2024年5月31日金曜日

音吐朗々を体現する数少ない朗読詩人のこと

画像はイメージです

音吐朗々という言葉があります。ハリがあって伸びやかでどこまで行き渡るような発声、というような意味です。主に豊かな朗読を指して使われる言葉ですが、たぶんプレゼンとか演説なんかにも当てはまります。

これまでに細々と続けてきた僕自身の発声表現に音吐朗々という言葉を当てることはとてもできないけれど、それでもまだどうにかこうにか続けられているのは、例えばここ数年は「アグロー案内」のパートナーでもある御大タケウチカズタケのおかげによるところが大きい。誰であれ、人生にはこの人がいなければその後が大きく違っていたと感じる、有意な縁がいくつもあるものです。

こうした分水嶺とも言える出会いをいくつか遡っていくと、現在の僕の歩みを決定づけたそもそもの端緒、濫觴として、どう考えても不可欠なひとりの人物に行き当たります。出会いというよりもむしろその存在が、と言い換える方が正確かもしれません。

それがさいとういんこ女史です。

いんこさんはかつて僕が初めて人前で朗読を披露したイベントの主催者です。この形でなら一度はトライしてみたいと思える、今も昔も唯一のイベントだったので、彼女がいなかったら詩は書いても朗読は今もしていなかった可能性がめちゃめちゃ高い。

そして彼女自身、音吐朗々を体現する数少ない朗読詩人のひとりでもあります。

じつを言うと僕もそれ以外のことをあまりよく知りません。知っているのはローリング・ストーンズとマクドナルドが大好きで、その昔バンドでメジャーデビューをしたボーカリストだったことくらいです(レコード屋でソロ時代のEPを見つけたので本人にプレゼントしたことがあります)。あと、気に入らないやつの車の助手席にシェイクをぶちまけたことがあると話していた気がする。

でもこれだけで十分にその女傑ぶり、ひいては朗読の朗々っぷりを想像してもらえる気もします。初めていんこさんの朗読を聴いたときの凛とした空気と澄んだ声音は、僕にとっても忘れられない記憶のひとつです。

そんな彼女を中心とした、稀有な朗読イベントが6月にございます。


2024年6月16日(日)
Splash Words presents
「SPOKEN WORDS SICK 5
さいとういんこ『ハンバーガー関係の数編の詩と、その他の詩』出版記念」

出演:さいとういんこ、長沢哲夫、カワグチタケシ、小林大吾
時間:19:00open 19:30start
会場:Flying Books(東京都渋谷区道玄坂1-6-3 2F)
料金:¥2,000(1ドリンク付 限定40名様)
チケット:Yahoo!パスマーケットにて (5月5日正午受付スタート)
(残席がある場合のみ、当日券を発行させていただきます。)


断腸の思いで割愛したけれど、ナーガやカワグチタケシさんも、このお二方だけで界隈がざわつくレジェンドと大ベテランです。そこにしれっと僕も紛れこんでいて恐悦至極というか心苦しいかぎりですが、せっかくなので僕もアグロー案内に収録予定の新作なんかを、ビートなしで朗読するつもりです。

よかったらいらしてね。

2 件のコメント:


  1. わー 朗読イベント!
    今回は行けませんがいつか参加してみたいです。
    今週10-15日は七十二候「腐草為螢」期間です。
    「詩人の刻印」を聴いています。

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  2. > 黄色い花さん

    毎年この時期はもっとしっとりした印象だったけど、
    すっかり夏日になってしまいましたねえ。
    蛍もびっくりです。

    いずれまた朗読の機会もあると思います。

    いつもありがとう!

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