2013年2月19日火曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その126



サンドバッグ定規さんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)ボカスカやればストレス解消にもなる、シェイプアップ用定規のことですね。


Q: ムール貝博士は、お餅には何をつけて食べるのが好きですか?あと今好きな娘はいますか?


「という質問が来てたので訊きにきたんですけど」
「残念だったねえ」
「むむ」
「というかその大荷物は何?」
「せいろと餅米とコンロとボンベと杵と臼です。あとサラシ」
「ここで餅つきをするつもりだったの?」
「何をつけて食べるのか、なるべく自然に見たいとおもって」
「2月の半ばに餅をつく不自然さは気にしないんだね」
「ホントに留守なんですか」
「たしかに留守よりは居留守のほうが多いけども」
「どこへ行ったんですか?」
「ロシアだよ」
「ああ…」
「金属バット持っていそいそと出かけていった」
「金属バット?」
「打ち返しに行ったんだ」
「打ち返すって…あれ?隕石のことですよね?」
「そうそう」
「まず間に合わないんじゃないですか」
「うん、だから間に合ったらってことじゃないかな」
「仮に間に合ったとしてもムリですよね?」
「なんで?」
「なんでって言われても、こう、全体的に」
「そうかもね。でもわたしの知ったことじゃないな」
「まあ、それは僕もそうですけど」
「だいじなのは博士が留守ってことだけさ」
「ピス田さんは行かなくてよかったんですか?」
「行くわけないよ、ばかばかしい」
「鬼の居ぬ間に洗濯ですか」
「鬼ならむしろいてくれたほうがいくらか心強いんだけどね」
「怪獣みたいな人ですものね」
「いかん、ダイゴくん伏せろ!」
「え?」

パン

「何?なんかピストルみたいな音が」
「ピストルだよ」
「危ないじゃないですか!」
「この家で今さらそんなことを言うなんて、こっちがびっくりするよ」
「当たったらどうするんです?」
「弾を抜いて安静にするしかないよね」
「博士は留守なのに、とんだとばっちりだ」
「博士が狙われたわけじゃないよ」
「だって他にそんな…じゃ、ピス田さん?」
「もちろんわたしでもない」
「なんで僕が狙われなくちゃいけないんです!」
「博士の悪口を言ったからだよ」
「僕そんなこと言いました?」
「悪口に反応するようセンサーが設定されてるんだ」
「高度なシステムをこんなふうに使うなんてどうかしてますよ!」
「危ない!」

パン

「不用意すぎるよダイゴくん、これすごい精度なんだから」
「でも僕、役割的にツッコまないと…」
「ちょっと言い方を変えてやればいいんだよ」
「言い方って?」
「高度なシステムなのにこんな使い方はくだらない、とか」
「わあ!」
「伏せなくてもいいよ、ダイゴくん」
「あれ?なんで?」
「博士の悪口じゃないからだよ」
「めちゃめちゃはっきり批判してましたけど」
「批判と悪口はちがうもの」
「ほとんど一緒じゃないですか」
『どうかしてる』のは人だけど、『くだらない』のは使い方だろ」
「ホントに高精度だ!」

♪パラララッパラ〜

「なんか鳴りましたよ」
「ほめたからだね」
「ほめましたっけ?」
「高精度だって言ったじゃない」
「さっきピス田さんも言ってましたよ」
「あれは単なる事実だからね」
「どうちがうんですか」
「ダイゴくんのは感嘆符がついてた」
「そんなところまで判別できるの!?」
「冷静に考えてごらん。わりとふつうのことだよ」
「氷点下まで頭を冷やしてもそうはおもえないですよ」
「それで、何だっけ?」
「何って、何がですか?」
「何しに来たって言ってたっけ?」
「あ、そうそうお餅をね…」
「餅ね。ハテ、どうだったかな」
「だいたいお餅、食べるんですかね?」
「食べてたとおもうよ。正月。ダイゴくんは何が好きなの」
「僕は大根おろしです」
「あ、甘いのじゃないんだ」
「初めて食べた幼少の衝撃をいまだに引きずってるんです」
「なるほどね」
「ピス田さんは?」
「納豆かな」
「え?」
「納豆」
「納豆?」
「そう言ってるじゃないか」
「それ、お餅につけるものですか?」
「わたしはのせて食べるんだ」
「考えたことなかった」
「口のなかで天使が舞うよ」
「すべったりからまったりしそうですね」
「博士はいやがるけどね」
「ああ、ぶつくさ言いそう…あッ」
「へいきへいき。それは悪口じゃなくて事実だから」
ぶつくさ言いそうですよね!
「そんなにうれしそうにしなくてもいいけど、まあ、そうだね」
「これは焦げてる、これは甘すぎるとか言いながら」
「それが調味料みたいなものだからね」


A: ケチをつけて食べるのが好きです。


(せっかく道具を一式持ってきたので餅を搗きました)


「あともうひとつ来てるんです(もぐもぐ)」
「ふむ(もぐもぐ)」
「好きな娘はいますかって」
「やれやれ!」
「いるんですか?」
「いるわけないよ」
「知らないだけで、いるかもしれないですよ」
「そりゃそうだ。というかできれば知らずに済ましたい」
「だいたい博士、いくつなんですか?」
「かつてサンジェルマン伯爵と名乗ってたことは知ってるよ」
「気が遠くなるような話ですね」
「あ、待てよ」
「なんですか」
「ヒントになりそうな話は前にもしてたはずだ」
「年齢のヒント?」
「いや、恋のほう」
「えー!そんなのありましたっけ?」
「5年くらい前の話だよ」
「5年前に博士が恋?」
「いやいや、それに類する話をしたのが5年前ってだけだけど」
「そんな話、してましたっけ?」


(検索しています)


「あった。ほら、これだ」
「ホントだ!でもこれ…」
「恋とはどこにも書いてないけどね」
「うーむむむ。どうかなあ…」



質問はいまも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その127につづく!

6 件のコメント:

  1. グリチルリチン2013年2月19日 22:03

    はー…可笑しかった。
    1ヶ月分くらい笑い転げました。

    隕石が空中で一度爆発したのは、博士の仕業だったんでしょうかねえ?

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  2. 久しぶりに此方を覗いたらたくさん更新されていて、うきうきした気持ちです。

    納豆をかけて食べるの、私も五番目くらいに好きです。




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  3. 大根おろし!おいしそうですね。やってみよう。
    納豆は…、納豆はいいです。くさいので。

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  4. > グリチルリチンさん

    もしそうだとしたら、打ち返したことより
    間に合ったことに感心しますよね。


    > もよよさん

    5番目くらいに好き、というのはいいですね。
    その数え方でいくと世の中のだいたいのことは
    好きの範疇に入りそうです。


    > 赤舌さん

    みもふたもないな!

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  5. 博士ご不在でしたか。
    質問のお礼にと、クコの実を練り込んだお餅を開発したのに。
    まぁいいか(モグモグ)

    1月7日に計算したところ、
    年明け一週間の時点で49個のお餅を食べていたことに気付き、
    バリエーションが欲しくて質問しました。
    大根おろし、納豆、試してみます。
    ありがとうございました。
    お礼が遅れて申し訳ありません。
    シェイプアップもしようと思います。
    痩せっぽちなので貧血起こしそうですが。

    (モグモグ…)
    (ズズー…)
    (モグモグ……)

    おひとつどうです?

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  6. > 匿名さん

    いえ、こちらこそお答えするのが遅くなってスミマセン…
    まだ食べ途中だったみたいでよかったです。
    それにしても一週間に49個というのは呆気にとられる数ですねえ。
    そして博士の好みをよくご存知でいらっしゃる!

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