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2010年6月16日水曜日
オパキャラマ子さん、結婚のご予定は?
じっさい、交際の事実をみとめた有名人に投げかける「結婚のご予定は?」という一言ほど短絡的で愚かしい質問はありません。ないったらないのです。ですよね?決まりきった生ぬるい定型句にうんざりしすぎて洟がたれます。
チーン(洟をかんでいます)
大体お付き合いと結婚がどうしてその始まりから頑丈なイコールで結ばれていなければならないのか?もちろんそういう人だってたくさんいるとおもうけど、リポーターというリポーターがみなことごとくそういう考えの持ち主だというのはあまりにも不自然だし、そもそもあるベクトルを前提にコメントを求めること自体、ずいぶん乱暴な話です。大挙して押しかけながら口を揃えて機械的な発言しかできないのも忌々しい。もっと他に聞くことないわけ?
とついこないだまでは人並みにそうおもっていたのです。
でもブログの更新さえ滞る綿密な考察の結果、それは大きなまちがいであったと、わたくしは自戒をこめて告白せねばなりません。
じぶんの浅はかすぎる理解について、あるいはバッカじゃねェのと毎回プリプリしていたことについて、サーセンした!と全力で土下座どころか勢い余ってそのままクルンと見事な開脚前転を披露せねばなりません。(何を言ってるんだ?)
前置きを180度ひっくり返してたいへん恐縮ですが、よいですか、「結婚のご予定は?」という簡潔な一言以上に、強力で非の打ちどころのない完璧な質問は他にないのです。それはなぜか?
話題の中心が有名人なら、知りたいことはいろいろあります。相手も同じくらいの知名度を持っているならなおさらです。きっかけは何だったとか、なぜ他の人ではなく彼(あるいは彼女)でなければならなかったのかとか、詮索好きなら経緯を聞きたい。
でも本人からするとそれは余計なお世話以外の何物でもないので、よほどの知己でないかぎりそんなことをゆっくり根掘り葉掘り聞くことはできません。仕事と仕事の合間に、あるいは何かのついでにむりやりマイクを向けるとしたら、使える時間もごくわずかだし、だとしたらゴシップだろうが何だろうがニュースになると判断された以上は、せめてこの話題に関するリアクションだけでもほしい、と考えるのはごくごく自然な流れです。
となるとできるのは必然的に「ポンと投げてポンと返せる」シンプルな質問に限られてきます。究極的には「イエスかノーか」で返せるような、コールアンドレスポンス的やりとりになるということです。ここに至るとコメントを求めるという当初のピントが若干ずれて、回答よりもリアクションそのものに焦点が当てられます。そうなると質問はもはや単なる「アクション」でしかなく、内容はおろか意味さえほとんど失うという本末転倒の様相を呈することになるのです。
(すごーく当たり前のことを言ってるようだけれど、こうしてひとつひとつ整理してみるとそれまでの景色がだいぶちがって見えてきます)
「ポンと投げる」こと自体はそれほどむずかしくありません。問題は「ポンと返せるかどうか」です。ポンと返せる質問ってどれくらいあるだろうとおもって考えてみたんだけど、「幸せですか?」とか「その髪型は彼に合わせて?」とか本当にびっくりするくらいどうでもいいような(ことによると失礼な)質問しか浮かびませんでした。それこそまさしく僕が不快感を露にしてきたところのものであるにもかかわらず!
そこで、「結婚のご予定は?」です。まず聞き間違えることもない、じつに簡潔で明瞭なフレーズといえましょう。返す答えも「あります」「ないです」「まだです」とじつに明快です。でもこれだけならただの「返しやすくて良い質問」にすぎません。
ではなぜこれが「完璧な質問」なのか?
それはこの質問が「次の大きなニュースへとつなげる可能性」を秘めているからです。付き合い始めた2人について次に大きなニュースがあるとすればそれはもちろん「結婚」であり(妊娠もありうるけどそれを先に公表することはたぶんない)、リアクションさえとれればそれでいいという最低限の姿勢で臨んでいるにもかかわらず、もし結婚をほのめかすような発言をとることができたとしたらもう、これ以上の収穫はありません。ですよね?
つまりそれは短絡的で愚かしいどころか、うまくいけば「最小の労力」で「最大の利益」を得ることのできる質問なのです。リアクションさえとれれば元は取れるのだから、これ以上効率のいい働きかけは他にないでしょう?
それまで抱いていた印象からはほど遠い、というかむしろ真逆の着地点です。驚きというほかありますまい。
<結論>
あれはプロフェッショナルの手によって研ぎ澄まされた最強の質問です。(Q.E.D.)
*
そんなことをうだうだと書き連ねるためにこのブログはあるのか?
そのとおりだ!もんくあるか!
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