アレサトランポリンさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)
Q. 電車内でのスマートな席の譲り方を教えてください。
あ、これは僕に訊いても何の参考にもならないやつですね。なんとなれば僕はもうだいぶ以前から、よほどスッカスカでないかぎり、電車の席には座らない男だからです。絶対にとかでは全然なくて、ひどくへとへとだったり、誰かと一緒だったりしたら逆に気を遣わせてしまうので普通に座るけれども、基本的に座ることを求めていません。少なくとも一人で移動のときは仮に席が空いていてもだいたい立っています。
というのも、長年電車を利用してきて、座れるかな、座れたらいいな、座れなかったな、空くかな、あっ空いた!とかそういうことを考えるのにほとほと嫌気がさしてしまったからです。待てよ、なぜそうまでして座る必要があるんだおれは?とある日うっかり自問してしまったわけですね。
その結果、同じ距離を歩いて移動するよりは断然速くて楽なわけだし、あれこれ考えたり気を遣わなくてすむし、今のところは座らないとアラートが鳴る体でもないし、べつに立ったままでもいいか、と考えるようになりました。本当に必要な人が座れるならそのほうがいい。
おかげで今では空いてる電車も混んでる電車もあまり印象が変わりません。どのみち立っていることには変わりないので、広いな、とかちょっと人が近いな、とおもうくらいです。今の僕にとっては動く歩道みたいなものなのかもしれません。1時間くらいだったら問題なしです。僕としてはとにかくめちゃめちゃ気が楽になったの一言に尽きます。ときどき座れることよりも圧倒的にストレスフリーで、何ならずっと快適です。
しかしこれでは何の回答にもなっていないので、ここはひとつ考えてみましょう。
席を譲るのに気を遣ったりためらったりしてしまうのは、口下手で声をかけるのが得意でなかったり、思いのほかいろんな理由で断られる可能性がなきにしもあらずだからです。個人的には席を譲られたらどうあれ受け入れて座るのが譲るのと同じくらい大事なマナーという気がするけれど、断る側も断る側で申し訳なく思っていたり、すぐ次の駅で降りることもあるので、それは考えても仕方がありません。
だとすればどう考えても最善なのは、目の前に立つ人と知らぬ間に体が入れ替わっていることです。目にも留まらぬ速度で入れ替えてしまい、何食わぬ顔でスマホの画面をスクロールでもしていれば、譲られた当人以外は誰も気づきません。コミュ力を必要としない点でも文字どおり言うことなしです。
とはいえ具体的にどうすればそんなことが可能なのかちょっとイメージしにくいとおもうので、参考までにMARVELにおける最速のヒーロー、クイックシルバーの動画を載せておきましょう。こんなふうにやるのです。
A. クイックシルバーみたいな所作を身につけることです。
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その396につづく!
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