2013年9月7日土曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その174、とスキタマ文のこと


何か気の利いたことを言っているようで、そのじつ何も言っていない文章というものがあります。いえ、このブログのことではありません。たしかにどちらかといえば好んでそういう方向にもっていく傾向があるにはありますが、ここで言う意味とは別です。断じてちがいます。いや、同じなのか?こっちがひとりでそう合点しているだけか?「オレはあいつらとはちがう!」と根拠なくうそぶいているだけなのか?あるいはそうかもしれません。そうかもしれませんが、今日はその話ではないのです。しかし捨て置くことあたわぬ懸案事項であることは否めないので、その問題についてはまたの機会にじっくりと腰を据えて和やかに談笑しつつときどきおしりをさわったりひっぱたかれたりして最終的には「わたし酔っちゃったみたい……」という流れで徹底的に議論しましょう。僕は下戸なので酔いませんが、酔いつぶれた態で一夜のあやまちに身をゆだねることにはもちろんやぶさかではありません。

話を戻すと、たとえば「○○好きにはたまらない」という一文です。猫好きにはたまらないとか、小物好きにはたまらないとか、月代好きにはたまらないとか、水玉好きにはたまらないとか、ジョン・ウォーターズ好きにはたまらないとか、かゆみ止めパッチ好きにはたまらないとか、アブダクション好きにはたまらないとか、段違い平行棒好きにはたまらないとか、女性のうなじでそよそよとそよぐか細い和毛(にこげ)好きにはたまらないとか、年をとって膝を曲げるとぱきぽき鳴るあの音が好きな向きにはたまらないとか、そういうことです。

煎じ詰めるとこの言い回し、「好きな人は超好き」ってことなんですよね。当たり前じゃねえか。

おまけにこれは「誰も否定できない状態で仮定と結論がセットになっている」ため、貴賎善悪大小正誤を問わず、考えうるおよそすべての集合について使える万能性を備えています。言ってみればその対象がたとえ一人しかいなかったとしてもまったく問題なく通用するのです。何がいけすかないといって、この手軽な百発百中感ほどいけすかないことはない。

誤解のなきように念のためおことわりしておくと、この「スキタマ文」を使う人がいけすかない、と言っているわけではもちろんありません。そうではなくて、このお為ごかしな定型句自体が、クリームパイを全力で投げつけてやりたいほど気に入らないのです。この世から消しゴムでごしごし消し去りたい何かがあるとすれば、僕の場合はこのスキタマ文を真っ先に挙げます。

たぶん「泳ぐ人は濡れます」って言われてるようでしゃくに障るんだとおもう。だってそんなの、「えーと、そりゃまあ、そうだろうと僕もおもうよね」と受ける以外にないじゃないか?




ポイするフォーチュンクッキーさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q. 干支に追加したい13匹目の動物は何ですか??私はキリンです。


A. (ぬえ)ですかねえ。


もう1匹くらい想像上の生物がいてもよさそうにおもいます。あ、麒麟もいいですね。

現実的なところを挙げるなら…そうだなあ、じゃあ雨蛙にしようかな。雨上がりにつかまえて、指の腹にのせたときのちんまりした愛らしさと言ったら言葉になりません。あとゲムズボックなんかだとカッコよくてちょっと自慢できそうです。べつに本人がカッコいいわけではないですが。あの造形美がすき。でもゲムズボック年じゃしまらないな。やっぱり雨蛙にします。あんなに繊細な生き物はそうそうないです。

そういえば何年か前(10年…はたってないよね?)、12星座にむりやり割り込んだ13番目の星座があったような気がするんだけど、あれはどうなったんだろう?それとも僕が知らないだけで、いまはふつうに13星座として認識されてたりする?というか、そもそもどうして誕生日に星座が割り振られてるんだ?




質問はいまも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その175につづく!


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