2012年1月27日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その97


ずわい蟹さんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q: (1月24日に入籍するのですが)夫婦円満の秘訣を知っている限り伝授してください!


やァそれはそれは!数日遅れてしまったけれど、おめでとうございます。

永遠とも言うべき命題のひとつですね。

円満というのは片方だけがそう思っている場合も往々にしてあるので(あるんです)、僕もあまり迂闊なことは言えませんが、少なくともその秘訣がおふくろの味と同じように家庭の数だけあるとだけはひとまず言うことができましょう。

「こうすべき」とか「これはNG」とか言うのは簡単です。でも僕はそれによって「円満になりましたー(パッパラ~)」と成功のファンファーレが鳴った例を寡聞にして知りません。仮にあったとしてもずいぶんシンプルな話だなオイとおもうし、大抵の場合は「ウチもそうできたらいいけれど」と肩をすくめることになります。建設的なアドバイスに見えてその実うまくいった部分だけつまんだ話なのだから、そりゃどうしたってうらやましさが募るばかりです。秘訣とは結局のところよその成功例にすぎないし、聞けば聞くほど比べることが増えてうなだれるのは目に見えています。耳を貸さなくてよろしい。

恋は盲目かもしれませんが、その先は否が応でも目をこじ開けられることになります。それまでが盲目であればあるほど、目を開いたときの衝撃は計り知れません。すべてはそこで目にしたものをどう受け止めるかにかかっていると言っても良いでしょう。孫悟空だとおもって目を開けたら猿蟹合戦のサルだった、というような事態にはたして目を背けずにいられるだろうか?と書いたそばから思わず考えこまずにはいられないし、おまけにそれは自分ひとりの問題ではありません…やれやれ!めおとってたいへんだなあ!

というようなことを延々と並べ立てても始まらないので、個人的におもうところをいくつか挙げてみましょう。必ずしもそれでうまくいっているという意味ではなく、なるべくそう心がけているというだけのことです。まちがっても当てにしてはいけません。


1. 相手の弱点をお互いにカバーし合うこと。
2. 外で愚痴る前に必ずふたりで話を尽くすこと。
3. 円満でありたいといつも願いつづけること。
4. ときどき茶碗蒸しをつくること。


1から3は、主語が「I」ではなくて「We」です。僕ひとりがそう考えていてもどうにもならないので、実際どうにもなっていない可能性があります。それでもなお「We」にするのは、そう肝に銘じておかないと大体ぜんぶが水掛け論になってしまうからです。

4 はべつにハンバーグでも筑前煮でもイモリの黒焼きでもかまいませんが、要はここぞというときの最終兵器として相手の好物をこしらえる、という意味です。経験上断言しても良いけれど、心をこめてつくる一品くらい破壊力の大きなものは他にないし、おいしいというきもちは、(こう言って良ければ)他のすべてを台無しにしてくれます。「まあいいや、いろいろ」とおもえてくればしめたものです。じぶんにとっても。相手にとっても。

しかしまあ、参考にはなりますまい。じっさいにこれを履行できているのか、僕も書いていて冷や汗が出てきます。どこまでいっても、ふたりの布はふたりで紡いでいくしかないのです。

あとはこの鳥を飼うことでしょうね。



それはともかく、こうして奇しくも結ばれることになったふたりが世界にたった一つしかない組み合わせであることに変わりはありません。難題ばかりでうんざりすることもあるかもしれないですが、落としどころはきっとあります。どうか大事にしてあげてください。

ホントにおめでとう。末永くしあわせでありますように!



 A: 円満でいられる相手を選ぶことです(考え直した)




質問はいまも24時間受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その98につづく!

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