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2008年2月12日火曜日
ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その18
真夜中にひとりでドーナツをじゅうじゅう揚げていると、超然としたきもちになってきます。ちょっとした背徳感とあいまって、頭が冴えてくるというか、ゾクゾクしてしまう。この集中力を何かに活かせればいいとおもうんだけど、ご多分におなじく、おもうだけです。
どうでもいいけど、重曹の量をまちがえると苦いドーナツができます。こんな血も涙もない裏切りを、僕は他に知りません。
*
質問箱その7で登場してくれたレモン300個分さんから、ふたつめの質問です。どうもありがとう!
Q: 博士が野菜になるとしたら どんな野菜でどんな食べられ方を望みますか?
「生まれ変わるのならわたしは貝になりたい」
「もう貝ですよ」
「人を貝そのものみたいに言うな」
「野菜の話です」
「野菜ね」
「大根とか人参とかそういうのです」
「知ってるよ!」
「貝とか言うからですよ」
「サービス精神が旺盛なんだ」
「誰に対してです?」
「野菜ね」
「野菜です」
「ブロッコリーだな」
「クコの実じゃないんですか?」
「うるさいな。あれはただの好物だ」
「ブロッコリーは好物じゃないの?」
「アフロが好きなんだよ」
「もうぜんぜん野菜として見てないですね」
「若いうちは中身より外見でいいんだ」
「カリフラワーでもいいじゃないですか」
「あんなものくそくらえだ」
「ああ、カリフラワーはきらいなんだ」
「味は好き」
「言ってることが理解できません」
「あれ、アフロじゃなくてパンチパーマなんだよ」
「色しかちがいがわからないけど…」
「君は本当にどてかぼちゃ以下だな」
「ひどい言われようだ」
「みろ、こっちがブロッコリーだ」
「ちいさくふさふさしてますね」
「こっちがカリフラワー」
「ほんとだ、コテコテしてる」
「頭の出来がちがうんだ」
「頭にくる言いかただな」
「頭の話だろう?」
「野菜の話です」
「果たしてそうかな?」
「そうですよ。書いてあるもの」
「ああそう」
「どんな食べられ方を望むかとあります」
「さっきまでアフロの話をしてたのに、それをどう食べると言われても困る」
「アフロの話じゃないんです」
「でもブロッコリーって、よくて助演男優賞だろう」
「名脇役と言ってください」
「あれ?男優…女優?」
「どっちでもいいですよ」
「これむしろ、料理から逆に考えたほうがいいんじゃないか?」
「そうかもしれないですね。どう食べられたいか」
「どのみちむさいオッサンには食われたくない」
「博士みたいな人のことですね」
「ぬか漬けがいいな」
「きゅうりですか」
「ふかふかしてそうだし」
「ぬか床が?」
「きもちよさそうだ」
「いいですね」
「美女の白い歯にポリッと噛み砕かれたい」
「きもちよさそう!」
「人生に一片の悔いもないだろう」
「じゃあはじめっからキュウリ博士でよかったじゃないですか」
「キュウリに詳しい人みたいだからダメだ」
A: 胡瓜(ぬか漬け)
*
質問箱その7といえば、「答えてくれたら、二度浸け禁止の串カツ屋での食べ方攻略法をこっそり教えます」と言われたのではりきって答えたものの、それきりどこかへ行ってしまわれました。きっと、質問の答がお気に召さなかったのですね。すみません。おもいだしたらきゅうにかなしくなってきた。
dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)
その19につづ…いてもいいですか。こんなわたしで、いいですか?
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