2016年6月4日土曜日

続・雑誌とは色とりどりの未知に通じる扉の集合体である


たぶん地球上で3億人にひとりくらいの割合でご記憶だとおもいますが、「MOUTAKUSANDA!!!magazine」というこの時世においてはまったく気概溢れると感嘆するほかないポロロッカライクな雑誌があって、僕もその創刊号に書評を寄せたことを以前、ここでお知らせしています。ここをきっかけにご注文くださったみなさま、どうもありがとう!

【ムール貝博士言行録】雑誌とは色とりどりの未知に通じる扉の集合体である

先日そのエディターである山若さんとお会いした際、企画と取材と編集のほとんどをおひとりでをこなしていたと伺って耳を疑いました。耳を疑うというのはつまり、取調室でカツ丼をもくもくとかきこむ耳に対して「ウソをつくんじゃない!」と迫る新米刑事役、もしくはそのそばで「おいおい、初手からそんなんじゃ話にならねえよ、わるいね耳さん、血の気の多い野郎で」と執り成す志村喬みたいなベテラン刑事役を僕が演じたということです。ちがうような気もしますがそれはまあどうでもよろしい。

あれから9ヶ月……そんな「MOUTAKUSANDA!!!magazine」の最新号がこのたびめでたく刊行の運びと相成りました。クラウドファンディングで資金を募って達成率300%(!)というのだから、山若さん率いるクルーのみなさんの人徳、ひいてはこの雑誌によせる期待のほどが伺えましょう。300%ってすげえな。




ありがたいことにふたたびお声がけいただいて、僕もテキストを寄稿しています。今回は短編小説です。「時間の旅」をテーマに4000字以内であれば何を書いてもよいというたいへん懐の広いオファーをいただいたのだけれど、何を書いたらいいのかさっぱりわからないままとりあえずお引き受けして、もんどり打ったあげく、こういうことになりました。


参考までに、むりやり送りつけてむりやり奪い取った感想を載せておきましょう。

・Sさん「(眉間にしわを寄せながら最後まで読んで)わああー!」
・Kさん「ブラッドベリの短編みたい!とため息がでました」
・Mさん「本や映画などでウルっと来ない方なんですが、涙腺にグイっときて自分でもびっくりしました」

そりゃまあどうって聞かれたら人情的によかったよと答えるほかないだろうと僕もおもいますが、すくなくとも写真の冒頭部分からはちょっと想像しづらい結末が待っているはずです。実際にこう言ってもらえる価値のあるお話かどうか、WEBではすでに予約受付を開始しているそうなのでぜひともその目でおたしかめあそばせ!

store.moutakusanda.com

発売日は6月17日です。東京近郊ではわりとあちこちの書店に置かれるようなので、よかったら探してみてね。

2 件のコメント:

  1. 遅ればせながらようやく読みました。
    わああーっ!てなりました!
    情緒ある文体が美しく
    (そのうえ構成はコンパクトで無駄がない!)
    ふだんあまり本は読まない私でも
    一気に引き込まれました。
    読後も不思議な余韻が長く続く物語ですね。
    いいおはなしだった!
    大吾さんにはこういう物語も書いて欲しい…などと
    思いました。

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  2. > miwaさん

    これ以上ないくらいの大賛辞をありがとう!
    わああーっ!ってなってくれてよかった!
    短い物語は今、ちまちま書きためています。
    披露できる機会は果たしてくるのか……

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