2023年8月25日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その401


マリリン朦朧さんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q. うちの洗濯機と掃除機と炊飯器と電子レンジが壊れかけているのですが、どれから買い替えるべきでしょうか?


ひょっとするとすでにぜんぶ買い替えたかもしれませんが、まだどれもギリ壊れていないと都合よく仮定してお答えしましょう。

僕なら洗濯機一択です。ぶっちゃけ、省かれる手間が他の家電の比ではない。初めからなかったなら手洗いやコインランドリーという選択肢もあったとおもいますが、一度でも使ってしまったら誰であれもう洗濯機なしに生きていくことはできません。

しかし例えばそんなにしょっちゅう服を着替えず、風呂から上がっても体をプルプル震わせて拭かずに乾かしているなら話は違います。その場合はおそらく電子レンジでしょう。仮に料理をしなくとも、これがあるのとないのとでは食事の質が大きく変わってきます。解凍ができて温めもできて調理もでき、人恋しいときにはその電子音で相槌を打ってくれる心やさしき万能家電です。

ただしそんなにしょっちゅう服を着替えず、風呂から上がっても体をプルプル震わせて拭かずに乾かし、極度の偏食でキュウリしか食べられないような場合はさらに話が変わります。そうなるとなぜそもそも炊飯器と電子レンジがあるのだという疑問も湧きますが、僕も炊飯器を使わないのに人からもらったことがあるので、あまり気にしないでよいでしょう。キュウリしか食べないなら電子レンジはもちろん炊飯器も自動的に除外されるので、残るのは消去法によって掃除機となります。

その家電を活かすためには何が必要か、という観点もあります。洗濯機なら服が必要です。炊飯器なら米が不可欠だし、電子レンジも食料がなければマイクロ波を放射するだけのただの重い箱です。服も米もその他の食料もないなら、これらの家電はまったく役に立ちません。

その点、掃除機は違います。掃除機が求めるのは埃や小さなゴミだけです。埃はどこにでもあり、いくらでもあり、そして尽きることがありません。ただ暮らしてさえいれば、それだけで掃除機に存在意義はあります。サイズ的にも添い寝なんかにちょうどいいし、通電すればほんのり温まって人肌に感じることもあるでしょう。名前をつけて可愛がれば立派に家族の一員です。

したがって、いろいろ考え合わせると掃除機なのではないかな、と僕なんかはおもいます。

ただうちにはかれこれ10年くらい掃除機がないので(その理由はこちら)、考察で得られた結論が掃除機というのはわれながらちょっと釈然としないものがありますけども、数式だって複雑になればなるほど予想外の結論を導くことがあるんだからそれは仕方ありません。

やっぱり洗濯機かなあ。


A. 掃除機です。




質問はいつでも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その402につづく!

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