2015年2月26日木曜日

霊験あらたかな「TRINCH」という一語について


フランス史上最も偉大にして頭のねじが1本どころかダース単位ではずれているド級の顕学、もしくは他に類を見ないほど洗練された変態であるフランソワ・ラブレーの大著「パンタグリュエル物語」は一言で要約するとバーリ・トゥードな航海記です。あっちへ行ったりこっちへ行ったりして一向に埒があかず、長いというより冗長な、とにかく非効率にもほどがある旅路の果てにようやく最終目的地に辿り着くのだけれど、そこで主人公であるパンタグリュエル一行はさる偉大な存在から長らく求めていた待望の御託宣を得ることになります。

それが「TRINCH(トリンク)」という一語です。正確にはこれがどこの言語で何を意味するのかはっきりしないものの、少なくともその場にいた人々はそんなふうに聞こえたし、知識と経験ととりわけ状況に鑑みてこれはおそらく「お呑みあれ」、ざっくり換言すれば「まあ呑め」との仰せに相違あるまい、ということで旅はろくすっぽ得るものもないまま大団円を迎えます。

さんざんどうでもいいことに時間を費やしまくってやっと手にした神託がそれかよ!とおもわず声を出さずにはおれないこの見事な尻切れ(幕切れではない)が大好きで、いつか何かに使いたい、何ならアルバムタイトルでもいい、しかしアルバムタイトルだとカッコよさげに響くばかりでこのハンパないNo Way感がまるで活かせない、なんかないかな、ブランドみたいに使えたらいいんだけどな、ブランドな、ロゴとかな、うむロゴか、お神酒徳利みたいのがいいよな、と出がらしの茶をすすりながらすらすら殴り描きしたメモからロゴを起こしてみたところ

下戸なのに「お吞みあれ」とはこれ如何に

お茶をのんでぼんやりしている間にロゴができてしまったので、できたとなったら使わずにうっちゃっておくわけにもいきません。

そんなわけで霊験灼かなこの一語がこういう形になりました。

TRINCH


すこしずつ増殖していくはずなので、よかったらときどきのぞいてズッキュン(という名の「いいね!」的なアレ)してやってください。これまでにこつこつと積み上げてきたささやかな世界の拡張をまたちがった形でお楽しみいただけますように!そして早くもご注文くださったみなさまにはプールいっぱいのゼリーみたいに大きくてぷるぷるした愛を!

注:お忘れかもしれませんが、小林大吾は詩を書き、ビートを組み、そこにのせて読み、グラフィックをこしらえ、それらをぜんぶひっくるめた結果アルバムを4枚もリリースしている詩人の一種です。


3 件のコメント:

  1. イカしたTシャツの発売を熱望致します。

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  2. 山田うどん粉2015年2月26日 1:20

    去年の秋頃にTシャツのリクエストした者です。出るかもしれないし意に沿わないかも知れないという曖昧だった答えがついに出た訳ですね!上の方と同じようにTシャツも待ってます(ブラウン系があると嬉しいとさり気無く要望を…)

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  3. > 匿名さん

    Tシャツ、できました。
    イカしてるといいのですけど。


    > 山田うどん粉さん

    お待たせして申し訳ありません。
    いろいろとおもうところはあるのですが
    いずれにしても機は熟しました。
    お気に召しますように!

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