
「ああ…」
「うらやましいよ」
「なんかもっとこう、他にないですか」
「他って…あのな、たとえばの話だよ!訊いたのは君だぞ」
「そうですけど、でも何か…」
「ありとあらゆる可能性が眠っていると言ったろう」
「でも女装じゃなくてもいいですよ」
「その気になれば空のお星さまにだってなれる」
「それ、死んでないですか?」
「ありとあらゆる可能性のなかには劇的な死もふくまれるんだよ」
「それじゃ元も子もないですよ」
「イカだってイメチェンすればタコになれるんだから」
「あれは別種の生きものです」
「ペシミスティックな男だな。いいか、ここに一羽のインコがいるとする」
「インコ?」
「そのインコがPCのキーボードの上を歩くとする」
「はァ」
「キーがランダムに踏まれて、ディスプレイには意味のない文字がずらずらと並ぶ」
「そうですね」
「無意味なはずの文字列がたまたまコナン・ドイルの『パスカーヴィル家の犬』を著している確率は…」
「そんなことあるわけないじゃないですか!」
「ところがゼロじゃないんだよ!」
「かぎりなくゼロにちかいですよ!」
「…とScientific American誌に書いてあった」
「受け売りじゃないですか」
「かぎりなくゼロにちかいこととゼロでは天と地ほども差があるよ」
「そりゃそうですけど…」
「イカとタコくらいちがう」
「模範的とは言いがたい例えのような気がしますけど」
「別種の生きものだと君が言ったんだ」
「だって相違より類似のほうが目立ちますよ」
「だからこそだよ!むしろ適切な例だと言ってほしいね」
「何の話でしたっけ?」
「ありとあらゆる可能性が眠っているという話だよ」
「そうだ…そうでした!だから僕にも…」
「呼んでも起きないけどな」
「熟睡しすぎです!」
「だからまァ、なんとかして起こせということさ」
「いまちょっとやる気が戻りかけてたのに…」
「せめて二度寝は阻止したいね」
「怠惰にもほどがありますよ」
「そうとも、可能性それ自体は怠惰だよ、いつだって」
A: ありとあらゆる可能性がいびきをかいて寝ています。
*
つづく!
dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)
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3 件のコメント:
仕事の多忙な時期をすぎて、眠りこけてる間に新しい記事が二つも!!
とても深い内容でした…。
…深い内容すぎて、感想が陳腐になりすぎたため、そこんとこ割愛いたします。
おっぱいの祭典、第2試合は本日ですね。
先日のブログに「やっぱりマスコミは嫌いだ」とコメントするべきか、それとも他人の恋愛に興味がわかない自分の恋愛観と結婚観を延々と述べるかを迷っているうちに、大吾さんのブログが更新され、ワールドカップ日本代表も2戦目を迎えていました。
90分ずっと観てましたが、
おっぱいの祭典ではなかったです。
そりゃそうだ!!
おっぱいワールドカップなら、
俺が日本代表に選ばれているはずだからだ!!
………。
> ぽいこさん
こんばんは。僕も眠りこけてタイミングを逸することはよくあります。人生の役には立ちそうもないブログをチェックするよりも、涼しいところですやすや寝息を立てるほうが100倍有意義ですよ!
> s8さん
じつは僕、人ののろけを聞くのがすごーく好きなんだけど、どちらかというとみんな相手の短所を話すことが多くて、あんまりのろけてくれないんですよね。そのくせ「やめちゃえばいいのに」って言うとお茶をにごすんだから!
しかしおっぱいが好きな人の祭典となるとそれはもう、完全に風俗ですね。
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