このときちょうど豆を煮ていたので、ずっと観察してました。
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悪魔が来りて笛をパクッさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)好きな女の子のたて笛によこしまなきもちを抱くようなときに使う、横溝正史的な慣用句ですね。
Q: これまでに読んだなかで最も衝撃を受けた本は何ですか?
衝撃にもいろいろありますが、とにかく驚いたの一言に尽きるという点で真っ先に思い浮かぶのは江戸川乱歩の「恐怖王」です。本というより、作品ですね。でも読み終えてこれほど唖然とさせられた小説は他にありません。こうして書いている今も、脱力のあまりおもわず「えええー……」と声を発してしまったあのときのショックがまざまざとよみがえります。
成功とか失敗とか、良いとか悪いとか、どこがどうと言うことはできません。実際のところ、これを作品と呼んでいいのかどうかすら躊躇われるものがあります。乱歩自身の(・ω<)てへぺろ☆的なエクスキューズ付きとはいえ、全集にそのまま収録されていることがにわかには信じられないくらいです。花札で賭けでもして負けたか、そうでないならいくらなんでも懐が広すぎるとおもう。
この例を持ち出しても江戸川乱歩の偉大な功績は微塵も損なわれない、と確信した上で思い起こされるのは、かつて日本中のアニメファンを震撼させた伝説の劇場作品「ガンドレス」です。封切時の「ガンドレス」は、言ってみれば走り幅跳びの選手が助走の半ばで派手にすっ転んでそのまま「マイナス3m27cm」と記録されてしまったかのような、それはそれで奇跡と見なせなくもない驚異の作品ですが、じっさい「恐怖王」の衝撃はこれと肩を並べてもぜんぜん遜色がありません。信頼からくる安心感との落差で言ったらむしろ凌駕していると見ることさえできましょう。何しろ、どこがどうと聞かれたらどうもポーもないと答えるほかないのです。とりわけギアが一段上がる、中盤以降からのアウト・オブ・コントロールぶりといったら、読む人みな目を見張らずにはいられますまい。
恐怖王とはいったい何だったのか、というかそもそも何しに現れたのか、そしてなぜゴリラばかりがおいしいところを持っていくのか、おいしいといっても僕らにとってのおいしいところまでいっしょに持っていくから最終的にはゴリラ以外誰もおいしくないのですが、ともあれ懐疑の方こそ、おためしあそばせ。これでも相当、控えめな書きぶりだということがきっとおわかりになるはずです。
ただし、乱歩の名作群にまだふれたことがない、したがってその大家たるゆえんをご存知でない方は、逆に決して読んではいけません。
A: 江戸川乱歩の「恐怖王」です。
謎めいていて、かつ謎のまま解かれずに終わった謎のシーン
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その188につづく!
そういえば来年は乱歩死後50年ですね、映像化作品が増えたりするのでしょうか。
返信削除著作権も切れて青空文庫に載ったりするかもしれませんし、来年は乱歩イヤーの予感です。
> 匿名さん
返信削除もうそんなになるんですね。
ウルトラQみたいな怪奇趣味がすごく好きなので
そんなところを継承しつつアップデートされた
映像化作品、観てみたいです。僕も。