2013年3月19日火曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その135、またはアフリカ大陸の端っこで焼かれたパンについて


訪れた国の数が今も数ヶ月ごとに増えつづけている(!)タフな伯母から「モロッコのみやげがあるから来い」という電話をもらったのです。彼女の話はいつも単刀直入で「来るのか?来ないのか?どっちだ」と銃をこめかみに突きつけられているようなきもちになるんだけど、それはまあどうでもよろしい。

毎回そんなことを考えながら旅をするのはごめんだ、と本人もはっきり言っているくらいだし、彼女が土産を持ち帰ることはそんなに多くありません。何しろサンダルでコンビニに行くようなフットワークで気軽に海を渡る人です。ぶらぶらと異国の町を歩きながら、渡せばよろこぶ相手の顔が思い浮かんだときだけ何かちょっとしたものを手にして帰ってきます。そういう気負いのないスタンスのほうが型通りの記念品よりよほど驚きに満ちていて僕としてもたのしみなんだけど

それにしてもまさか市場(スーク)で買ったパンをほとんどむき出しのままどさっと手渡されるとは思いもよらなんだ。



ピタとかチャパティみたいにその日に食べるぶんだけ焼くタイプの、しかもこんなに大きなパンをよくまあアフリカ大陸の端っこから持ち帰る気になりましたな!と半ば呆れながら言ったら「荷物が大きくなってタイヘンだったよ、まったく。あんたのために」とテクニカルな切り返しで矛先をこっちに向けるのです。僕にそんなことを言われても困る。

そんなこんなで恭しく頂戴してきたはいいものの、焼いてからすくなくとも3日はたってるし、正直あまり期待はできません。今から冷凍するくらいなら食べきってしまうほうがよかろうと判断してその晩かるく炙って食べてみたら豈図らんや

皮がぱりぱりしてすんげえうまいの。

モロッコのパンなんて口にする機会もそうそうないし、経験したことのない食感と香りで美味ならそれはもう、ちょっとしたものです。大きすぎるかとおもったけど、思いのほか軽くてむしろこれだけじゃ足りないくらいでした。すごいぞ姉ちゃん!

(うちの一族はみな彼女のことを親しみをこめて「姉ちゃん」と呼ぶのです)

(もう古稀ですけど)




イエスタデイ・ワンス・ジャイアントモアさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)絶滅した大型鳥類に思いを馳せる往年のヒットソングですね。


Q: 眠れない夜にカウントされた羊たちはどこにいくのでしょうか。


じつはいくつか新しくこしらえた曲のひとつでこれに近いようなことを詩に書いています(さりげない現状報告)。これがアルバムに収録されるのか、というかそもそもアルバムとして形になるのかは神のみぞ、あるいはプロデューサーである古川耕のみぞ知るところです。形にならなかったら、そうですね、そのときはえーと、根こそぎ忘れてください。


A: どこにもいかず、ただ増えるがまま、足をトントン踏み鳴らしたり、花札をしたりしています。




質問はいまも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その136につづく!

2 件のコメント:

  1. モアについて思いを馳せてみましたが、いかんせん「三つ目がとおる」での知識しかないので、かなり偏ったかんじになりました。

    羊は…、そうですか、どこにもいかず増え続けているのですね。その内マルコヴィッチの穴のジャケみたいになりそうですね。
    …眠れなそう!

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  2. > 匿名さん

    三つ目がとおる…だいたいそんなかんじじゃないですか?
    僕もエミューとモアがごっちゃになってます。

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