エヴ……エヴむ……?
ヴィンセントヴァン誤報さんからの質問です。
Q. 長年使ってたFacebookをやめようと思ってます。なにか挨拶的なものはいりますでしょうか。誰も気にしてないわと思われるのもなんですし。当方53歳。
いずれやって来るとうすうす感づいていたその日が、とうとうやってきたわけですね。フェイスブックにかぎらず「SNSをいつまでつづけるか問題」は今や人生においてかなりの高確率でまたぐことになる段差のひとつです。そしてこの段差をいかに切り抜けるかが人生の最終的なカギを握ると言っても過言ではありません。
僕もこれまで長いこと「フェイスブックは?」「やってないです」「なんでやらないの?」というやりとりをそれはもうげっぷが出るほどさんざん繰り返してきたので、今ではやってもいないのにそろそろやめるかというきもちに傾いています。
どうすれば始めてもいないことをやめられるのかという問題は単純に見えてなかなか一筋縄ではいきませんが、というのもやめるためにはまず始めなければならないし、始めたからにはある程度つづけないとやめたとは言いづらいからですが、それに比べれば話はずっとシンプルです。
挨拶については、そうですね、何かひとこと残しておいたほうが後腐れがなくてよさそうにおもわれます。なんとなればただやめただけなのか、それとも今までずっといたように見えて実は最初からどこにもいない架空の存在だったのか、傍目には判断がつかないからです。僕なんかは実際に面と向かって「架空の人だとおもってました」と言われたことがあるくらいなので別にどっちだっていいようなものですが、何かひとことあればすくなくとも存在自体が口裂け女みたいな都市伝説のひとつにされてしまう可能性はかなり減るはずです。
では実際にいくつか例を挙げてみましょう。
1)平素よりひとかたならぬお引き立てを賜りまして心より御礼を申し上げます。開設以来みなさまのご厚情をあずかりぽつぽつと雨垂れのように更新してまいりましたが、このたび新体制を含め存続か廃止か熟慮した結果、なくてもそんなに困らないなということで本日をもちまして終了することとなりました。永らくご指導ご鞭撻を賜りました関係各位の皆様には心から感謝申し上げますとともに、今後ともあの手この手でお引き立てくださいますよう、よろしくお願いいたします。
2)ご愛読ありがとうございました。ヴィンセントヴァン誤報先生の次回作にご期待ください。
3)バイバイキーン!
こんなことなら何も言わずにスッとアカウントを消したほうが100倍マシな気がしないでもないですが、それはまあそれとして案外(1)とかふつうにアリかもしれません。というかたぶん、僕はこれ使うことになると思います。いずれ。
A. スマートな離脱を祈ります。
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dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)
その288につづく!