2025年5月2日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その450


はじまりはいつも亀さんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q. もしも大吾さんが神様のミスで異世界転生したとしたら、どんな能力が欲しいですか?


これまた夢のあるトピックです。

考えてみればバトル系漫画のキャラクターが身につける「能力」はほんと、多様化しましたよね。必殺技(例外的に超能力)しかなかった時代をおもうと、しみじみ隔世の感があります。

個人的には、必ずしも戦闘に特化している能力ではないけれども使い方次第で有用になるという考え方がジョジョの第三部、さらに能力の発現に条件と制約が伴うという考え方が幽⭐︎遊⭐︎白書で加わったことで、技から能力への移行が完了した印象です。

ただこれはあくまで個別の作品世界の話です。悪魔の実を食べるなら、とか斬魄刀を持つなら、といった作品世界を前提に考えることはできても、能力全般で括ることはできません。

異能そのものを一般化したのがつまり、「異世界への転生」という革新的なフォーマットだったわけですね。このフォーマットにおいてはむしろ陳腐化した能力をどう活かすかが重要なので、作品世界にしかない独創的な能力は必要ありません。なんならファミレス化とも言えそうな気がする。


僕もかつては「肉を計ることなく手の感覚だけで100gずつ小分けにする」能力(能力名:目を閉じる肉屋デリカテッセン)を身につけていて、正直これはめちゃめちゃ有用だったんだけど、ふつうに秤を使うようになったら失われてしまいました。

転生するのが秤のない世界だったらちょっといいかなと思いつつ、秤のない世界は肉を100gずつ小分けにする機会もなさそうな気がするので、たぶん甲斐がありません。この能力で無双できる世界があるならちょっと行ってみたい。

空間移動とか時間移動みたいな、フィクションではオーソドックスな能力もそそられるけど、正直いま僕がいちばんほしい能力は視認したゴキブリを瞬時に転移する能力です。

実際のところ1匹や2匹、対処できないほどではないし、部屋で見かけたら見かけたでどうにかすることは普通にできるんだけど、21世紀の今になってもまだ一撃必殺でないことに多大なストレスを感じます。なんといってもあの素早さと、忙しなく動く触覚と異常な生命力がイヤです。せめてカブトムシくらいのんびりしてくれていればそれだけでだいぶ印象が違うのに、といつも思います。

問題は転生先の異世界でもその能力が役立つのか、というかそもそもゴキブリが存在するのか、という点ですが、1億年以上前からいるあいつらのふてぶてしさを考えればどの世界であってもたぶん普通にいるでしょう。

一方でうっかりめちゃめちゃ役立ってしまった場合、ゴキブリが出現するたびに呼び出されてしまう可能性もあります。見たくないからこそ助かる能力のはずが、場合によっては能力がなかったときよりもゴキブリと対峙する機会が増えるという、究極のジレンマです。

なので対象を特定せずにすこし条件を変えて、心の底から忌避感を抱く、半径3センチ以内の視認対象を瞬時に他所へと転移する能力にしましょう。

「半径3センチ」は制約として妥当な気がするし、しかもひょっとするとこれなら異能バトルに巻き込まれてもうまく活かすやり方があるかもしれません。

基本的にはゴキブリのためですけど。


A. 心の底から忌避感を抱く、半径3センチ以内の視認対象を瞬時に他所へと転移する能力です。


ちなみにどこへ転移されるのかは、僕もわかりません。




質問はいつでも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その451につづく!

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