2008年4月23日水曜日

ホーム・スイート・ハンガー



ベランダから前に立ちふさがる、鬱蒼とした木々をながめていたら、だいぶ上のほうのある一点に目が止まりました。

枝に青いハンガーがぶら下がっているのです。あんなところにぶん投げた記憶はないし、ずいぶん高くにひっかかっているものだとこの妙な光景にしばらく見入っていると、今度はそれよりも少し上にあるもさもさとした大きなかたまりに気がつきました。

巣みたいだ。カラスかな?そうかさっきのハンガーはカラスが巣の材料にくわえていったんだと、このへんでようやく合点がいったものの、まだどこかへんな違和感がある。でもその違和感がなんなのか、目がわるいせいもあっていまいちよくわからない。こういうとき望遠鏡があったらいいとおもうけど、あいにく遠くのものを拡大して眺める趣味をもったことがないので、うちにはそんなものありはしません。どうにか自力で解決しようとタバコをくわえながらじーっとみつめていて、ふとその正体に気づいたときはタバコをぽろりと落としそうになりました。



…ぜんぶハンガーじゃないか。







なにしろ木の上だし、ハンガーもたぶん10本目くらいまではしょっちゅう下に落としていたはずです。「あそこにハンガーまとめといて」と仮に僕がたのまれても、そうとう苦労するんじゃないかとおもう。うまいことやるものだなあ。この木のそばには古い民家があるので、ときどき空から降ってくるハンガーに首をかしげていたのではあるまいか。

巣に戻ったカラスがハンガーの山に埋もれて尾羽をぷりぷり振っている写真もとったんだけど、あんまり美しくないのでのせるのやめました。

しかし意図せず人の家をのぞき見たようで、バツがわるい。

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