1日に数本というおじいちゃんみたいな嗜好から一時的とはいえヘビースモーカー並みに跳ね上がった煙草の数が、ようやくまた数本に戻りつつあります。僕にとっては台風といっしょにニコチンが上陸したようなものです。世界との交流が希薄なせいか人と会うと若干増える傾向があるんだけど(だから数本と言っても誰も信じない)、こんなに増えたのはここ数年ちょっと記憶にありません。
カズタケさんや純平さんはまた新たな音楽の日々に歩みを進めているとおもいますが、僕としてはほとんど事件みたいな3日間だったので、せっかくだからここに書き留めておきましょう。
全国各地で不要不急の外出を控えるような大荒れの天候をものともせずにご来場くださったみなさま、あらためて本当にありがとう!草葉の影でどんぐりを齧りながら息をひそめて暮らしている僕にしてみれば、まさしく冥土の土産にふさわしい3日間でありました。ライブをするというだけでもちょっとした事件なのに、ツアーなんだから死人が出てもおかしくありません。誰が死ぬかといったらそれはもちろん僕ですが、死ななくてよかったです。
ラテアートみたいな餃子
何がいちばんうれしかったと言って、カズタケさんがド級のファンクネスをぶちこんで超絶ヒップに仕上げた Four Tops の "Ain't No Woman Like The One I've Got" (長いな)、純平さんが朗々と歌い上げる Sade の "Kiss Of Life"、そしておふたりが息を合わせてぐんぐんとうねる Stylistics の "Betcha By Golly Wow" ……と僕が心底愛する音楽しかそこになかったことです。リーディングをする上で、そしてそのビートをつくる上で、どうせなら大好きなブラックミュージックとお近づきになりたいと当初から抱いていた夢想をこれ以上パーフェクトに満たしてくれる環境がかつてあったろうか……というくらい、それはそれは幸せな時間でした。
そしてもちろん、僕をご存知で、僕に会いにきてくれた人がいたこと。僕にとってこれはやっぱり、今も奇跡的なよろこびのひとつです。東京や広島から駆けつけてくれたり、数年ぶりの再会を果たしたり、そういえば大分から来てくれた彼はぶじ帰ることができたんだろうか……。いつも遠距離でごめんね。声をかけるのだって勇気がいるとおもうけど、みんなとお話できて本当にうれしかった。
あとつよく印象にのこっているのは "Hot Water Pressure Washer" の大合唱です。「ダイヤモンド鉱」というよりは、カズタケさんのリメイクですね。僕もいっしょになって、それこそその場にいるみんなで歌いまくっていたけれど、冷静に考えると「温水高圧洗浄機」なんだからまったく、まさかこんな日がくることになるとは、ひとりでこつこつダイヤモンド鉱を書いていたころには想像もしてませなんだ。いい曲なのに、へんな歌ですよ、ほんとに。
メイドさんと交流をはかる純平さん
南船場GOOD THINGも、守山MADANISも、そして池下GURU×GURUも、それぞれすてきな雰囲気にあふれていて掛け値なしに最高の、というか端的に言ってメチャ好きです、あのかんじ。こんなとこ見ないとおもうけど、心からありがとうございました!
さて次は、とここで言えれば申し分ないのですが、このブログにかぎってそんなのはもちろんありません。いえ、厳密に言うと来月にいったい何年ぶりになるのかウエノポエトリカンジャム、ともうひとつ11月にライブをするはずですが、それはまた追々、思い出したようにぽつりと貼り出しましょう。
しかしライブをしないと1週間がすぎてもこうしてのったり振り返ることができていいですね。(しみじみ)