2012年7月25日水曜日

重圧に熱を出して2日間も寝こむ冴えない男の話



たいへんご無沙汰しております。

当ブログの管理者たる小林大吾本人の登場としては、ムール貝博士のパンドラ的質問箱の記念すべき第100回目で迂闊にもポロリと落命して以来じつに5ヶ月ぶり(!)になるのだから、部分日食よりもその頻度が低いライブを披露したときくらいとっとと更新すればよさそうなものなのに、それができなかったのは日曜にライブを終えて帰宅した途端、きゅうにガチガチと歯の根が合わなくなり、烈火のような高熱に見舞われて身動きもとれないまま、60時間ちかく延々とうなされつづけていたからです。


本当です。


月曜と火曜の記憶がほとんどなくて、いつの間にか水曜日であることにいささか愕然としております。いったいわたしに何が起こったの……?




そういうわけで何だかもう一切合切が夢だったかのような心境に包まれております。僕がライブに積極的でない理由が、この冴えない事実ひとつによく表れているのではないかとおもう。

とはいえ、ツイッターやブログにいただいたコメントからしてそれが夢でなかったことは明々白々です。すぐにお返事できなくて本当にごめんなさい。何しろ本当にぶっ倒れて虫の息だったのです。こういうときこそ打てば響くようなコミュニケーションを積み重ねておきたいとつねづねおもっているはずなのに、どうもそのへんの詰めがいつも甘くていけません。いい年こいて何熱なんか出してんだよとは誰より僕がいちばん呆れているところです。




ともあれアイララセッションズvol.6、ふたを開けてみればボンヤリ想像していたのをはるかに上回る大入りで、始まりから終わりまでまろやかな雰囲気に満たされたすばらしいイベントでした。プロデューサーである御大古川耕をして「泣けた」と言わしめたあの温かさは他の何にも代え難いものがあります。あんなによろこんでくれた古川さんを見たことはかつてありません。そのうるうるとした表情に僕ももらい泣きをしそうになったくらいです。もっとも大きな心配の種であったはずの僕がどうにか無事にやり終えたことだけでなく、イベント全体がとにかく本当によかったとしきりに申しておりました。

水のなかにどぷりと引き込まれてそのまま溺れてしまいそうになるtotoさんの頑丈にしてやわらかなあの世界観、どこまでも艶やかで時にタンと軽く跳ねるようなステップを踏むエイミちゃんのうるわしい歌声、らんちゅうのぴちぴちした演奏とその隙間を縫うようにして泳ぐタカツキ先輩……とくに彼は始終とぼけたいつもの振る舞いと裏腹の格好良さに胸を射抜かれた人も多いのではありますまいか。

ご来場いただいたみなさまもふくめて、あの場にいた全員がひとりでも欠けていたらきっとあんな素敵な夜にはならなかったはず、そう心からおもえる夜でありました。え、何?みんな友だちなの?ってくらいのあの一体感を誇らずに何を誇ろう。セッションの最後、「500マイルの未来に咲く花」にみた会場全体のボルテージの高さは忘れられません。

それから、ピス田助手の手記最終話にコメントとしてライブの感想をいただいているのですが、これがまたあまりに感涙ものだったのでこちらで再度お返事とともにご紹介させてください。



・毛だもの。さん
アイララセッションズにて。 ふだん《二ヒルなんだけど実は世話好きなしゃべる絵本》という架空のキャラクターをイメージしながらCDを聴くのですけれど、ご本人を目の当たりにしたライブではまた一味違い、舞台役者のように動き、また大道具、小道具も駆使する。『テアトルパピヨン』の蝶をミラーボールで表現したのには声をあげそうになりました。視覚にも訴えてくる表現・・・。     totoさんにも感じたのですが、この詩という枠を越えた表現をなんと呼べばいいのか、それともじぶんが無知なだけでこれらを含めて詩という表現なのか。ともかく、あんぐり口をあけて見入ってしまいました。 長くなりましたけれど、本当にライブみられてよかったです。ひとりでひっそり聴く楽しみもあるのだけれど、こんな機会でもなきゃ『手漕ぎボート』のサビをみんなで合唱することなんてないですもん。(来られなかった方には自慢するみたいで申し訳ないけれど、今度はぜひこの感動を共有しましょう・・・暑苦しかったらすみません) では次回のライブ、音源リリース、気長に待ってます。もちろん手記の続編も!

情景がありありと目に浮かぶ、心のこもりまくった感想をどうもありがとう!僕はステージからしか見ていないので、ああ、そんなふうに観えてたんだ…とおもうとすごく新鮮です。その場にいるみんなのきもちがちょっとずつ連鎖して、僕の望んでいた以上の何かが生まれていたのかもしれません。あと、『手漕ぎボート』のサビをみんなで合唱というのはちょっとにわかには信じられないのですが、こ、これは本当ですか…?そ、そんな夢みたいな話が?僕もそっちにいたかった…!

(また泣く)

またお会いできる機会が巡ってきますように!


・おーのさん
新世界でのライブとても良かったです。 もっと聴きたかったのが本音で、あの場に居たほとんどのお客さんも同じように思っていたはずです。 絵を描きながら聴いていたあの曲を生で聴けて光栄でした。 これからも聴き続け、ささやかながら応援してます。

絵を描きながら、というのはときどきいただく感想のひとつなんですよね。じわりとした実感がこもっていて、うれしいです、すごく。あの曲って、どの曲だろう…?初めての人も、そうでない人も、みんながひとつになれるあの感じは望んでも生まれるものではないので、堪能してもらえたのならこれほどうれしいことはありません。どうもありがとう!


・f.kさん
大吾くんへの思慕を遂げるために秋田から遊びにむいたのですが、えいみさんに惚れて地元へ帰ることになりました。ふたりの人を一度に想うのはとても辛いです。イベントのかえり道に何回じゃなく後ろを振り返ってしまうくらい名残惜しく楽しい夜でした。安田タイル工業にも夏休みがあったらいいなあ! なんだか後から思い返してATOMさんのコップは私の身体をさけようとして落としたんじゃないかと考えていました。もしもそうだったなら本当に申し訳ないです。また必ず遊びにいきます。

秋田からいらしてくださったなんて……!それだけで伺える思いのつよさに涙腺が破裂してあたり一面が水びたしになるばかりか、みるみる溢れて満ちたその水面にぷかりと箱船を浮かべたくなろうというものです。(何を言っているのかよくわからない)どうもありがとう!何より、エイミちゃんを好きになって帰るあたりに胸ふるえるものがありました。わかる!緩急あって撓まないあの伸びやかな歌、本当にステキでしたものね…。ATOMさんのことなら気にしないでください。あの人はいつもだいたいあんな感じです。Bygones!


・赤舌さん
ライブ観にいけなくて無念です…。超無念です。 がんばってください。

アレ……?いらしてましたよね……?気のせい?まあいいや、いつもホントにありがとう!




さて、次回のライブは例によって未定です。終われば三日も寝こむ体たらくだし、個人的にはこうなるともう次は来世じゃないかなという気がしないでもないですが、それはそれとして日曜日にご来場くださったみなさまには何とお礼を申してよいかわかりません。タカツキさん、エイミちゃん、totoさん、らんちゅう、新世界のみなさま、どうもありがとう!


おかげさまで熱下がりました。冴えないことですな、まったく。




10 件のコメント:

  1. 下町の端っ子2012年7月25日 22:40

    たーのしかったですよ!
    お疲れさまでした!!

    しかし、寝込んでおられたとは…
    どうかご自愛下さい。

    あのー。ところで、
    古川さんが「俺の中では決まった。」と仰ってましたよね?
    まさか。まさかのワンマンライブ!

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  2. いました!俺いました。変な名前のアレです。
    日曜日は仕事なんですが、実はあのコメントしたあと、イベント当日になって急にお休みをもらえたので、チケットの予約もできずに飛び込みました。

    お疲れ様でした。
    ホントに雰囲気のいいイベントで、俺以外みんな友達なのかと思いました。すごく楽しかったです。「真珠貝亭の潜水夫たち」が聴けてうれしかったです。
    アイララのお二人、totoさん、らんちゅうの皆さんと、どの曲もみんなかっこよくて、期待してた以上に楽しいイベントでした。

    最高でした!体調も回復されたようでなによりです。
    ありがとうございました。

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  3. ケイジロー2012年7月26日 3:14

    うわあ すっごい行きたくなるようなコメントや感想達ですね。
    用事があっていけなかったのが実に悔やまれる・・・
    小林大吾の世界観を皆で共有できる機会なんて滅多に無いのだから!(失礼しました)

    熱が下がってなにより
    またライブの機会があれば是非是非よろしくお願い致します。

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  4. ライブ。大吾さんのパートはもちろん、ホントにイベントとして最高で心の中からポッと暖かくなりました。
    乙女のように頬も染めたりもしました。
    いつも音源で重い焦がれている方々が総出で。やっぱり生は圧倒的でした。

    それから、ライブ後に握手をしていただいた際にお隣で古川さんが「ワンマンやらねば」とおっしゃていたのを僕も聞きましたので、またワクワクしながら時が来るのをお待ちしております。
    お体ご自愛ください。

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  5. ついったのログインネームがわからないーー
    気が向いたらおしえてねー携帯でもいいよ

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  6. > 下町の端っ子さん

    どうもありがとう!ご心配おかけしました。たしかに…たしかに古川さんは今そういうモードに入っておられるようです。果たして…


    > 赤舌さん

    当日になってお休み、そうだったんですね!それで駆けつけてくださったなんて冥利に尽きます。お会いできてよかった。本当にありがとう。温かい雰囲気でしたねえ。


    > ケイジローさん

    そうか、ライブには「世界観を共有する」って意味もあるんだな…と僕もしみじみおもいました。またお会いできる機会が巡ってきますように!


    > miyaさん

    たのしんでくれてありがとう!ご心配をおかけしました。呼んでくれたタカツキせんぱいには頭が上がりません。あの居心地の良さ!しかしワンマンて…人くるんだろうか…?


    > りえ姉

    コメントが場違いすぎてびっくりするじゃありませんか。どのみちたいしたことはつぶやいてないし、お忘れなさい。

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  7. 単粒度砕石2012年8月4日 20:53

    ライブ拝見しました。生ダイゴさんが観れて嬉しかった!です。
    えいみさんやtotoの声が今でもふとよぎることがあります。
    タカツキさん格好よかった!ぎゅうぎゅう詰めでしたが、不思議な空間だったなあ。素敵なライブでした。

    ワンマンライブ!あったら是非行きたい!!
    ダイゴさんの身体に障らないようにしつつ、いつか開催してもらえないでしょうか。気長にずっと待ってます。

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  8. 単粒度砕石2012年8月4日 20:59

    totoさんですね。うっかり呼び捨てにしてしまいました。申し訳ありません。

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  9. ライブ…行きたかったです。がむしゃらに働いてましたチクショー。
    大阪にはこんどいつ来られますか?
    未婚ですし、子どもなんていないですけど、病床の息子が「ダイゴさんに会って、ホームランを打つってやくそくしてくれたら、ぼく、しゅず…す…噛んだ、しゅじゅつをうけるよ!」と意気込んでいるので、大阪でもまたライブして欲しいです。

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  10. > 単粒度砕石さん

    お返事がおそくなってごめんなさい!来てくださったんですね。とても楽しんでもらえたことが伝わってきて僕もうれしいです。本当にありがとう!ワンマンはどうかわからないけれど、みんなでつくる不思議で心地よいあの空間で、またごいっしょできたらよいですね。

    それにしても良いペンネームです。わかります、その魅力。


    > s8さん

    ふふふ。よかった!どこか遠くへ旅立たれたのかと心配しておりました。しかし仮に僕がベーブルースだとして、もし相手のピッチャーにも同じような境遇の子があって「ベーブ相手に三振をとってくれたら手術をうける」って約束してたら、どうなるんでしょうね?

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