御苑からタイガー出てきた
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言葉じたいが持つリズムやそれを声に乗せるリーディングのおもしろさ、ひいては詩というフォーマットの可能性を押し広げてくれる人がどこかにいるにちがいない、と10年以上ひとりで大海原にぷかぷか浮きながら待ってはみたもののそんな受け身の姿勢に出会いなどあろうはずもなく、気づいたら取り返しがつかないほど遠くに流されてしまったような印象もあるので、ここはひとつ自ら漕いでどこか陸地に辿り着かねばなるまいと腹をくくって重たすぎる腰を上げたのがつまりオントローロなわけですけれども、きもち的にはいつにも増してウェルカムでカモンジョイナスなはずが席数の制限によってこれ以上のアピールが憚られるようなことになってしまい、アレこれ広めるどころかむしろますます排他的な印象が強まってるんじゃないの……?
「何を言うんだ漕ぎ出す前から弱気でどうする」
「でも先輩、わたし不安で……」
「これからじゃないかしっかりしろ」
「もしひとりぼっちのままどこにも辿り着かなかったらとおもうと……」
「きっと辿り着くさ、じぶんを信じるんだ」
「怖いイメージが消えないんです」
「怖いイメージってどんな」
「2001年宇宙の旅とか……」
「宇宙空間に放り出されたフランクのことだな」
「ゼロ・グラビティとか……」
「宇宙空間に放り出されたマットのことだな」
「ジョジョの第2部とか……」
「宇宙空間に放り出されたカーズの……ぜんぶ同じじゃないか」
「怖いんです」
「そんなことばかり考えてたら怖くもなるよ」
「どうしたらいいのかもうわからなくて……」
「泣くな」
「ニヤリ」
「笑うな」
「じゃあどうしたら……」
「カーズは考えるのをやめたらしいぞ」
「それができれば悩んだりしないですよ」
「うん、まあ、そうだな」
という不毛な小芝居を脳内でエンドレスに演じるのもさすがに疲れてきたので、遠からず開かれる予定の「01」以降のオントローロをたのしみにしていただくためにも改めてそのポイントを記しておきましょう。
今のところオントローロ限定の演目があることは先にも申し上げましたけれども、それとは別に「処方箋」の立役者タケウチカズタケによるリミックスが3曲あります。どれもびっくりするくらい雰囲気が異なるので、イメージががらっと変わること請け合いです。これらを一度にすべてではなく、毎回ひとつずつ披露していくことになりましょう。そしてそうなるとやはりいずれは御大にドカンとご登場願わなくてはなるまいし、そうなったらあんな曲やこんな曲もご一緒できたりしてワァたいへん!
…になったりしたらいいなあ……
(遠い目)
(そして他力本願)
他にも皿回しや瓦割り、マグロの解体、人体消失マジック、ちゃんちゃんばらばらと華麗な殺陣、キャットファイト、素潜り、空中ブランコ、エクストリームハンモック、あやとり、スパルタンレース、早食い、ダイナマイトによる発破、流鏑馬、ダウジング、枝毛探し、屈伸、ベーゴマ、インサイダー取引、壁ドン、エネループの充電、(๑•̆૩•̆)、おちゃらかほい、アルカンの「鉄道」、なんかはまあ、あったらおもしろいけど関係ないのでひとまず忘れて脇に避けつつ、ビートにきちっとハメこんできた言葉からビートを取っ払うとどんなリズムが残るのかといった、およそ他では味わえない言葉のたのしみ満載で回を重ねるごとにたのしくなっていくはずなので、「そんなのクソだ」とか身もふたもないことを仰らず、どうか「01」以降もよろしくお付き合いくださいませ。
あと、いっぱい刷ったのでこれも毎回ついでに販売します。
ミニポスター(ナンバー入)。
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