2008年6月26日木曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その59


日本の相場の1/4くらいで手に入りそうなときは、レコードをアメリカから取り寄せることもあるのだけれど(Chi-litesの"Give It Away"が9ドルとかね)、その際よく利用するUPS(国際貨物運送会社)の仕事があんまり早くて唖然とします。

何しろタイミングがうまく合えば、きのうの朝発送された荷物が今日の夕方に届くのです(本当に!)。アメリカがまるで隣町じゃないか。どんな魔法をつかうとこんなにスムーズな配送が可能になるのか、ちっともわからない。UPSすごい!

もちろん早ければいいというものではぜんぜんないし、町中をテケテケ走り回りながら届けてくれる、クロネコヤマトの文字どおり地に足のついた仕事ぶりも好きなのだけれど(とくにウチの区域を担当しているのはキュートなお姉さんなのです)、それにしても場合によっては国内よりも早く届くというのはさすがに絶句してしまう。ふしぎだ…。


 *


名古屋でとてもおいしいパンを毎日せっせと焼いているフラワーズのひとり、ベーキングパンダさんからふたつめの質問です(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)。こないだ大阪へともだちの結婚を祝いに行ったときは名古屋に立ち寄って、新郎新婦のおみやげにパンを山ほど買いました。どうもありがとう!



Q: ダイゴさんの今後の予定を教えてください。



「それでですね、博士」
「うわッ、きもちわるいなダイゴくん、いつからいたんだ」
「きのうからですよ。ずっといたじゃないですか」
「てっきり帰ったものだとばかり思ってたよ」
「そのへんでごろごろしてました」
「社会的に言ったら君は本当に最低の部類だな」
「底辺だからあとは登っていく一方ですよ」
「物は言いようだ」
「こないだふと思い立ってブログを読み返してみたんですけど」
「ほう」
「日記もまともにつけたことないのに、がんばってるでしょ」
「読んでないから知らないよ」
「そしたらわりとおもしろかったんです」
「なんだ、自画自賛か」
「そうじゃなくて、前のほうがおもしろかったの」
「だから自画自賛だろ」
「そうじゃなくて、今があんまりおもしろくないんです」
「だいたい君をおもしろいとおもったことなんて一度もないぞ」
「それを言ったら元も子もないでしょう!」
「さっきじぶんで登っていく一方って言ってたじゃないか」
「すべり落ちました」
「まだ10行くらいしかたってないぞ」
「ホントだ!」
「いいじゃないかとりあえず日記でもつけておけば」
「でも基本的にごろごろしてるだけなんですよ」
「どうしようもないな」
「どうしようもないんです」
「しかし知らんよ、そんなの」
「僕も知らないです」
「何をだ?」
「何を…でしょうね?」
「今後の予定は?質問にもあったろう」
「ないなんてとても言えないですよ!(ひそひそ)」
「ないのか」
「ないです(ひそひそ)」
「小声で話してもあんまり意味ないぞ」
「いいんです気持ちの問題だから」
「おじゃまするよ博士。おや、来客かね」
「やあ、金目鯛のポワレじゃないか」
「ポワレ教授!あれ?甘鯛じゃありませんでしたか?」
「まあどっちでもいいよ」
「大らかな人だなあ」
「こみいった話ならまた日を改めよう」
「いや、かまわんよ、無駄話だ」
「ムダじゃないですよ!」
「相談でもしてたのかな」
「おもしろくないからやめたいらしい」
「人生を?」
「ハッハッハ!」
「ふたりして話を飛躍させないでよ!」
「まあでも、だいたいそんな感じの話だよ」
「それは気の毒に」
「ちがうってば」
「とりあえずアルバムつくってますとかライブありますとか言っておけ」
「そんなのすぐバレますよ!(ひそひそ)」
「わかりゃせんよ。どうせたいして読まれてないんだから」
「そういうことはもっと遠慮がちに言ってくださいよ」
「何の話?」
「ブログを書いてるらしいんだよ」
「いいじゃないか。つづけることがだいじだよ」
「なんか教授に言われるとすごい説得力があるな…」
「説得力なんかクソの役にも立たん」
「博士は一刀両断しかしないじゃないですか」
「まどろっこしいのはごめんだよ」
「そうだ博士これおみやげ。山脇製菓の『レーズン&かりんとう』」
「さすがポワレだ!ピス田!ピス田!」
「なんですか?あ、ポワレさん」
「やあピス田君」
「ご無沙汰してます」
「そういえばひさしぶりだね」
「お茶を入れてくれ」
「4人ぶんですね」
「うん」
「僕も数に入ってる…!」
「当たり前じゃないか」
「何を卑屈になってるんだこの男は」
「ずいぶん気弱だね。どうしたのダイゴ君」
「いや、なんか…なんとなく」

バリ、
ガサガサ
ぽりぽり

「とりあえずこれ開けようか。開けていいかな博士」
「開けるだけならまだしも食べてから言うなよ」
「かたいこと言いなさんな。ダイゴ君もどうだね」
「いただきます」

ぽりぽり

「それで、何の話だっけ?」
「ダイゴくんのおもしろくないブログの話だよ」
「ちょっと!そうかもしれないけどそれだとなんか…」
「いいじゃないか、つづけることがだいじだよ」
「2回目だぞ、ポワレ」
「100回だって言うとも。しかしつづければいいというものでもない」
「どっちなんだ」
「どっちだっていいじゃないか」
「大らかさが裏目に出た!」
「優柔不断なだけじゃないか?」
「そんなことはない。どちらかといえばわたしは…お茶はまだかな」
「もういいだろダイゴくん。ブログの話は終わりだ」
「たしかにどうだっていいような感じになってきました」



A: 予定、たしかにあればそれにこしたことはないんですけれど。



「何を泣いてるんだダイゴくん」
「泣きたくもなろうってものですよ」
「涙をおふき」
「見上げれば目をとじた月」
「ポワレ教授まで!」

 *



dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)



その60につづく!(のか?)

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