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2007年10月17日水曜日
電気的乳母の必要性
花鳥風月と入力したはずなのに、画面には課長風でゲスと表示されているのです。そうでゲスかと言うほかない。課長風ってことは係長なのかもしれません。窓の外を見つめる彼の後ろ姿が思い浮かびます。薄くなった髪が風にそよいで哀しい。ゲスとはこの場合語尾であって断じて下衆ではないと断っておきたい。
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気がつくとわりとこまめにしょこたん☆ぶろぐをチェックしているのだけれど(何せ更新頻度が異常に高い)、ブックマークすべきか否かで毎回1分くらい悩んでやめてしまうのです。いくじなし!好きなら好きって言っちゃえばいいのに!
でも言えない!
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人生という名のサバイバルゲームから負傷により戦線を離脱することとなった電子レンジ三等兵(性格温厚)。何度コンセントをさしてもそのたびブレーカーがばちんと落ちるため、こりゃ漏電ですよと診断されたわけですが、何しろこいつときたら、僕が17のころから毎日のようにせっせと食べものを温めてくれていた、ある意味乳母ともいうべき存在だったので、そのかなしみは言葉に尽くせないものがあるのです。足かけ13年という時間はいかにも長い。赤ん坊なら万引きを覚える年頃だし、蝿なら260回もの世代交代を重ねる年月です。
たしかに晩年は皿を入れるとばちばち火花がとぶこともあったけれど、それだって愛嬌だとおもえばなんてことはなく、むしろ何事もなくあたためが終わると「どうした?元気ないな」と心配になるくらいのものでした。来るべくして来た別れのときには、かける言葉もありはしません。
それはそれとしてしかし問題は、保存用としてかちんこちんに凍らされたもろもろの食物であって、主にこれらを解凍するのがレンジの役目であったことを考えれば、早急に対策を練る必要があるのは明々白々です。おなかをすかした緊急対策本部が無人の記者会見で発表した対応策は以下のとおり。
ごはん→せいろで蒸す
肉→基本自然解凍、ただし水につけると30分くらいで使える(挽き肉はもっと早い)
ハッシュドポテト(好物)→魚用グリルの直火で炙る
ハッシュドポテトにいたっては、グリルのほうが全然早いし、しかもよっぽどかりかりでおいしくなることがわかって心もイモもほくほくです。やったね!
あれ?
とするとなぜ電子レンジをあそこまで重宝して、かつその死を悲しまなければならなかったのか?たしかに1分で済んでいたことが今は10分かかったりするけれど、そのくらいの時間を惜しむようなせっかちな暮らしはしたくないし、かえってちょうどいいような気もする。電磁調理器しかない部屋に住んでいたときは、お湯ひとつ沸かすのにもひどく時間がかかるから、フンフン歌いながら気長に待ってたじゃないか。
そもそも僕はひとり暮らしをはじめてから、数年間はごはんを炊飯器ではなくて、文化鍋を火にかけてコトコト炊いていたのです。人にもらって炊飯器がウチにきたとき、タイマー機能に軽いカルチャーショックを受けたこともまだ記憶に新しい(朝起きたら炊けてるなんてずるい!とさえ思った)。あればそりゃ便利ですけども、なければないでなんとかなる、それはたしか僕の座右の銘ではなかったか。不足とはこれすなわちクリエイティビティの母であります。となれば…
もうレンジいらない。
と縁切りを心に決めたそのとたん、それまでついぞ目立たなかったホーローの保存容器が、あいつあんなに美人だったっけ?みたいな展開で俄然そのかがやきを増してくることになるのです!冷凍したまま火にかけられるたァ驚きじゃねェか!次週!「白くて冷たい粋なヤツ!レンジ離れは加速する!」の巻!刮目して待て!パッパパパラ〜
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