2008年3月21日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その35


ではずいぶんとひさしぶりの質問箱ですが、再開しましょう。コロンブスの卵かけごはんさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)鶏卵をテーブルに立ててみんなをびっくりさせたあとは、ごはんにかけて食べるのがよろしい。



Q: 「団結した刑務所から犯罪撲滅キャンペーン」ってどんなキャンペーンだったんですか?



あるコミュニティにおける、いちばん手っ取り早い平和への近道が共通の敵をつくることである以上、利害が完全に一致した彼らの団結力は計り知れないものがあります。何しろ自分たちの快適な暮らしが脅かされているわけですから、その危機感たるや相当なものです。全囚人が奇跡的に意見の一致をみたとき、ペリカン内は過去最高のボルテージに達したことでしょう。こうなると彼らの勢いを止めるのはたとえDIOのザ・ワールドと言えども不可能です。しかしまあ、何が何でも既得権益を死守しようとする役人連中と基本的に考えかたはまったく同じなので、とくべつ不思議なことではありません。僕だってとなりの家に生る枇杷をこっそりとって食べる5月のささやかな権利を失ったら、ほっかむりのうえ高枝切りばさみを駆使するなりして強硬手段にうったえることは大いにありうる。

それはともかく、犯罪を撲滅する上で、脅迫ともとれるアピールだけは絶対に避けたいというのが彼らの最初に掲げたモットーでした。大事なのは説得力と大衆を惹きつける意外性であり、そのためには勝手知ったる脅しの手口よりも、不器用ながらも一所懸命にとりくむ姿を見せたほうが得策であろうと判断したのですね。聞いたところでは、映画の本編前に流れる海賊版撲滅キャンペーンCMの存在も、その判断に少なからず寄与するものがあったようです。海賊版の撲滅より先に不快感で観客を減らしてしまっては元も子もないのだ。

発信地が監獄だからこそ心に響く、真摯にしてストレートなメッセージはもちろんのこと、やるからには世界中の視線を釘付けにしたい。高い経験値に裏打ちされた含蓄としなやかなユーモアに富み、かつ心の底から楽しめる娯楽性を兼ね備えた、革新的なキャンペーンでありたい。そうしてさんざん考えたあげく、彼らが辿り着いた結論がこれです。



A: ミュージカル「僕のお父さん」



内容はご想像におまかせしますが、涙なしには観られません。



参考資料は、国土交通省の道路特定財源ミュージカル「みちぶしん」です。しかし現実のほうがおもしろすぎて勝てる気がしないな。


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コロンブスの卵かけごはんさんが選んでくれた1曲は、「話咲く種をまく男」です。どうもありがとう!

ボート 8
蝸牛 7
バミューダ 6
話咲く 6
紙屑 3
ユリイカ 3
アンジェリカ 2
腐草為蛍 2



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dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)



その36につづく!

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