たてがみがしっとりしたライオンさんからの質問です。(ペンネームはミス・スパンコールがてきとうにつけています)
Q: はやおきが、にがてです。どうしたらできるようになりますか?
この質問は以前にもお答えしていますね。しかしこれは、この問題がいかに多くの人を悩ませてきたか、ということの証でもありましょう。通りすぎたはずの過去が亡霊のように甦るというのなら、そのたびに立ち向かわなくてはいけません。何となれば向き合う回数を重ねるうちに、思いもよらない解決法が発見されて、ちょっとした論文になり、研究者たちに衝撃を与え、ワールドワイドに発信されたのち、歴史的発見として新聞の大見出しを独占、Yahooニュースにも見出しがおどり、Twitterでまたたく間に拡散され、テレビは連日その話題で持ちきり、映画化権をめぐって争奪戦がいよいよ激化し、満を持して公開された映画「二度寝の消滅」の興行収入は異例のスピードで100億を突破、またそのタイトルは流行語ともなり、雨後の筍のごとく出版される関連書籍も片っ端からベストセラー入り、世界のあり方を根底からくつがえしたとして、やがてはこのブログがノーベル早起き賞を受賞する日がいずれ来ないともかぎらないのです。
来ないけども。
そのへんの皮算用はともかく、以前とおなじ答えをくりかえしてもしかたがありません。また実際のところ、これ以上はないとおもわれるほど革命的かつ決定的な答えが今ここにあることを隠すわけにはまいりますまい。以前には気がつかなかった、その答えとはこれだ!
A: ずっと起きてればよいのです。
よろしい…痛い!缶を投げてはいけない。言いたいことはよく…痛い!石を投げてはいけない。言いたいことはよくわかります。迫害はよくない。投げるならパンツくらいのフワッとしたものに限定していただきたい。
言いたいことはよくわかります。僕だって眠りを奪おうとする者があれば相手がたとえリュパンだろうと容赦はしません。しかしこの際だからもうちょっとじっくり向き合ってみましょう。
就寝が早まれば早まるほど起きる時間が前倒しになるということはわかりきっているのだから、早起きしたい、ということはつまり、早く寝たい、ということでもあります。「起きたい」と「寝たい」が同時に持ち上がるのはどうも平仄が合わない気がするけれど、この点にはとりあえず立ち入りますまい。
早く寝ることができれば、早起きの確率は飛躍的に高まる…それはたしかです。個人的なことを言うと早寝の如何にかかわらず時間のゆるすかぎり眠ることに決まっているからそこに因果関係を認めるのは困難ですが、これは例外としておきましょう。とにかく早く寝たらよろしい。これはおそらく万人の認めるところです。
しかしそばにはいつもテレビがあって、ネットがあって、スマホがあって、DVDがあって、マンガがあって、ことによるとお菓子もあったりするのです。これらに抵抗できる堅物が世界にどれだけいるというのでしょう?娯楽で済めば良いけれど、たいてい堕落に成り果てます。ひとり暮らしならなおさらです。真夜中ほどたのしい自由はない。早く寝たいとおもっているのに、これではどうにも困ります。ではどうすれば早く寝ることができるのか?
娯堕楽の自由を決して侵すことなく、それでもなお早く寝るやりかたを求めるとすれば、やはり割り当てられたすべての時間を前倒しにするほかありません。つまり…
A: 早起きをすればよいのです。
「早起きをするにはどうしたら良いか」という質問からめぐりめぐって辿り着いた答えが「早起きをすれば良い」とは、まるで狐につままれたかのようです。何が起きたのか僕にも全然わからない。
痛い!缶を投げてはいけない。投げるならパンツくらいのフワッとした…
質問はいまも24時間受け付けています。
dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)
その100につづく!
とうとう100回だ!
僕のパンツでもいいですか?
返信削除「ずっと起きてればいい」というのは盲点でした。
ひとつのものごとをこちら側から見るか、あちら側から見るか。
この大好きなフレーズをおもいだしました。
僕は早起きしなくてはいけない日は、寝づらい場所で寝ます。ソファーとか。床とか。
返信削除> s8さん
返信削除もちろんです。パンツに貴賤はありません。でも男物ってあんまりフワッて感じじゃないですよね。
> 赤舌さん
それ、「ずっと起きている」のとそんなに変わらなくないですか?
ちなみに僕の辞書に「寝づらい場所」はありません。いつでもどこでも、たっぷり熟睡です。