2020年12月18日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その306


ブログにアクセスできない問題がいまだに放置のままなので、今回も共通の知人に間を取り持ってもらうような形でこれを書いています。いいかげんどうにかしたいのですが、人生において随時更新されるいいかげんどうにかしたいことリストの最下部にあるのでどうにもなりません。このいいかげんどうにかしたいリスト自体、いいかげんどうにかしたい。

あたためマスカットさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士が適当につけています)


Q. 私は思い込みかもしれないけれど確かめる術もない前世の記憶があります。ダイゴさんには前世の記憶みたいなもの、おありですか?もしあれば、その記憶とどう付き合っておられますか。私はその記憶に時々話しかけています。


ふむふむなるほど、これはなかなか興味深い質問です。そして肝心の、前世の記憶については何も記されていないと……なるほど……。

いやいやいやいや、そこじゃないですか!一番気になって知りたいのはそこですよ!

たとえばですね、「わたし脱いだらすごいんです」って言われたらそりゃもうどれどれちょっとそこで脱いでごらんなさいって話になるじゃないですか?そんで実際に確かめてみて、ワーオってなるわけじゃないですか?そうでないならそれ以上踏み込みようがないし「ほう……」としか言いようがないわけですよ!バーでたまたま隣り合わせて、どちらからとなく会話を交わしたりして、そこからワンナイトアフェア的なめくるめくアレへと歩みを進めるためにはやはりどうしたってもうひとふんばり必要であると、カウンターを拳でドンと叩きながらひとり取り残されたわたしは言いたい。

いや、待てよ……これはつまり「気になる?じゃこの続きはわたしの部屋で……」みたいなことなのか?それならそれで、うむ、なるほど、そうですな、ふふふ……わるくない。たしかに全然、わるくない。

これが質問箱でなければの話ですけども。

あと僕下戸なのでバーとか行かないですけど。

前世の記憶については、そうですね、そういうこともあるだろう、とわりとストレートに受け止めているほうです。物心がつく前にそういう、かつて存在した当人しか知らないような話をして周囲を不思議がらせながらも、成長するにつれて次第にその記憶を失っていく子どもたちがいると聞いたことがあります。とすれば大人になっても忘れずにいる人がいても全然おかしくはない。ただまあ、前世というとどうしてもスピリチュアルな響きを伴ってしまうので、個人的には「生まれる前にいた自分」くらいの受け止め方ですね。あっていいし、むしろあってほしいとさえおもっているところがあります。

僕自身は、たとえば目にした情景を伴うような、そういう記憶はありません。ただ、前世の名残と言われれば納得してしまうような、不可解な習性なら今もあります。

昔から誰に話しても意味がわからないという顔をされますが、40℃から41℃の風呂に異常な不安を抱く、というものです。それくらいの温度の湯につかると、恐怖に近い不安を抱いて目が泳ぎ始めます。なぜと言われてもまったくわからないし、矯正できるものならそうしたい。でも未だに変わらずです。

具体的には「このまま素っ裸で外に出なくちゃいけなくなったらどうしよう」という不安です。何言ってんだと僕自身もおもいますが、なぜか必ずそう苛まれます。昔は温泉とか銭湯をそれが理由で避けていたくらいです(今はだいぶ平常心で入れるようになりました)。

とにかく解せないのでかつて実験してみた結果、42℃を超えると不安が消えることはわかっています。それはただ熱いだけで、怖くはない。もしかしたらもっと絞れるかもしれないけど、不安をもたらすのがかなり限られた範囲の温度であることは確かです。すくなくとも何者かの手で煮えたぎる湯にぶち込まれた経験からくる防衛反応ではないとおもわれます。

もちろん、物心つく前の何らかの記憶が歪んだ形でこびりついている可能性もあります。でも、なんだろう、冬場に濡れたまま体も拭けず裸で外にいて震えるイメージなんですよね。

なのでたぶん、生まれる前に火事かなんかで風呂屋から逃げたとか、もしくはそれで命を落としたとか、そんなとこかもしれないな、とひとまず結論づけています。

前世っぽいでしょ?

どちらかというとフィジカルな記憶なので付き合い方と言ったらなるべく避けるくらいしかできないですが、話しかけられる記憶はちょっといいですね。背中を撫でるようなかんじでね。

というかまじで何が何だかさっぱりわからない上に気になって夜もいつも通りしか眠れないので、僕がときどき店番をしている古書店アルスクモノイでコーヒーなんか飲みつつぜんぶ洗いざらい話しに来てください。


A. つかると恐怖に苛まれる風呂の温度があります。




質問はいつでも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)



その307につづく!

8 件のコメント:

  1. かしこまりました。来年のどこかでお伺い致します。
    お答え下さりありがとうございました!

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    1. お風呂のお話は面白いですね。
      ちなみに私は、上を向くのが恐い、つまり首を出すのが恐いという妙な感覚が二十歳頃までありました。なんか刃物が飛んできてスパッといくような恐ろしさを覚えてぞわぞわしてました。
      この感覚は覚えている前世の記憶とは多分関係ないので… また違う話かも知れません。

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  2. > 某Aさん

    全身全霊でお待ちしています!!


    > 某Bさん

    それはたぶん前世の記憶だとおもいます。
    何かあったのです、かつてそんなことが。

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  3. こんにちは。
    こちらのブログを沢山の方々がお読みになっていることを考えると、はたしてその前世とはどんなものであるのか
    具体的にお伝えしておかなければ中途半端に気をもたせてしまうのはなんだか失礼ではないかという気がしましたので、ざっと内容を説明させていただきます。

    まず、前世の私は中国人で、地方の高官の妻でした。14歳で嫁ぎ、24歳で入水して短い生涯を終えました。子供はいませんでした。

    前世の記憶を持つという子が、子供の頃からかつて自分が大人であった事を全て覚えている、というような感じで記憶しているのではなく
    5歳の頃は前世の記憶も5歳まで、
    前世と現世は共に同じくらいのペースで年を重ねて、少しずつその生涯を知りました。

    前世の私は大抵いつもひとりぼっちのようでした。
    同世代のお友達が欲しかったのかな、と思っています。
    だから、遠い未来から「私があなたをちゃんと見てるよ」と話しかけているんです。

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  4. > 某さん

    なんと!
    これは……想像していた以上にリアルなお話ですね……。

    とりわけ、

    >>5歳の頃は前世の記憶も5歳まで、
    >>前世と現世は共に同じくらいのペースで年を重ねて、
    >>少しずつその生涯を知りました。

    という一文に強く引きつけられます。
    実人生に並走して紐解かれる記憶……!
    そもそもこれは前世の記憶なんだろうか……?
    誰かの人生をきれいにトレースしながら追体験している、
    ということは確かなようですが、それにしても驚きの一言です。
    わかりやすくご説明いただいてもなお興味が尽きません。

    なのでやはり一度、お店にいらしてください!!
    KBDG

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    1. ありがとうございます。
      お店には是非ぜひお邪魔させて頂きます。近年まれにみる楽しみさです。

      恐れながら日程が決まりましたら、お客様相談センター的宛先の方に連絡差し上げます。よろしくお願いいたします。m(_ _)m

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  5. > 某さん

    お待ちしています!!!
    できたらSNSかメールで連絡を…!
    KBDG

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    1. かしこまりました!
      ありがとうございます。楽しみです。

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