2013年3月25日月曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その137


雲の切れ目から差す光のことを俗に何と呼ぶのだったか、忘れたミス・スパンコールが必死に思い出そうとしていたのです。正解は「天使の梯子」なんだけど、最終的に彼女がひねり出した答えは語感にしてもビジュアルにしても当たらずとも遠からずだったので、ちがうと言い切れませんでした。

「天使の…天使の…あ、天使のおしっこ?


だとすると勢いよくほとばしりすぎてる点については目をつぶりたい。



災い転じてプクッとなるさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)何かがふくらんだことまではわかりますが、それが何かは不明のままです。


Q: 12月22日には何をしていましたか?


いちおう付け加えておくと、これは2012年のことです。ハテ、何の日だったかしら、非生産的にしてきわめて怠惰なる僕の日々からするとそれがたとえ世界の終わりだろうと特に何もしていなかったにちがいないとおもいますが、そこまで考えてポンと膝をうちました。マヤ暦が世界の終焉を予言しているという噂から地球規模でざわめいた、あの日のことですね。あるいはたしかに終わったんだけど間髪入れずにすぐまた始まったから終わったことに誰も気づかなかった日のことです。だとすればえーと、やっぱり特に何もしてませんでした。土曜日だから卵の特売日でもないし、レコードでも見に行ってたんじゃないかとおもいます。

メールとかツイッターとかその日にあったことを思い出せそうな材料もとくに見当たらず、そうだ、ブログだ!とおもったらちょうどふた月くらい放置していた時期だったので案の定なんの助けにもなりません。放置にりっぱな理由があったならまだしも、僕のことだからまず理由なんてないだろうし、こうなると完全にお手上げです。もうすこし生きていることの痕跡というかアリバイみたいなものをのこすように心がけておかないと、あらぬ容疑をかけられて逮捕されたときに「状況からみてお前しかいない」とか言われそうで心配になります。身に覚えがなくても「じゃあもういいよ、それで!」と逆ギレ気味に自白しそうです。泥まみれの人生に今さらちょっとくらい泥を塗り足されたってあんまり変わらないしなとおもう。

ただ僕、このマヤ暦騒動についてじつは当日になるまでほとんど知らなかったんですよね。みんなどうして当たり前のように知ってたんだろう?ぶじすこやかな朝を迎えてから「滅亡まであと数時間です」といきなりアナウンスされてもリアクションに困ります。備えるにしたってこの時点からじゃとても間に合う気がしないし、遺書とか身辺整理も全地球規模の災害ならあんまり意味がありません。叩き壊しておくべきものがあるとすればハードディスクだけど、滅亡ならそんな心配も無用です。となるとあと他にできることって何かあるだろうか?うーんそうだな、今朝もゴハンはおいしかったし、洗濯も済んだし、あとはえーと、じゃレコード屋でも見てくるか、という結論にそりゃどうしたってなるじゃありませんか。

実際のところ人類の滅亡は十数年前にも1回あったから、ときおりやってくる大寒波みたいにこの先もたぶん何度かあるでしょう。滅ぶなら滅ぶでしかたないけど、できれば卵の特売日と重ならないでもらえるとうれしいです。


おまけ:明日に滅亡を控えていたとはとてもおもえないピンカートン先生の長閑なツイート




A: レコードでも見に行ってたんじゃないかとおもいます。




質問はいまも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その138につづく!


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