サンドバッグ定規さんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)ボカスカやればストレス解消にもなる、シェイプアップ用定規のことですね。
Q: ムール貝博士は、お餅には何をつけて食べるのが好きですか?あと今好きな娘はいますか?
「という質問が来てたので訊きにきたんですけど」
「残念だったねえ」
「むむ」
「というかその大荷物は何?」
「せいろと餅米とコンロとボンベと杵と臼です。あとサラシ」
「ここで餅つきをするつもりだったの?」
「何をつけて食べるのか、なるべく自然に見たいとおもって」
「2月の半ばに餅をつく不自然さは気にしないんだね」
「ホントに留守なんですか」
「たしかに留守よりは居留守のほうが多いけども」
「どこへ行ったんですか?」
「ロシアだよ」
「ああ…」
「金属バット持っていそいそと出かけていった」
「金属バット?」
「打ち返しに行ったんだ」
「打ち返すって…あれ?隕石のことですよね?」
「そうそう」
「まず間に合わないんじゃないですか」
「うん、だから間に合ったらってことじゃないかな」
「仮に間に合ったとしてもムリですよね?」
「なんで?」
「なんでって言われても、こう、全体的に」
「そうかもね。でもわたしの知ったことじゃないな」
「まあ、それは僕もそうですけど」
「だいじなのは博士が留守ってことだけさ」
「ピス田さんは行かなくてよかったんですか?」
「行くわけないよ、ばかばかしい」
「鬼の居ぬ間に洗濯ですか」
「鬼ならむしろいてくれたほうがいくらか心強いんだけどね」
「怪獣みたいな人ですものね」
「いかん、ダイゴくん伏せろ!」
「え?」
パン
「何?なんかピストルみたいな音が」
「ピストルだよ」
「危ないじゃないですか!」
「この家で今さらそんなことを言うなんて、こっちがびっくりするよ」
「当たったらどうするんです?」
「弾を抜いて安静にするしかないよね」
「博士は留守なのに、とんだとばっちりだ」
「博士が狙われたわけじゃないよ」
「だって他にそんな…じゃ、ピス田さん?」
「もちろんわたしでもない」
「なんで僕が狙われなくちゃいけないんです!」
「博士の悪口を言ったからだよ」
「僕そんなこと言いました?」
「悪口に反応するようセンサーが設定されてるんだ」
「高度なシステムをこんなふうに使うなんてどうかしてますよ!」
「危ない!」
パン
「不用意すぎるよダイゴくん、これすごい精度なんだから」
「でも僕、役割的にツッコまないと…」
「ちょっと言い方を変えてやればいいんだよ」
「言い方って?」
「高度なシステムなのにこんな使い方はくだらない、とか」
「わあ!」
「伏せなくてもいいよ、ダイゴくん」
「あれ?なんで?」
「博士の悪口じゃないからだよ」
「めちゃめちゃはっきり批判してましたけど」
「批判と悪口はちがうもの」
「ほとんど一緒じゃないですか」
「『どうかしてる』のは人だけど、『くだらない』のは使い方だろ」
「ホントに高精度だ!」
♪パラララッパラ〜
「なんか鳴りましたよ」
「ほめたからだね」
「ほめましたっけ?」
「高精度だって言ったじゃない」
「さっきピス田さんも言ってましたよ」
「あれは単なる事実だからね」
「どうちがうんですか」
「ダイゴくんのは感嘆符がついてた」
「そんなところまで判別できるの!?」
「冷静に考えてごらん。わりとふつうのことだよ」
「氷点下まで頭を冷やしてもそうはおもえないですよ」
「それで、何だっけ?」
「何って、何がですか?」
「何しに来たって言ってたっけ?」
「あ、そうそうお餅をね…」
「餅ね。ハテ、どうだったかな」
「だいたいお餅、食べるんですかね?」
「食べてたとおもうよ。正月。ダイゴくんは何が好きなの」
「僕は大根おろしです」
「あ、甘いのじゃないんだ」
「初めて食べた幼少の衝撃をいまだに引きずってるんです」
「なるほどね」
「ピス田さんは?」
「納豆かな」
「え?」
「納豆」
「納豆?」
「そう言ってるじゃないか」
「それ、お餅につけるものですか?」
「わたしはのせて食べるんだ」
「考えたことなかった」
「口のなかで天使が舞うよ」
「すべったりからまったりしそうですね」
「博士はいやがるけどね」
「ああ、ぶつくさ言いそう…あッ」
「へいきへいき。それは悪口じゃなくて事実だから」
「ぶつくさ言いそうですよね!」
「そんなにうれしそうにしなくてもいいけど、まあ、そうだね」
「これは焦げてる、これは甘すぎるとか言いながら」
「それが調味料みたいなものだからね」
A: ケチをつけて食べるのが好きです。
(せっかく道具を一式持ってきたので餅を搗きました)
「あともうひとつ来てるんです(もぐもぐ)」
「ふむ(もぐもぐ)」
「好きな娘はいますかって」
「やれやれ!」
「いるんですか?」
「いるわけないよ」
「知らないだけで、いるかもしれないですよ」
「そりゃそうだ。というかできれば知らずに済ましたい」
「だいたい博士、いくつなんですか?」
「かつてサンジェルマン伯爵と名乗ってたことは知ってるよ」
「気が遠くなるような話ですね」
「あ、待てよ」
「なんですか」
「ヒントになりそうな話は前にもしてたはずだ」
「年齢のヒント?」
「いや、恋のほう」
「えー!そんなのありましたっけ?」
「5年くらい前の話だよ」
「5年前に博士が恋?」
「いやいや、それに類する話をしたのが5年前ってだけだけど」
「そんな話、してましたっけ?」
(検索しています)
「あった。ほら、これだ」
「ホントだ!でもこれ…」
「恋とはどこにも書いてないけどね」
「うーむむむ。どうかなあ…」
*
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その127につづく!
はー…可笑しかった。
返信削除1ヶ月分くらい笑い転げました。
隕石が空中で一度爆発したのは、博士の仕業だったんでしょうかねえ?
返信削除久しぶりに此方を覗いたらたくさん更新されていて、うきうきした気持ちです。
納豆をかけて食べるの、私も五番目くらいに好きです。
大根おろし!おいしそうですね。やってみよう。
返信削除納豆は…、納豆はいいです。くさいので。
> グリチルリチンさん
返信削除もしそうだとしたら、打ち返したことより
間に合ったことに感心しますよね。
> もよよさん
5番目くらいに好き、というのはいいですね。
その数え方でいくと世の中のだいたいのことは
好きの範疇に入りそうです。
> 赤舌さん
みもふたもないな!
博士ご不在でしたか。
返信削除質問のお礼にと、クコの実を練り込んだお餅を開発したのに。
まぁいいか(モグモグ)
1月7日に計算したところ、
年明け一週間の時点で49個のお餅を食べていたことに気付き、
バリエーションが欲しくて質問しました。
大根おろし、納豆、試してみます。
ありがとうございました。
お礼が遅れて申し訳ありません。
シェイプアップもしようと思います。
痩せっぽちなので貧血起こしそうですが。
(モグモグ…)
(ズズー…)
(モグモグ……)
おひとつどうです?
> 匿名さん
返信削除いえ、こちらこそお答えするのが遅くなってスミマセン…
まだ食べ途中だったみたいでよかったです。
それにしても一週間に49個というのは呆気にとられる数ですねえ。
そして博士の好みをよくご存知でいらっしゃる!