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2011年6月10日金曜日
Mr. Jukebox と鋼鉄の乙女ふたたび
ミス・スパンコール秘蔵のアルバムから1枚
※写真は本文といっさい関係ありません。
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ほとぼりの冷める頃合いを見計らって、雨だれのようにポツポツとキーを叩きはじめているのですが、先日は日曜夜のメロウな憂鬱なぐさめミュージック・プログラム「Happy Sad」にゲストとしてお呼ばれしてきたのです。縁あってのお話とはいえ、人前でろくにしゃべったこともない馬の骨を引っぱりだすとは Happy Sadクルーもだいぶむちゃなことをなさいます。
※当日の写真が1枚もないのは、持っていったカメラに電池が入っていなかったからです。
番組の後半30分は「グッド・フレンズ」と題して、「毎週、週替わりのゲストを迎えてクロストーク。音楽の魅力をワンテーマでトリッキーに語り合」う時間なのだけれど、僕が「ことば」をテーマに3曲をえらび、20分しゃべくりたおしてきたのはこのコーナーです。
この「グッド・フレンズ」しかり、御大・高橋芳朗が大いに語る音楽ミニ・コラム「マイ・フェイヴァリット・シングス」のコーナーもしかり、Happy Sad の魅力はオンエアされるすべての曲に「視点」を加える、そのジャーナリスティックな姿勢にあります。全編をきもちのよい音楽でたっぷりと満たしながら、一方では情報番組としての濃度もある、ということですね。おいしいだけじゃなくて、おなかもいっぱいになるのです。満足度高い!
それから、曲を選ぶ基準のひとつに「甘酸」という新鮮なキーワードがあることも、すごく大きい。というのもこのキーワードによって、多岐にわたるジャンルをつねに一貫した視点で語ることができるばかりか、番組の主体がパーソナリティではなく曲そのものに与えられることになるからです。主役はいつも音楽であり、パーソナリティはあくまでその忠実な介添人であるということ。それでいて主役を引き立てるトピックの引き出しをわんさか持っていること。書いてしまえば当たり前のように響くけれど、じっさいにそれができる人はどれくらいいるだろう?
だいたい、本来はブラックミュージックが専門のはずなのに(I.N.I.という伝説的なヒップホップグループにリアルタイムでインタビューをしたことがあるような人ですよ!)、それに気づいてないリスナーもいるんじゃないかとおもうくらい、守備範囲がひろくてビックリしてしまう。「広く浅く」ならゴマンといるけど、広いうえにメチャメチャ深い、まるで海みたいな「本物の音楽好き」を目の当たりにしたのは僕の人生で初めてかもしれない。Mr. Jukebox と呼びたくなる所以です。
何よりそんな奥行きを微塵も感じさせずに、スタジオからラジオのスピーカーを通して聴く人の耳をふわふわと包みこむ、雰囲気からしてもう甘酸っぱい!オンエアされないブース内でのキャッキャとしたやりとりには、アドバイザーの古川さんも「こっちとあっちで一体何がちがうんだ」と苦々しく舌打ちをするくらいです。僕もその場にいたから、きもちは痛いほどわかります。
実際にお会いしてつくづくおもったけれど、コミュニケーション能力に致命的な欠陥があって第一印象がつねに最悪な僕としては、本気で生まれ変わったら高橋芳朗になりたいです。何を食べて育ったらあんなキュートな人柄になれるんだ?あのまろやかでやさしい語りくちを見習いたい。
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というわけで、一聴しただけではそのモノ凄さが1ミリたりとも伝わってこない、Happy SadはTBSラジオで今週も明日夜18時30分から。CDショップでうっかりジャケ買いをすることも減り、音楽がよりピンポイントでパーソナルな嗜好品としての意味合いを強くしつつある今にあって、本来なら至極当然の「共有」を前面に掲げるホントに貴重な番組です。とっとと全国ネットにしていただきたい。
ぜひお聴きあそばせ。
ちなみにアシスタントの川瀬さんも周囲を惹き付ける魅力にあふれたたいへん美しい人ですが、プロ意識がハンパないせいか、じかにお話をしても素顔がぜんぜん伺い知れない鋼鉄の人でした。師匠が翻弄されるわけだ…。
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ここまで書いて読み返したら知らないうちにラブレターみたいになっていてきもちがわるいから公開するのやめようかとおもったんだけど、まあいいや!
僕がきもちわるいのは今に始まったことではない。
ヨシアキさんの目にふれないことを祈ろう。
P.P.ピンカートン先生に、ラジオの感想として、
返信削除大吾さんの声が相変わらずのステキ系ボイスでナイスでした。 と伝えて下さい、と頼んでおいたのですが、うまく伝わったでしょうか?
タマフルでも感じましたが、もっと大吾さんの声をラジオで聴きたいです!
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返信削除> mars-gunzin.ora-mu さん
返信削除どうもありがとう!伝わってます、もちろん。たのしんでもらえたのなら何よりです。
また出る機会が…あるかな?
ちなみにピンカートン先生には「よかったよ!何を言っているのかよくわからなかったが」と言われました。