2010年3月24日水曜日

こちらがイラストレーターの小林大吾さんです



業務連絡:2回目のリリパについては金曜日にお知らせできそうです。果たして席は埋まるのか…。


 *


ところでそれとは全然関係のない話なんだけれど


さかのぼることひと月前…。今なお休むことなくつづいている(!)特装版作業がもっとも苛烈をきわめていた時期にもかかわらず、唐突に申し出のあった仕事をうっかり安請け合いしてしまい、半分ゾンビみたいになっていたころの話です。(峠をこえたとはいえ、今もまだところどころ腐臭が漂っているかんじなのですが)


(ここからは音声のみでおたのしみください)


「…それで、写真と組み合わせたイラストをおねがいしたくて」
「はあ、なるほど」
「ポーズに関して要望とかありますか?」
「ポーズ?いえ、べつにいただける写真で何とか」
「わかりました」
「カラーですか?」
「あ、2色です」
「なるほど…」
「ラフっていつごろいただけそうですか?」
「イメージでいいんですよね」
「そうですね、そんなので全然」
「じゃとりあえず思いつくままってかんじで送ります」
「よろしくおねがいします」


翌日

リンリン

ガチャ

「ラフ、ありがとうございました」
「いえ、ホント落書きですみません」
「十分です!それでですね」
「はい」
「スタジオって来れそうですか?」
「スタジオですか…え?スタジオ?」
「スタジオです」
「いつですか?」
「水曜の夜です」
「わ、わかりました。参ります」
「お待ちしてますー」


数日後

プルルル

ガチャ

「もしもし」
「あ、ダイゴです。いま着きました」
「あ、じゃロック解除しますね」
「おねがいしますー」

カチャン

「あ、ダイゴさん」
「おせわさまです」
「こちらこそよろしくおねがいします」
「僕、これ見学ってかんじでいいんですよね」
「そうですね、あ、でも」
「?」
「ダイゴさんラフ書いてくれてますし」
「はあ」
「直接ご指示いただくって感じで」
「(アゴがはずれるほど驚いて絶句)」
「そのほうがいいですよね、たぶん」
「勘弁してくださいよ!」
「意図とか説明していただいたほうが」
「あのラフでテキトーに書いたポーズの指示ですか」
「いいとおもいますよ、すごく」
「(絶句)」


十分後


「で、こちらがイラストレーターの小林大吾さんです
「よろしくおねがいします」
「こちらこそよろしくおねがいします」


撮影中


「あ、じゃあカサを持って見上げるようなかんじでおねがいします」

パシャパシャパシャ

「最高です!ブリリアント!バッチリすぎて困ります!」

パシャパシャパシャ


 *


という成り行きの結果、こうなりました。


だれもおぼえちゃいないかもしれませんがあのとき、僕は寝てもさめてもこのことばかり考えていたのです。超人気タレントのうつくしい写真を二色分解しながらアルファチャンネルで色調補正をくりかえし、髪とヒゲをもしゃもしゃにして「これくらいかな…」とかそういうDTP作業を延々とやっていたのです。詩人はどこに行ったんだ?


さすがに気が引けるから割愛するけれど、他にぜんぶで7カット、そのうち1ページまるまる使われたイラストが表紙を入れて4カットあります。そしてそのすべてに異なる彼女の姿が!ページまるごとってレイアウトが大胆すぎて冷や汗かくよ!

するどい人にはご推察のとおり、僕にとっては縁の深い例のお仕事、ただしこれは単行本のほうです。よかったら手に取ってみてね。きょう発売。(と聞いてじぶんで買ってきました)


それにしてもまさかじぶんの描いたイメージどおりのポーズをとってもらえるとは夢にも思っていなかったので、撮影中「我が生涯に一片の悔いなし」と何度も拳を突き上げそうになりました。眼福どころの騒ぎじゃないし、冥土の土産はもうこれでいいやという気がする。

できることなら全カット見せたい。もう、超可愛いんだから!

3 件のコメント:

  1. こちらのベッキーさんだったのですね!

    明日早速本屋に走ります!

    詩人の小林大吾さんのリリパも楽しみにしています。(遠方から行ける日程でありますように…)

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  2. わお!楽しそうなお仕事!
    (それはもう腐敗臭を漂わせてしまうくらい)
    他のカットも気になります・・・見に行こうっと。
    デザインを学んでいる身としては(OLしながら)、
    大吾さんのアートワークの手法はいろいろと勉強になります。
    気付き、というか・・・ハッとするかんじ。
    特捜版も楽しみ楽しみ♪

    あ、昨日やっとこさ入金しました!リリパ!!
    夫婦で行きますー♪

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  3. > うえはらさん
    ブックマークナゴヤ、はじまりましたね。あれからもう1年たったとは…。打ち合わせの帰りにみたあの、4車線分くらいの幅がある超巨大な重機が忘れられません。お会いできればうれしいですが、できればムリはしないでください。どうもありがとう。

    > アサノカナコさん
    ぶじ予約できたんですね。よかった!いつもありがとう。

    ちなみに僕のデザインにハッとすることがあるとすれば、それは僕が基本を学ばずにしょっちゅう定石を無視しているからです。「ありえない」と前はよく言われました。すみません、というほかないです。

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