2016年10月25日火曜日

黄色いパワーショベルが池で豪快に水浴びをした夜の話



みつめ合い

恋に落ちるふたり

あっ

あー!

別れ

とまあそんなわけで、通算12回目となるオントローロも恙無く、ここで恙無くというのはもちろんいろいろあったけど死人が出なくてよかったよね程度の意味合いですが、ともあれ万雷の拍手で幕を閉じました。その熱狂ぶりたるやすさまじく、端からパタパタとドミノ倒しのように失神者続出、逃げ出そうとした人も階段でパタパタと倒れていったばかりか、路上の通行人まで巻きこんでパタパタと続き、最終的には煙草でも吸おうとマッチに火をつけた人のすそをつかんでまた倒れ、手から落としたマッチの火がたまたま道に転がっていた打ち上げ筒に引火した結果、ドカンと派手な音を立てて打ち上げられた尺玉が夜空にアメイジングな大輪の花を咲かせたというのだから、これはやはり相当なことであったと言わねばなりますまい。


ようやくお目にかかれた初めましてのみなさま、去年以来ひさしぶりのみなさま、そして欠かさずおいでくださるみなさま、本当にありがとう!

回を重ねるごとに「どの曲をやった」ということがあまり大きなポイントではなくなりつつあるので(これはたぶんオントローロというパッケージの特徴のひとつです)、何をしたと部分的に取り上げづらくて歯がゆいのですけれども、いつもと違った何かをひとつ挙げるとするなら、今回は「脱落者/formerly known as the super brother」のオンビートバージョンがありました。少なくともパフォーマンスとしては今回もっとも正統のポエトリーリーディングであったと申せましょう。ビートに絡めることでグッと心にしみる、味わい深い一編になったとおもいます。長所とか才能はこういうところにこそ、惜しみなく120%注ぎ込みたい。


初めての方はただでさえ初めて目の当たりにするKBDGの風貌とかライブアクトがこんなんでホントすみません。


次回のオントローロは12月、さっきボスに確認したところ、11日(日)とまさかのクリスマス当日、25日(日)です。クリスマス自体はとくに興味がないのでどうだっていいようなものですが、そうなると毎年それを上書きするために強行している安田タイル工業の慰安旅行は一体どうなるのか、しかしどう考えても優先順位としてはオントローロのほうがはるかに上なのであまり深く考えないでおきましょう。

ぜひおいでませ!

2016年10月19日水曜日

ヨウスコウカワイルカ的なお知らせをひとつ


最後にそんなことがあったのはかれこれ何年前のことだったか、それともそんなことはかつて一度もなかったのか、当の僕がまったく記憶にないくらいなのでこう申し上げてもオオカミ少年並みに信じてもらえないかもしれませんが、11月はMother Terecoという素敵なエレクトロユニットのお二人にお呼ばれして、ちょっとしたライブセッションをしに横浜へ参ります。

セ……

セッションですって……!

うっ……

(いかにも告知らしい告知に目頭を押さえています)

(このブログは開設以来かれこれ10年、告知らしい告知のあったためしがないのです)


Mother Tereco – Electronic & Acoustic Session
2016年 11月19日(土)
@アートフォーラムあざみ野 1F レクチャールーム
開場 16:30 開演 17:00
前売券2,000円 当日券2,500円 →チケットはこちらから

出演:Mother Tereco
ゲスト: 小林大吾(スポークンワーズ) Dustin Wong(ギター)

主催:アートフォーラムあざみ野 TEL:045-910-5723
共催:横浜アーツフェスティバル実行委員会

→詳細はこちら


そもそもオントローロを除けばライブアクト自体が皆無に等しい、セッションとなるとさらに記憶にない、したがって下手をしなくともこれが最後である可能性は十二分にありうる、たいへん珍しい機会です。先だって絶滅したはずのヨウスコウカワイルカが長江で目撃されたニュースがありましたけれども、まさかあるとおもわなかったというインパクトではこれに匹敵すると申しても過言ではありますまい。誰が驚くって、今のところ僕が率先して驚いています。

僕の出番は全体からするとちょこっとですが、今もって僕らが何をしようとしているのかまったくイメージできていないくらいなので、思いもよらないような、もしくは目も当てられないような、結果としてMother Terecoのお二人に「台無しにしやがって!」と袋叩きにされるKBDGを目の当たりにできるかもしれません。その覚悟だけならすでにできています。

すくなくとも僕が今、心から楽しみにしていることのひとつです。ぜひおいでませ!

2016年10月14日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その255

安田タイル工業の思い出

ちょっとうっちゃっている間に人の気配がまったく感じられないブログになってしまったので、閑古鳥に餌をまきながら久しぶりの愛らしいさえずりに耳を傾けております。

おまえの母ちゃんデビッドソンさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がなんとなくつけています)


Q: 田舎住まいなので野生のサルに悩まされています。一匹ならばシャイニングウィザードでも喰らわせてやるのですが、なにせ奴ら数十匹の集団で行動しているので…なにかいい対処法はありませんでしょうか⁈ちなみに、サルを駆除して市役所に(耳を)持っていくと、一匹5万円もらえるらしいです。


なんならこちらも徒党を組んで一斉にシャイニングウィザードでいいんじゃないかとおもいますが、どうでしょうか。それにしても1匹5万円というのはなかなか聞き捨てならない額ですね。耳か……。

大好きなGang Starrの "Moment of Truth" という曲に "Every dog has its day." というラインがありますが、同じようにサルにはサルの日々があり、おそらく彼らなりの言い分というものがあります。僕らには厄介なことこの上ない害獣かもしれませんが、彼らからすると僕らこそ勝手に土地を占拠して元々いた連中を追い払う征服者みたいなものです。語弊を気にせずに言ってしまえば、イスラエルみたいなものですね。


しかし経緯はどうあれ現実にこういうものとして定着してしまっている以上、すべてをゼロにリセットして仕切り直すのは簡単なことではありません。現実的でもないでしょう。

もちろん人道や倫理をものともしない圧倒的な武力による殲滅も、ひとつの手です。100年もすれば残るのは記録と、どういうわけだかあまり活かされた試しのない教訓だけになります。世界の歴史とはおおむねそういうものです。

ただし、殲滅の場合は文字どおり、100%でなければなりません。1匹でも残せば水をかけようと踏みつけようと決して消えない憎悪の導火線に火をつけることになります。1匹や2匹とおもうかもしれませんが、コロンビアの対ゲリラ戦だってまさか50年以上もつづくとは当時誰ひとり想像もしていなかったはずです。

こうしたリスクを考え合わせると、やはり現実的なのは粘り強い地道な交渉だけであると言わねばなりません。幸いなことに、先に挙げたコロンビアはケーススタディとして格好の対象になるでしょう。なんとなれば政府と革命軍が和平交渉のテーブルにつき、半世紀もの時を経て少なくとも代表同士では包括的な合意にこぎつけた結果、現大統領がノーベル平和賞を受賞するまでに至ったからです。

サルに悩まされる地域で多数決をとったら「条件がいささかサルに有利すぎるのではないか」と言って否決される可能性もあります。しかし重要なのは対立する双方が交渉のテーブルにつくことです。すべてはそこから始まります。純粋に生物学的な理由から対話それ自体に多くの時間を費やすことになるとおもいますが、僕らも服を着てしっぽがないことを除けばほぼサルです。人智を尽くせば彼らとツーカーの関係を築くことも夢ではありません。

個人的にはサルの群れに政治参加を認めること、いたずらや農作物強奪なんかの罪を減免すること、市民権の保障といった提案には、未来に向けた共存共栄を考える上で大きな意義があるのではないかとおもいます。

サルとゲリラを一緒にするなとお怒りの向きもあるかもしれませんが、それはサルのセリフであると念のため申し添えておきましょう。

がんばってください。ノーベル平和賞はともかく、イグノーベル平和賞ならおそらく余裕で射程距離内です。


A. まず群れのボスを交渉のテーブルにつかせることです。




質問はいまも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その256につづく!

2016年10月2日日曜日

「オントローロ 10」予約受付のお知らせ

前回、「09」は連休の中日だからいつもより来やすいにちがいないと胸を張ってお知らせしたのですけれども、つらつら考えたらいつもより来やすいということはいつもより早くから予定が埋まりやすいということであり、ひいてはいつもより早くお知らせしなければ却っていつもより来づらいのであって、ひょっとして結局のところ何ひとつアドバンテージなどなかったのではないか、というかそもそも3ヶ月くらい前から余裕をもって告知をはじめるのがふつうなんであってひと月前にいきなりドタバタするほうがおかしい、ちょっとはみんなのきもちを考えたらどうなんだ、下手をしたらむしろいつもどおり来づらい「10」のほうが相対的に来やすいことになるじゃないか、変だなあ、とまあそんなわけでいつもどおりの来づらさに安心して舌打ちいただけるオントローロ、「10」のお知らせです。


オントローロ 09&10 @渋谷 Flying Books
09:2016/10/09(日)
10:2016/10/23(日)
open: 19:00 start: 19:30
fee: ¥2,500(1ドリンク付) 各40名

12:00になるとお申し込みが可能になります。

※今回は「10」のご予約です。「09」はこちら

※「09」と「10」の内容は100パーセント同じです。できればどちらか1日をお選びくださいませ。

※仮に完売となっても、何らかの事情で撤回される場合があります(というか毎回かならずひとつふたつ空きが出ます)。その際はおそらくPassMarketの表示が「チケットを申し込む」に戻りますので、ときどきチェックしてみてください。



オントローロとは、アルバムからの楽曲がハンバーグだとすればそこに付け添えのグラッセやしおしおのサラダ、固いパン、白湯みたいなスープにデザートっぽい何かとドリンクも強制的についてきて完食するまで帰れない、トゥーマッチなサービスが売りのささやかな独演会です。

毎回1/3くらいが初めましての方なので、二の足をお踏みの方もどうか気楽においでませ!